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カフェ開業から30年&自己実現のためのハーフリタイア生活を獲得するノウハウ:25


カフェのカウンターについてあれこれ書きます


おはようございます。ある時は料理人&ある時はハウスビルダー&ある時はカホン作家のマスターです


カフェや喫茶店、バーに必ずあると言っていいカウンター、店にとって使い勝手が良くなくてはならないものであったり、おしゃれで格好良くカウンターが店の象徴にもなったり、店によっては設置ミスで邪魔物扱いされることもあります。

当店カフェのマスターは、元水道工事屋なので、何軒も飲食店の給排水工事を施工してきました。水道工事は店舗のスケルトン戻しの給排水管の後始末から、テナント新規工事の最初から最後まで付き合うので、内装工事の全般を見ています。
経験上、水道工事屋から見た飲食店のカウンターについて思うこと、カウンターの種類やその長所短所を書きたいと思います。

コロナ禍には、カフェのカウンターに一人づつの遮蔽板を設置して、どこかのラーメン屋さん的に無理やりお一人様用の席に変わってしまったこともありました。
やはりカフェの内装は、開放感を演出することも大事なので、あの窮屈な光景はカフェには向かなかった
あの遮蔽板はもう二度と取り付けることが無いことを願うばかりです

カウンターには4人座れたり8人座れたり
L字 ストレート、コの字、形状も高さも材質も色々です
店によってはカウンターと椅子だけの店もあります。
立ち食いを売りに、高いカウンターだけで、椅子が無い飲食店もあります
カウンターの使い方は何通りもあって店の顔にもなって、お客さんをひきつける事のできる設置物です。

もちろん飲食店に必ずカウンターを設置しなければならないものではありません。カウンター席はあえて無くして、テーブルと椅子のみで質の高いスペースを創り出している店もあります。

小規模のカフェに関しては、席数を少しでも増やすためにカウンター席を造る場合もあったり、カウンターを店内内装の主役に置いて、テーブル席を脇役に決めて、全体のかっこよさやおしゃれ感を出している店もあります。

カフェの内装をデザインする際に、ハイカウンターにハイチェアーを置いて席を設けたり、ローカウンターにしてノーマルサイズの椅子を置いたり、あえて椅子を置かずカウンターを見栄えの良い棚としてケーキのショーケースを置いたり、テイクアウト用のコーヒー豆や焼き菓子などを置く場合もあります。それぞれの用途のカウンターに依って、取り付ける場所、高さ、幅や材質をよく検討する必要があります

カウンターは当たり前のように付いているようで、その設計・デザインは簡単そうでむづかしいです。
設計を間違えて、都合が悪ければ簡単に取り替えることは出来ません。テーブルや椅子のように移動ができません
例えカウンターのテーブルだけを取り替えても、厨房と客席の仕切りの関係で、その壁の位置までは動かせません
カウンター設置は一発勝負です。

ならば、カウンターを最初から付けないレイアウトを選ぶ、という選択肢もありです。厨房もオープンでは無く、あえてクローズにして、壁を天井まで立ち上げるレイアウトも選べます。
その壁に沿ってテーブル席を設けるレイアウトも有効です。
カウンターが無ければ、お客さんとの会話をする機会は減りますが、厨房内の仕事の手が止まることも無くなります。

お客さんとの会話と言えば、カウンターはそのチャンスのスペースです。
カフェはお一人のお客さんを歓迎します。
カウンターはお一人様の場所でもあります
お一人のお客さんが来店されると、端っこや隅っこの席を好む方も゙いて、カウンターはその場所にもなります

最近は、外の景色の良い風景を見せるために、大きなガラスを設置して、あえてカウンター席にして外側を見てもらう席も普通にあります。

カフェの店員と話したいお客さんや、マスターと話をしたいお客さんは、大抵カウンターの真ん中に座ります。
店が暇ならば、どれだけでもお客さんとは会話をしますが、話したいお客さんに限って、何故か店が忙しい時に来店します。
店が忙しい時は、話をしている時間はなく、カウンターがあったがためにお客さんの満足度が下がることもあるので、今や当たり前にあるワンオペカフェでのカウンター設置はよく検討しなければなりません

(カウンターでのお客さんとの会話はむづかしい:別記事にて)

当店カフェのカウンター(写真の右端)の高さは750㍉ ローカウンターです。椅子の高さは450㍉、一般的な椅子やテーブルの高さに合わせてあります。最近このカウンター高さの店も珍しくはなくなりました。
ローカウンターのメリットは普通の椅子とテーブルの高さで、ハイチェアーと違いお客さんの足が床に付きぶらぶらなりません。フードやドリンクを落ち着いてゆっくりと楽しめます。
カウンター内から、「お待たせしました」と言いつつ、ドリンクやフードを直接渡しやすい良さもあります
デメリットは、お客さんとの目線は合わないので、お客さんによっては上から見下されていると思われてしまうところです。

昔からの普通のタイプのカウンターの場合、ハイカウンターです。高さ1100㍉ ハイチェアー高さ800㍉程です
ハイカウンターのメリットは、お客さんとカウンター内の人と目線が合うことです。お客さんと対等に話ができ、会話が弾むため、夜の営業のお酒を出すカフェバーなどにはもってこいです
デメリットは、ハイチェアー(高い椅子)は見た目は格好良いが、お客さんが飲食を落ち着いてできないことです
ハイチェアーは足が床に届かないこともあり、足がぶらぶらしたりで、ゆっくりと食べたり飲んだりは無理です

厨房と客席は仕切りを付けなければ保健所の検査が通りませんので、仕切り壁を作ることになります。木材で立ち上げたりブロックを積み立てたり、防水性のある腰壁を造作します。
壁の造作はある程度高さがあったほうが工事はやりやすいです。
水道工事の配管や蛇口の取り付けも、高さが(スペース)あればあるほど作業はやりやすく、業者側にとって有利です
配管はしやすく、蛇口も付けやすい、これば単に水道工事屋の都合です
ローカウンターの場合は、作業スペースが狹く手こずります
業者はローカウンターはやりたがらないはずです。
施主が何も言わなければ(知らなければ)やたらと高い位置に蛇口が付いたり、高いカウンターが設置されてしまいます。

(当店カフェのカウンターは低いタイプのローカウンターです)

通常、カウンター内にはコールドテーブルや二層シンクがあるので、その高さが800㍉ほどです。ローカウンターの上に料理を一旦置く棚を造作すると、高さはカウンターから300㍉上がった高さが使いやすく、カウンターとその上の立ち上がりが300㍉位ののバランスがデザイン的にも綺麗です。
しかしカウンター内のコールドテーブルや二層シンクの高さから棚板の厚みを引くと、たった250㍉の間で、作業する手元を隠れるようにしたり、給水給湯の配管をして混合水栓蛇口を取り付けたりと、実に施工がやりにくいのです(やればできるが手間がかかる)
しかし、ローカウンターのメリットは大きいので、ローカウンターが店の方針ならば、業者が何と言おうとこだわるべきです。

この辺りは店舗内装業者も水道工事屋もわかっているので、やりやすく早く施工するために、施主の意向も確認せず、高さがあるほうのハイカウンターを設置してしまうことがあり注意が要ります

蛇口の位置高さ、カウンターの位置高さは重要です。店舗内装業者は工事を済ませ費用が支払われれば終わりです。後でいくらクレームを入れてもなんの責任も取りません。これでは店をやるほうはたまったもんじゃありません。
合わないカウンターの高さ、使いにくい蛇口の高さで何年も使い続けていかねばならないのは、かなりのストレスになります

もし意向に合わないカウンターが設置され、席数が減るということになれば、売上げ不振に直結します。

開業後、自費で改修工事をやると、ものすごい手間と時間がかかるため高額になります。店舗内装業者に依頼する場合は、工事前の最初の細かい打ち合わせが重要です、が、初めての開業の場合、そして勉強不足の施主は素人です。百戦錬磨の店舗内装工事業者と対等にやり合うのはなかなかむづかしいのが現実です
気合と根性で乗り切って下さい

特に普通サイズの賃貸テナントの場合、間口の幅や奥行が他のテナントと同じ寸法のことがあり、間取りやデザインをワンパターンで済まされてしまうことがあります。洋風、和風、北欧風、インダストリアル風、古民家風、無基質単色風、ある程度のパッケージは決まっていて、施工する材質も大体決まっていて、オリジナリティは出し難いし、無難なデザインでまとめたほうが業者のリスクは減るので、冒険しようとはしません

すると開業後、カフェ巡りが好きなお客さんが来店すると、「あれ?このカフェの内装あの店と似てないか」という空しい感想が出てくることもワンセットです。
最近はSNSでの普及で、お客さんはカフェのあらゆることに詳しいです

これを回避するためには、専門業者によほどお金を積めばアート感あふれる、今まで見たこともないオリジナルの内装を作り込めます、が、個人店のカフェの場合は現実的ではありません

(当店カフェは現実的に理想を叶えるため、オリジナリティが欲しいために時間がかかっても自分でデザインし施工しています)

マスター(元水道工事屋)は、成功したケースよりも失敗したケースの店舗内装工事パターンを何軒も見ていますので、
大金(500万円〜1000万円)を払って、店舗内装業者に発注して、施工してもらうという気にはなりません。
職人としてのこだわりもあります。
自分の店の内装工事という超楽しい作業を大金を払ってやってもらう?全く無いです
店舗内装工事の施工は、一般的な建築物に比べ高い作業技術も要らず、危険度も低く、特別な道具を使う工事もありません
工事も短期間で、規模は小さいです
ただ、電気とガス工事は危険が伴い有資格者に依頼するとして、床、壁、天井の工事はデザインさえきちんと抑えれば簡単です
自分の長年の理想や夢が、少しばかり業者と打ち合わせをしたところで、こちらの要望が伝わるわけありません
結果思い通りにならず、クレームを言う暇があったら、自分で好きなようにやったほうが早いし気持ちいいです
自分で作り上げた物は一生大切に扱います
自分で施工し、自分で責任を取る まさに合理的な考え方です

よって当店カフェの内装工事はセルフ施工DIYしています
現実に、例えばカウンターの施工ひとつあげても、費用は材料代のみで6000円ほどです。業者見積(家具工房)の50分の1です
楽しんで施工でき、何十万円も節約でき、開業後の経営も圧迫せず、自分の自己実現も叶います


ビアノのカウンター 組木技法 着色無し オイル仕上げ クラフトカフェビックフォレスト


当店カフェのカウンターは、ビアノのカウンター(組木)と椅子カホンです。
(ビアノのカウンターは美しくて楽しい:別記事にて)
自分のアイデアと工夫でオリジナリティを生み出すこと
本当に欲しい店は自分で作ること マスターの自己実現の一端です


クラフトカフェビックフォレスト・3号店・since2018 Instagram
https://www.instagram.com/craftcafe.bigforest/


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