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カフェ開業から30年&自己実現のためのハーフリタイア生活を獲得するノウハウ:18

せっかくの夏休みも台風や猛暑で子供達は外へ出られない模様。当店のような一戸建てのカフェは子供の遊び場にされてしまいがち。実際当店のお客さんの半数は子供連れ。田舎のカフェは子供連れのお客さんへの対応で、その店の実力が試される。

おはようございます。ある時は料理人&ある時はハウスビルダー&ある時はカホン作家のマスターです


飲食店に来店される子供連れのお客さんとのあれこれ。あちらこちらで話題になっています。飲食店によって、入口に「未就学児のお客様のご来店をお断りさせていただいております」という貼紙を見かけたことがある人は多いと思います。

当店は子連れのお客さんは断っていません。がしかし、いくつかの条件を理解してもらって、納得してもらえるお客さんのみ歓迎しています。
子連れでカフェに行きたいというニーズがあることは知っていますが、普通カフェはファミレスとは違い客層を絞りつつ営業しているので、店内が子連れのお客さんだらけになったら、若い方や静かに過ごしたい方は来店されなくなります。
ただ売上げが上がればいいという経営は失敗します。

そもそもカフェはファミレスではないし、ましてや託児所の様な機能もない。お子様メニューも無いし、例え作っても手間がかかる割に単価が安く利益が出ません。
食べ残しやアレルギーの問題もあります。

普通のカフェは、おむつ交換台や授乳室もありません。
稀に子供さん大歓迎の飲食店がありますが、余程経営的に余裕があるか、NPO法人子育て支援のカフェ、という特異な店でない限り経営継続は無理です。

しかしカフェという曖昧な業態には、子連れのお客さんが、「カフェなら必ず子供メニューがあるよ」「カフェなら子供には優しい対応してくれるよ」勝手に決めつけて来店されてしまうことが多々あります。

飲食店の経営上、子供連れ歓迎で店の利益が上がり、お客さんも満足しリピートが増えるのなら、とうの昔に大手の飲食店チェーンが大々的に参入しています。
個人店でも店の尖、キャラを強調するためにアピール宣伝して、どの店も迷わず昔からやってます。
しかし現実はほんの一部の店が仕方なく対応しているに過ぎず、本音は子供さんお断りにしたい店が多いはずです。

どの飲食店もマナーを守って楽しく美味しく飲食してもらえるのなら子供であっても受け入れたいと思ってはいるはずですが、なかなかそう簡単にはいきません。

もし、あなたが子連れで飲食店に行きたい場合は、最初から期待を持たず、行ったならマナーを守って入店して下さい。
慣れいてるお客さんは、来店前に電話やメールで確認の連絡を入れてきます。これが正解です。
当店によくある確認の連絡内容は、
「ベビーカーを置くスペースはありますか?」
「子供用のメニューはありますか?」
「キッズスペースはありますか?」
「子供用の背もたれの付いた椅子はありますか?」
「食物アレルギーには対応していますか?」
「おむつ交換台はありますか?」
「授乳室はありますか?」
「子供が急に泣き出しても大丈夫ですか?」
などです。もう大変です。これをきっちり対応できていて、長年利益を出している個人店があったら、マスターは教えて欲しいです。上手いノウハウを勉強したいです。

それだけ、子連れでも外食がしたい、カフェで楽しみたい、という強い願いの現れでしょう。
当店は沢山ある要望の半分でも、若いママやパパの願いが叶うならと、子連れのママにおすすめの個室を作っています。

飲食店としては、子供連れのお客さんのニーズが一部でもくみ取れ実施でき、売上げが上がる(利益が出る)めどが立ち、店側もウインお客さん側もウインで上手く着地できる条件が揃うのならばやらない手はありません。
もしも子供連れ大歓迎のカフェが上手く経営的に成立するならば、隙間ビジネス的に成功するかもしれませんし、社会貢献になる要素もあります。

当店のような一戸建てのカフェは、テナント賃貸の店に比べると、スペースがとれ、自由度があります。
お客さんのニーズや動向に合わせ、開業時から一室づつ増やして、現在までに3種類の個室を3部屋造っています。
その内の一室が、お子様連れにお勧めの部屋です。
(予約制の個室にこだわる理由:別記事にて)

全ての個室の内装工事、テーブルからドア、スピーカーや壁かけ時計まで全てマスターのDIY手作り(電気工事は除く)にこだわっています。
内装工事業者に発注する費用の10%で済みます。材料代のみ。
これならば、飲食の値段に添加しなくても済み、経営的な負担はかなり抑えられます。

この個室の広さは8畳間程で、定員は6名、テーブルは、ローテーブルで座敷席です。床にはラグマット敷きなので、赤ちゃんがいても寝かせておけます。
子供が急に泣き出しても他のお客さんに聞こえません。
子供が走り回っても良いように、床にはクッション性のある素材を使い、音が響かないように施工してあります。
壁には、吸音材や吸湿性のある素材を使い、快適に過ごせるように施工してあります。
背もたれ付きの子供サイズのキッズチェアも作ってありますので無理なく一緒に食事が出来ます。おむつ交換台はありませんが、床に寝させて交換できますし、授乳室ではありませんが、授乳する際も、個室なので他のお客さんには見られず安心です。

特にコロナ禍の3年間は、個室の問い合わせからの要望が多かった。ドアと壁に仕切られた完全個室は、予約時に代表者の氏名や携帯番号を店で確認することもあり、来店から退店まで他のお客さんとの接触や接近が無いので、もしコロナに罹患しても、相手の特定がしやすく接触者のトレースが出来ます。
また、個室ではないテーブル席が並んだ一般席は、アクリルボードが立ててあろうと、テーブルを消毒しようと、出入り口にアルコール置こうと、空間が繋がっている以上さほど意味はなく、コロナに罹患する確率は上がってしまいます。
個室は一般席と違い、お客さん側も店側も安心感が格段にあります。

予約制でお子様ランチも用意しています。が、幼稚園児になると活発です。遊びたい盛。食べ終わると子供が動き出し、ママはゆっくりと話していられません。
部屋のコーナーに、絵本を数冊と、ミニキッチンを置いています。ママ友とのおしゃべり中も、子供はそこで遊んでいます。
子供が勝手に個室から出ていかないように、ドアの手前には、ベビーフェンスを取り付けています。
絵本ラック、ミニキッチン、ベビーフェンス、全てマスターのDIY、手作りです。当店で製作販売している、木製打楽器カホンの余り木材で作っているので、材料代はゼロ円です。

もちろん、個室造りは簡単ではありません。スペースが要るということや、壁とドアで仕切り、それぞれの部屋でエアコンや換気扇も付けねばならず、費用はかなり嵩みます。
また、広さの割に席数が取れないことも問題です。
フードやドリンクをサーブする導線を考慮する必要あり、改装が出来ないケースもあります。
ましてや個室の工事にまともに内装業者に工事を発注したら物すごい金額になります。経営的に成り立ちません。
この時点で分かっていても諦める店がほとんどだと思います。
しかし条件が合う店はぜひやって欲しいと思います。

当店は近くに大規模な団地があることもあり、0歳から小学生までの子供さん連れのお客さんが多い。
ニーズを取り込み、出来ることから色んなパターンを試しつつ今はストレス無く運用できています。

個室は完全予約制、ランチセットはお一人2000円から 全10品、デザート・ドリンク付きです
3歳以上の子供さんにはワンオーダ以上注文してもらうことにしています。
お子様ランチは1000円 全7品・ドリンク付きで、予約制です
個室の退出時には、子供に関わるゴミを持ち帰ってもらうように入店時説明しています。
カフェでは客単価は普通、よくいって1000円です。
当店では特別個室を提供することで、ランチのコースで2000円の単価をいただいています。経営的に成り立っています。

喫茶・カフェの廃業率が高い原因の一つに、客単価が低く回転率が悪いということがあります。コーヒー一杯500円で2時間でも3時間でも居座られて・・っていうやつです。
どの飲食店も、客単価を上げて効率よく利益を出すために様々な工夫をしています。

当店に来店される子供連れのお客さんは、多くが20代の若いママと赤ちゃんです。若いママは当店のような尖りのあるカフェのことは正しく理解してもらえますので、当店のような田舎のカフェでも、少し高めの値段設定でも無理なく営業出来ています。

都会か田舎か、場所によっても、店側もお客さん側も満足できるボイントは異なるとは思いますが、工夫と実経験を重ねれば、上手い線引きが見つかり、お客さん側も店側も満足できることはできるはずです。

予約制にこだわる理由は他にも多々あります。
(カフェで個室と食事を予約制にする理由:別記事にて)
食べログなどの予約サイトを利用して、この個室と料理の説明を写真付きで十分しています。
キャンセル規定もしっかりしていて、ドタキャンはほぼありません。1年に一度ほどドタキャンがありますが、キャンセル料は支払いに応じてもらえます。
予約制の場合、大手の予約サイトを使うことはおすすめします。

この個室の絵本ラックも、子供椅子も、ミニキッチンもマスターのDIYです。子供用の小さな椅子は、子供が座って叩いて音が出るミニカホンになっています。室内のモザイクタイルを使ったローテーブル、コーナー豆のカフェ時計、杉の木箱スピーカー、杉の木ランプシェイド、床から壁天井まで内装工事もマスターのDIYです
個室にて食事を楽しんでもらいたいというだけではなく、親子さんも子供さんにも、手作りの木工作品の良さを伝えたいというマスターの想いもあります。マスターの自己実現の一端です。

クラフトカフェビックフォレスト・3号店・since2018 Instagram
https://www.instagram.com/craftcafe.bigforest/


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