二飜縛り三麻のススメ(in雀魂)


はじめに


じゃすりーぐ練習卓のじゃすしばルールが面白すぎるのでnoteを書いてみました。じゃすりーぐにエントリーしてなくても、二飜縛りの経験が無い三麻打ちは打つ価値があると思いましたので紹介致します。

二飜縛り三麻は一部地域でメジャーなルールのようで今回のルールは雀魂の仕様もあり亜種も亜種。見る人が見れば外道かもしれません。ただそれが幸か不幸か絶妙なバランスを生み出していて、無茶苦茶面白いです。そして強い人が勝つ。私見ですが通常のルールに比べて腕の差が出ると思います。

今回のnoteでは、したり顔で色々と語っていますが、見る人が見れば何言ってんだこいつ!と思われる箇所が多数あるかもしれません。その際は優しくこっそり教えて頂ければと思います。


二飜縛りへの期待

きっかけは1つのポスト

伝説の天鳳位いちはらさん。いちはらさんのポストで凄く興味が湧いたのが二飜縛り経験の有無。黒閃の如く経験者とそうで無い者の間にとてつもない差があるのではないか…。このポストを見た時からじゃすしばルール(二飜縛り三麻)を打つのを心待ちにしていました。


じゃすしばルールとは


半荘戦
リーチ供託:3000点
ノーテン罰符:場に6000点
縛り:二飜縛り
積み棒点数:1000点
和了止め/聴牌止め:無し
西入:無し

重要なところを太字にしました。

・リーチ供託3000点
まずこれが無茶苦茶大きい。和了の殆どは満貫以上になるのですが、仮にリーチを打って競り負けて放銃した場合は相手が子の場合で▲11,000点。ほぼ跳満放銃と変わらない点数です。リーチ棒2回分が供託されていてその供託を回収できた場合、供託だけで6,000点の収入。仮に子の満貫を出和了ったとしたら+14,000点。満貫が跳満以上の収入になってしまいました。この点数移動が非常に大きいので気軽にリーチを打てないように縛られています。

・ノーテン罰符3000点
三麻段位戦ルール(以下通常ルール)において9割方意味が無かったノーテン罰符。それがまさかの大出世。四麻で見られる形テンプッシュは三麻にはほぼ存在しませんでしたがこのルール変更によって大きな意味を持つようになりました。聴牌ノーテンで差し引き9,000点の点棒移動が起きます。必然的に安易なベタオリが許されない。個人的にはとても良いルールです。

・二飜縛り
これが今回のルールのキモです。メジャーな「二飜縛り」とは、いちはらさんの言う「二飜縛り」とは、多分意味合いが違っているとは思いますが、二飜縛りを経験した者とそうで無い者に生まれる絶対的な差。そのイズムは生きていると思います。


二飜縛りの基本

・好形意識が高まる
・手役への意識が高まる
・手牌構成力が鍛えられる
・染め手が強い(鳴きが使える)

大まかに上記の点が挙げられます。ここからは私の実戦譜をみてその特徴を紹介していきたいと思います。


じゃすしばルール実戦記

通常のルールなら即リーも選択肢に入る牌姿

即リーを打つのが最善かどうかは一旦おいておいて、通常ルールであれば、下家がほぼ2pを持っていない。高打点。カンが入っている。親の先制リーチ。種々条件が揃っているのでこの段階での先制リーチは十分選択肢に入る牌姿です。ただこのルールにおいては即リーは無いです。

即リーした場合、役がリーチツモしか無いのでツモ和了専門になってしまいます。これが二飜縛りの恐ろしいところで手役に二飜無いと和了る事ができません。よってこの手をリーチしてしまうと出和了が効かず、実質フリテンの嵌2pになってしまうのです。

恐らくですがここは巡目も相まって打1pが最善。東が重なったらダマも効きますし片和了(東が出た時だけ出和了りできる)とはいえ字牌待ちは強いのでリーチを打つ選択肢も生まれます。

ほぼ唯一の裏目である2pを引いたところでフリテン三面張でリーチを打てばいいだけで、即リーだとフリテン嵌2pでしたがそれに比べて手牌がランクアップして帰ってきます。

そしてこれは通常ルールにも応用できる考えで通常の段位戦ルールでも1pを切ってハズしという発想が生まれてきます。即リーが良いのか、好形聴牌(シャボ字牌待ちを含む)を目指すのが良いのか、とりあえず聴牌はとるのか(ダマ)、どの選択肢が一番いいかは本当に難しいところで、少なくとも私はどの選択肢もあると思ってます。選択肢の幅が増えるのは自分の麻雀において必ずプラスになると思います。

即リー、聴牌取りダマしか見えなかった人は是非このルールを打つ事をオススメします。自分の麻雀の幅が広がって見識が広がります。それは強くなる事と同義だと思っています。

基本的にこのルールは役無し愚形リーチが無茶苦茶弱いので最終系でそうならないように立ち回る必要があります。

通常ルールにおいて8巡目までの先制リーチは局収支的にリーチ判断は必要無いと言われてきました。今現在その価値観がブレ幅が大きいと見直し傾向にあります。即リー以外の選択をするのに、どのような選択肢があるかを常に探せる、考えるルールになっております。



無茶苦茶良い配牌だが…

通常ルールだと無茶苦茶良い配牌ですが二飜縛りルールにおいては少し微妙です。まず発(ドラ)を鳴いた後に何かしらの役を付けないと和了れない(副露後なのでツモは付かない)

そう、発をポンして発ドラ3で満貫!麻雀簡単だね!という速攻が封じられているのです。これが非常に難しいところで最強配牌が最強ではいられなくなっています。

上記の牌姿から発が暗刻になってくれるのが理想ですが、発を鳴ける時のケースが難しい。これも難しいですが発が他家から出た場合は鳴いて打2pが恐らく最善だと思います。もう一つの役をチャンタと一通の両天秤を見据えながら打つのが恐らく良いハズです。

できれば鳴きたくないものの、鳴かないなら鳴かないでどうやって和了るの?というレベルなので発が出たら鳴くしかないと思います。段位戦ルールなら簡単な手牌が二飜縛りのルール設定1つで途端に難しくなる。本当に面白いルールです。


問われる手牌の構想力

通常ルールなら東を鳴いて躱し手か面前で頑張って東と1mのシャボリーチ等の最終系を見据えるのがパッと見える手なり進行。しかしこの手、普通なら鳴ける東が鳴けません。やはり一翻しかないので東を鳴くなら他に役をつけなればなりません。東の対子を生かすには混一色が一番分かりやすいです。通常ルールではやや無理矢理気味の進行に思えますがこのルールは皆同じ条件なので、聴牌速度及び和了速度が遅くなり一見無理染めでも十分に成立します。実戦では東対子を生かす意識と面前リーチの可能性も見た打1mとしました。

個人的に今まで無かった三麻における鳴き混一色への絶対的な信頼感が新鮮です。



オーラス和了トップの先制リーチのチャンス

厳密には上家が聴牌してる可能性がかなり高いので先制リーチかどうかは非常に怪しいですが、まだ聴牌してない可能性もそこそこあるのでリーチを打てば一応先制リーチ。

通常ルールであればこの後の結果がどうあれ先制リーチを打った方が局収支及び半荘収支は良くなると思います。

しかしこの状況においてはすこぶる微妙です。まず上家が明確に混一色を目指しており、染めている色が余り始めているので出和了可能な聴牌してる可能性がそれなりにあり、リーチを打ったところで点数状況的にまずオリてくれません。そして下家の親も同じく点数状況的に絶対にオリてくれません。出和了が効くなら良いですが全ツッパしてくる2人相手に実質フリテンの4-7sで本当に戦えるのですか?という問いかけです。

リーチも勿論有力ですが、ツモ和了しかできない聴牌しか組めなかった時点で分が悪いとみて撤退や南ツモによる手変わりに賭ける選択も選択肢に入ります。

通常ルールならリーチ優位ですが二飜縛りによって必ずしもそうとは言い切れないのがこれまた面白く、通常ルールより踏み込んだ立体的な視野が鍛えられます。



難しい牌姿

麻雀の基本的な考えとして面子手と七対子ならターツが好形であれば面子手を優先した方が良いです。しかしこのルール、散々申し上げてる通り面前で聴牌したとしても手役が無いとリーチしてもツモ和了しかできません。出和了を可能にするにはリーチの他に一翻以上の手役が必要です。さらにいうと一翻役はリーチが必要になり、リーチ供託が3,000点というのがどこまでも重く、リーチを打った際に競り負けてしまった場合受けるダメージが尋常じゃないです。そうならないように出来ればリーチをかけないような手組みをしたいところ。

そうなると通常ルールに比べて七対子の価値が急激に上昇しており上記の牌姿からでも七対子はギリギリまで見たほうが良いです。七対子の可能性を残す為に打9pがあらゆる手役を消さない一打になると思います。

とにかく七対子が強く、基本的に手役(七対子以外でも)を強く見るルールなので手役への嗅覚が鍛えられます。



幾度も問われる手牌の構想力、手役への意識

通常のルールであればここから切る牌は大体8sになりそうですが、1-4-7sが埋まっての嵌4p、もしくは1m‐5pのシャボは出和了できない事も相まって無茶苦茶弱いです。よってここは断么九を強く見た打1mが最善だと思います。

北ドラを抜けば打点が確保される事も相まって通常ルールでは聴牌重視に傾倒しがちですが、じっくりと打点を作りにいく意識が高まります。

また8sを切った場合は1手先の次のツモの事しか考えていませんが、1mを切った場合は一歩進んで2手先の手牌をイメージするので普段と違った目線で麻雀を見れて楽しいです。そして手牌に対する構想力が鍛えられます。

通常ルールにおいても点数状況によっては1m対子を外す場面が出てくるのですがそのような引き出しを持ち合わせているというのは大きな武器になります。



ふとした瞬間に訪れる通常の押し引き判断

今まで二飜縛りの特性について私なりに語ってきましたが、ふと訪れた通常の押し引き判断についてみていこうと思います。

オーラス微差のトップ目です。点数状況が絶妙です。忘れやすいのですが本場設定が一本場1,000点になっているので上家(19,200差)に満貫を放銃したらラス落ちです。

対面との点数状況(2,100差)も絶妙で上家がラス確になる満貫をツモってくれるかどうかはまた別のお話しですが、とりあえず上家の満貫ツモはギリギリで耐えます。

前巡の9pを押すかどうかも諸説ありますがひとまずは通ってこの聴牌。そして上家から手出しが入った事により、いよいよ上家は聴牌濃厚。役アリ両面聴牌はそれ自体は凄く価値があるのですが果たしてこの手牌で白を押す価値はあるのでしょうか。

上家の待ち候補は筒子絡み確定として6筋のうち2筋が通っているので残り4筋。字牌の残りは白と西。1枚見えの白は一番マシな牌に見えます。そして自分は役アリ聴牌。

私の結論としてはオリです。役有り両面聴牌は無茶苦茶偉いですが打点が余りにも無さすぎて仮にこの手を和了ったところで勝負を決めきれない可能性が高く次局再びの和了勝負になる可能性が高いです。そしてここで白を押すならリーチもセットになりますが供託3,000のコストも高い。

恐らくこの白の放銃率おおよそ10%程度ですが、それでも放銃した際の2段階着順ダウンの罪が非常に大きい。

そして何より重要なのが目下着順争いをしている対面の手牌進行はどうなのか?という事です。対面とは聴牌ノーテンでひっくり返る点差ですが、自分の手牌にそれなりの筒子が集まっており上家が既に聴牌するほど筒子を集めている。上家と同じく索子をバラ切りしている対面にどれだけ筒子が集まっているのか?聴牌が入っている事があるのか?索子をここまで切っておいて流局時までに聴牌できるのか?という事です。

ここまで考慮したら2段階着順ダウン10%のリスクを封殺して流局ノーテンを狙った方が恐らくですが勝率は高かまると思います。

通常ルールより押し有利な局面が多いですが、当然ながらこのような基本的な押し引き判断も求められます。総合力で勝負している感覚があります。


終わりに


大半が私の自戦記でしたが如何だったでしょうか?自分が読んでて面白いという感覚であまり読み手の事を考えずに書き殴った文章なので面白くなかったらすみません。ただ、二飜縛りの麻雀はこんなに熱く語りたくなるんだ!という事が少しでも伝わればと思います。

私としては、打ってて本当に楽しくて麻雀の幅が広がる(強くなる)ルールなので一人でも多くの皆さんに打って欲しいです。特に二飜縛り未経験の方には激しくオススメします。新しい価値観を会得できると思います。

それでは、対戦よろしくお願いします!!


補足(先制リーチの割合)

最後にここまで読でくれた現在プレイ中のプレイヤー向けに、先制リーチの割合についてのデータを置いておきます。無造作に先制リーチ50回を集計しました。サンプルが少なすぎるのであくまで目安の範囲です。

先制リーチにおける役有り率(全体50本)

完全役有りリーチ・33(66%)
片和了リーチ・7(14%)
役無しリーチ・10(20%)

恐らく上手な人ほど役有りリーチを打つ傾向にあるのでこの比率はルール適応していく人が増える中で完全役有りリーチの割合は上がっていくと思います。

片和了を純粋に半分としてみてもリーチの7割はロンの声がかかるリーチです。逆に言うと3割は当たり牌を打ってもロンの声がかからないリーチになります。この数字を多いとみるか少ないとみるか。それは貴方次第です。

なお役無しの愚形リーチは全体サンプルの1本のみ(2%)だったので役無し愚形リーチを如何に避けるかとういうのが始めの方で記述した通り基本戦略になります。

いいなと思ったら応援しよう!