7歳児の作家ごっこを全米ベストセラーにしたのは?
前の記事で、クリス・コルファーさんが7歳から執筆を始めたことをご紹介しました。
それからずっと書き続けた物語を22歳で出版したのですが、そんな幼いときから、どうやって小説を書くことができたのでしょうか?
1ページずつを集めて
クリス:最初のシリーズの『ザ・ランド・オブ・ストーリーズ』を書くのに挑戦したのは、7歳くらいのときだった。7歳で小説を書くというのは、すごくすごく難しいんだ。
僕は、実際にはただページを集めただけの「章」を書き上げては、自転車に乗って、祖母の家に向かっていたよ。
ー クリス・コルファー 2020.10.30 Char Margolisさんとの対談より
https://youtu.be/GfPrEe9eNNw
書いたものが何枚かたまると、おばあちゃんが見てくれたのですね。
ほめてもらいたくて走っていく姿が、目に浮かぶようです。
クリス:最初のシリーズ(『ザ・ランド・オブ・ストーリーズ』)を書き始めたとき、僕は7歳くらいでした。
すごいことみたいに聞こえますが、言うほど大げさではないんですよ、ほんとに。
ただ、当時は1ページから書き始めてひとつの「章」みたいにまとまると祖母に渡していたんですが、手直しして納得がいけば、椅子の横に積んでおいてくれるんです。
しかし…。
ー クリス・コルファー 2020.10.27 TV番組ホールマーク Home & Family
https://youtu.be/hPlXpDOmxDc
一番手ごわい編集者
クリス:…しかし、気に入らないと目の前でくしゃくしゃにして、ゴミ箱に投げ捨てて、言うんですよね。
「クリストファー、もっとうまく書けるでしょ。」って。
僕は、祖母が吸っている煙草の煙を、深々と吸い込んでましたよ。
でも、そうしたことが、実際、僕に教えてくれたと思うんです。
編集やフィードバックのことや…。
祖母は、僕が一緒に仕事してきた中で、一番手ごわい編集者ですね。
ー クリス・コルファー 2020.10.27 TV番組ホールマーク Home & Family
https://youtu.be/hPlXpDOmxDc
とても厳しいおばあちゃんだったのですね!
このことについては、こちらのインタビューでも言及しています。
クリス:祖母は、いつも添削してくれて、僕にとって最初の編集者だったんだ。
原稿が気に入れば、椅子の横に積んでおいてくれるけど、もし気に入らなかったら、ビリビリにして投げ捨ててしまう。
本当に厳しい愛情だったよ。おかげで、出版の世界でやっていく覚悟ができたけどね。
(下につづく)
小学生のころから、「出版の世界でやっていく厳しさ」を学んでいたのですね。
最高のアドバイス
それにしても、失読症があったクリスさんにとっては、物語を書くのは容易ではなかったにちがいありません。
クリス:それで、僕は「おばあちゃん、僕には絶対できないよ。作家になんて、なれっこない。」って泣いてたんだ。
すると、祖母が言ったんだよ。「クリストファー、作家として失敗するんじゃないかと心配するのは、小学校卒業を待ってからでいいと思うわ」ってね(笑)
あれは、最高のアドバイスだったね。今まで執筆のことで人からもらったアドバイスの中では、一番だと思うよ。
ー クリス・コルファー 2020.10.30 Char Margolisさんとの対談より
https://youtu.be/GfPrEe9eNNw
この言葉は、『ザ・ランド・オブ・ストーリーズ・1』の一番初めにに記されています。
まさに、おばあちゃんと一緒に書き上げた一冊だといえるでしょう。
トラウマではあるけれど
トム・ビリュー氏:君はおばあさまのことを、「初めての、そして最も手ごわい編集者だった」と言っていたけど、僕が思うに素晴らしい方だったんだね。でも、おばあさまから、小説の出来が良くないと言われたときのことも、本当に嬉しかったの?
原稿をくしゃくしゃにして投げ捨てられ、もっとうまく書けるはずだと言われて、それでも、君は本当にうれしかった?
だって、間違いなく、ちょっと厳しいよね。
クリス:ああ、あれはトラウマですね。(中略)
でも今は、祖母が厳しくしてくれたことが、うれしいんです。
(下につづく)
もう一度、原稿を
トム・ビリュー氏:そのおかげで君が良くなったから?
クリス:はい、そう考えています。かなりおかしなことだったとも思うし、決して検証したわけではないのですが。
でも実際、ああいう経験のおかげで、仕事においても、耳障りの良いことを言う人だけでなく、むしろ率直な人を求めるようになったと思います。
なぜなら、率直な言葉が人を成長させるということを学んだからです。甘やかされていては、成長できませんから。
なので、祖母が、当時と同じくらいドラマチックに、原稿をビリビリッとやってくれたら、うれしいですね。
ー クリス・コルファー 2019.11.12 対談「インパクト・セオリー」
https://youtu.be/bFIdD57Xz84
大作家になったのを見届けて、天国に旅立ったおばあちゃん。
クリスさんのますますの活躍と、作品のテーマがどんどん深化していることに、目を細めていらっしゃることでしょう。
さて、こんなに厳しいおばあちゃんに、なぜクリス少年はついていけたのかでしょう?
へこたれないで、夢をかなえる子を育てる秘訣は?
▼ 次回の記事で、さぐってみたいと思います。