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小児科病棟でみつけた夢~全米No.1ベストセラー作家・クリス・コルファー

クリスさんが、処女作『ザ・ランド・オブ・ストーリーズ』を書き始めたのは、なんと7歳のころでした。
それには、こんなエピソードがありました。

入院中のおとぎ話

クリス:子どものころ、かなり長く入院していたとき、よく枕元で、母がおとぎ話を読んでくれたんです。
僕は、あらゆる登場人物に、尋常じゃないくらい興味がわいて、なぜ彼らがそうしたのか、知りたくてたまらなくなって…
それで、母に「なんで、この人はこうなの?」とか、そういう疑問を全部ぶつけました。

ー クリス・コルファー 2020.9.28 TV番組 KTLA 5にて
https://youtu.be/luTv8YxE0lI

ちなみに、その本の挿絵はイラストではなく、人形のポーズを変えながら実写している珍しいものでした。それで、物語の世界がよりリアリティを持って迫ってきたのかもしれません。

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作家を生んだ母の一言

クリス:僕は入退院を繰り返していたので、母が、療養中の僕を楽しませようと、おとぎ話を読んでくれたんです。
すっかり夢中になってしまった僕は、母に、「ルンペルシュティルツキンは、どこから来たの?」とか「悪の女王の『魔法の鏡』にいるのは、だれなの?」とか、あらゆる疑問をぶつけていました。

すると、答えるのに疲れ果ててしまった母が言ったんです。
「クリストファー、そんなに知りたいなら、自分でおとぎ話を書いたらどうなの?」と。
それから、書き始めたんです。

ー クリス・コルファー 2020.10.27 TV番組 ホールマーク Home & Familyにて
https://youtu.be/hPlXpDOmxDc

「自分で物語を書きなさい。」とは、7歳児には、なかなか言えませんよね。
本当に書き始めてしまうクリスさんにも驚きますが、書かずにはいられない理由もあったようです。

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つらい現実と作家になる夢

その後、妹がとても重い病気(重度のてんかん)になってしまい、我が家は大変な状況になりました。
僕は、自分が書くちっぽけなファンタジーの世界へと、可能な限り逃げ込んでいたものです。

そのとき、僕は自分に約束しました。いつか、チャンスが訪れたら、この物語を実際に出版するのだと。
そして、幸運なことにgleeでいくらか成功できて、最初の作品を世に出すことができたのです。

ー クリス・コルファー 2020.10.27 ホールマーク Home & Familyにて

可愛い妹さんの激しい発作に、クリス少年も胸を痛めたことでしょう。
しかも、家計も苦しくなり、学校に行けば、いじめが待っていました。
将来を思い描くことだけが、心の拠り所だったのかもしれません。

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クリス:(子どもの頃の)僕にとっては、物語を書くのも演技するのも、同じことだったんだよ。
言葉を使おうがジェスチャーをしようが、どちらも、ただのごっこ遊びみたいなものだったからね。
それも全て、僕にとってはつらい現実からの逃避だったんだ。
そういうわけで、演劇をしてきたのと同じくらいの期間、執筆もしてきたんだよ。

ー クリス・コルファー 2019.10.30 キッズ・プレスのインタビューより

▲ キッズ・プレスの子どもリポーターが、お話を聞いています。

夢をかなえて

クリス:18歳のとき、高校を卒業したばかりでテレビドラマ「glee」のキャストになれたのは、とてもラッキーだったね。
ドラマは大ヒットして、僕が演じた役をみんなが本当に本当に愛してくれた。そして、大勢の熱心な、それは素晴らしいファンの人たちに恵まれたんだ。

そして、皆から「自伝を書いてほしい。」と言われたんだけど、そのときは、まだ19歳だった。
たった19歳で自伝だなんておかしいと思ったから、それよりも『ザ・ランド・オブ・ストーリーズ』という子ども向けのシリーズをずっと書きたかったと言ったんだ。すると、運良くぴったりな出版社も見つかって…。

僕は、ずっと物語を書き続けてきたおかげで夢がかなったんだと思うと、ものすごく嬉しいんだ。
これは、僕にとって今までで最大の成功なんだ。
だから、本が出せたことは、本当に、本当に嬉しいんだよ。

ー クリス・コルファー 2019.10.30 キッズ・プレスのインタビューより

俳優としても大きな成功をおさめていらっしゃいますが、作家になれたことが一番嬉しかったようですね。

わずか7歳の子が、どのようにして「本」を書けたのか、気になるところですが、こちらの記事でご紹介します。