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ウィッグを洗う頻度や方法って? 正しいウィッグの洗い方をプロが伝授

ウィッグって気付いたら汗で汚れていたり、臭いが気になったりしますよね。洗おうとは思っても「この洗い方で合っているのかな~」と不安に思うなど、洗うタイミングや方法がよく分からないという人も意外と多いようです。

そんな方に向けてこの記事では、元カツラメーカー勤務&現美容師の私が、ウィッグの正しい洗い方を解説していきます。

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ウィッグの洗う頻度はどのくらいが適切?

まず気になるのがウィッグを洗う頻度。ウィッグ自体の素材や使用する頻度にもよりますが、基本的には1週間に1度洗うようにしましょう。

ウィッグは植えられている毛材よりも、ベース部分の方に臭いがつきやすいもの。洗う頻度が低いと臭いがこびりついてしまい、なかなか落とすことができなくなってしまいます。定期的な洗浄はしっかりと行うようにしましょう。

ちなみに夏場など汗をかきやすい時期だと、臭いが気になりやすくもなりますよね。その場合は少し頻度を上げ3~4日に1度洗うといいでしょう。

ウィッグを洗う時は専用のシャンプーで

初心者が陥りやすい間違いですが、ウィッグは頭皮用のシャンプーで洗ってはいけません。洗浄成分自体が頭皮用のシャンプー剤とウィッグ用のシャンプー剤とでは異なるため、頭皮用のシャンプー剤を使ってしまうと、ベース部分に傷みが出やすくなってしまうからです。

ウィッグ自体の劣化を抑えるためにも、必ずウィッグ専用のシャンプー剤を使うようにしましょう。

ウィッグの洗い方手順
ここからは具体的なウィッグの洗い方手順について説明していきます。

洗浄に必要なものは、

ウィッグ
専用シャンプー
ブラシ
洗面器
ウィッグを取り付ける台座
タオル

です。

専門サロンに行くとこれらが1セットとして販売されていることもあります。価格は大体1万円ほどですが、長く使っていくものなので専用セットを持っておくといいでしょう。

STEP1:ウィッグの毛をブラシでとかす
まず、ブラシを使ってウィッグの毛を優しくとかしていきます。

ウィッグについたホコリなどを取り除くことと、毛の絡みを取ることでこの後の洗う工程が楽になりますので、意外と大事な作業です。

目の粗いブラシで毛先から先にとかし、絡みが取れたら、根本付近から毛先に向かってブラッシングをし、指通りをよくしておきましょう。

STEP2:洗面器に専用シャンプーを入れる
次に、洗面器にウィッグ用のシャンプーを2プッシュほど入れ、冷水、または40度以下のぬるま湯で泡立たせます。

このとき、主に既製品のウィッグを使用している方は、必ず冷水を使うようにしましょう。ウィッグに植えられている毛がナイロン製であれば、熱によって毛自体が変形してしまう危険があるからです。

オーダーメイドウィッグであれば人工毛、人毛に関わらずぬるま湯で問題ありませんが、熱すぎるお湯を使うことはNG。ベースも傷みますし、人工毛の場合は元々付けられていた毛のクセや流れが熱によって取れてしまうリスクがあるからです。

ウィッグに適した水温で洗うことが大事ですね。

STEP3:泡立てた洗面器にウィッグを浸す
適切な水温で洗面器内の水を泡立たせたら、ウィッグを浸します。

このとき、ウィッグのベース部分が上になるように浸すのがポイント。汚れのつきやすいベース部分を上に向かせることで、細部の汚れが浮き上がりやすくなりますし、毛が絡まる心配も少なくなるからです。

そのまま浸した状態で2~3分ほどおき、汚れを浮き上がらせておきましょう。

STEP4:ウィッグは押し洗い
2~3分ほど浸したら、ベース部分を上に向けたまま、押し洗いをしていきます。この時、ゴシゴシと強く洗うのはNGです。ウィッグのベース全体を持ち、洗面器内で優しく上下しながら内部の汚れを落としていきましょう。

STEP5:毛はブラシで洗う
ベース部分の押し洗いが終わったら、毛の部分を洗っていきます。洗面器内でベースの前頭部側を持ち、そのままブラシを前頭部から後頭部に向かうように入れていきましょう。

このとき、しっかりと前から後ろに向かってブラシを入れることがポイント。この流れに逆らってしまうと、ウィッグを実際に装着したときに毛の流れが上手く出なくなってしまいます。

STEP6:流水でウィッグについた泡を落とす
ベースと毛の洗浄が終わったら、泡を流水で流していきます。この場合も水温はきちんとウィッグに適した温度にすることが大事です。

ベースの前頭部側を持ち、前頭部から後頭部に向かって水が流れるように泡を落としていきましょう。

STEP7:ウィッグをタオルで拭く
泡を流し終わったら、タオルでウィッグを包み、水気をとります。これもできれば水捌けの良いウィッグ専用のタオルを使うのがおすすめです。

拭くときもあまりゴシゴシと強くはせずに、優しくベース部分と毛先の水気を取ってあげるようにしましょう。

STEP8:ウィッグを台座に取り付けて乾かす
ある程度までウィッグの水気が取れたら、専用の台座にウィッグを取り付けましょう。地球儀のような形をしたウィッグ専用の台座ですが、これも専門サロンなどで購入することができますし、自作も可能です。

ウィッグを台座に取り付ける前にベースの裏側だけ先にドライヤーで乾かしておくと、仕上げた後にすぐ装着することができます。

取り付けたウィッグの前頭部から後頭部にかけてブラシを入れ、形を整えたらドライヤーで全体的に乾かしていきましょう。

ちなみにオーダーメイドウィッグのようにヘアスタイルが形状記憶されている毛材の場合は、ブラシを入れずにハンドブローで乾かすだけで形を作ることができます。

以上が基本的なウィッグの洗い方になります。

毛が絡んでしまったら

洗い方の手順を間違えたり、専用のシャンプー剤以外の物を使って洗ったりしてしまった場合、ウィッグの毛が絡んでしまうことがあります。こうなってしまった時は、すぐに流水で泡を落とし、ドライヤーで一度完全に乾かしましょう。

人毛、人工毛に関わらず、濡れていると摩擦によってなかなか毛の絡みはとれません。しっかりと乾かした後、毛先から徐々に絡みを取っていくとよいでしょう。

また、いきなり根元からブラシを入れてしまうと、毛同士が引っかかってしまって上手く絡みが取れません。特に人毛が絡んでしまった場合は、人工毛よりも絡みが取れづらい傾向にあります。

あまりにも毛の絡みがひどい場合は毛を切らなくてはならない場合も。自分で対処するのが難しい場合は、一度専門店に相談するようにしましょう。

ウィッグは洗浄のほか、定期的な脂抜きが大事

ご紹介したウィッグの洗浄のほかに、定期的な脂抜きを行うとウィッグをより清潔に保つことができます。脂抜きとは、ウィッグ専門店などの専門サロンだけで行うことができるベースのクリーニング作業です。ご自宅で使うようなウィッグ専用シャンプーを高濃度にした薬剤を使い、ベースの奥深くまで入り込んでしまった油分を取り除いてくれます。

サロンで行う脂抜きは2,000円前後の金額がかかってしまいますが、長くウィッグを使っていくためには必要不可欠。ご自宅でウィッグを洗うのとは別に、1ヵ月半~2ヵ月周期ほどでこのウィッグのクリーニングをしてもらうようにしましょう。

洗えない時にはデオドラントスプレーを使おう

旅行先や外出時にウィッグの臭いが気になった際は、ウィッグ用のデオドラントスプレーを使うのがおすすめです。これはウィッグのベース部分にスプレーすることで、臭いを消してくれるというもの。タバコや焼き肉の臭いなどが毛ついてしまい気になった際にも便利です。

あくまで臭い消しなので洗浄効果はありませんが、使い勝手の良いものなのでカバンの中に1つ入れておくといいですね。

まとめ

ウィッグの洗浄は慣れてしまえば意外と簡単で、時間にして10分ほどで終わります。インターネットなどで検索すると、ご自宅にあるものを代用してウィッグを洗う方法なども紹介されていますが、ウィッグを長持ちさせたければやはり正しい方法で洗うことが大切です。そうすることで毛の絡みなどの不要なトラブルも起きづらくなります。

正しい洗い方をマスターし、大切なウィッグを長持ちさせてくださいね。

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<ライター>ダイゴ
元カツラメーカー勤務、現・美容師のライター。これまでと現在の経験を活かし、ウィッグに関する有益な情報を紹介していきたいと思います。


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