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ウィッグ対応可能な美容室はなんで少ないの? 現役美容師が解説

カットはもちろん、ウィッグでも出来ればカラーやパーマをしてオシャレを楽しみたいと思ってはいても、現状ウィッグ対応の美容室は少なめ。ウィッグの毛を切ったりカラーリングしたりするだけなのに、どうしてウィッグ対応可能な美容室は少ないのでしょうか?

この記事では、過去に大手育毛カツラメーカーに在籍し現在も現役で美容師をしているライターが、何故ウィッグ対応の美容室は少ないのか解説していきます。

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ウィッグ対応可能な美容室はなんで少ないの?

そもそも何故、普通の美容室ではウィッグの施術を対応してくれないのでしょうか? ウィッグにも地毛と同じように髪の毛がついているのだから同じようにカットできそうな気がしますよね。これにはいくつかの理由があります。

そもそも一般的な美容師は、ウィッグの施術の仕方が分からない

基本的に普通の美容師は「ウィッグの切り方」というのは習っていません。

ウィッグと地毛で最も異なるのが「根梳き(ねすき)」というカットのテクニックが必要になること。これはウィッグの根本付近に梳きハサミを入れ、いかにもカツラという感じにならないように量感や質感を調整していく技法です。既製品、オーダーメイド、医療用などウィッグにも色々な種類がありますが、基本的にどのタイプのものでもこの「根梳き」で毛量を調整します。

「もともとかなり毛量が多くて思いっきり梳いて軽くしたい!」というような人であれば地毛でもやることはあるかもしれませんが、基本的には人間の髪の毛に対して使うテクニックではありません。

具体的に、ウィッグの場合と地毛の場合のカットの違いをご紹介していきます。

ウィッグは地毛と切り方が違う

例えば、髪をばっさりと切ってボブにしたいとします。

<地毛をロングからボブにする場合>
肩上からアゴラインぐらいの長さに切る
全体的に梳いて毛量調整
ブローしてチェック
毛先などのまだ重い部分を再度梳く
ブローして最終チェック

<ウィッグをロングからボブにする場合>

ウィッグをつけた状態で長さを確認
ウィッグを外して洗う
ブローしてクセを取る
全体的に梳いて毛量調整
髪の毛のないマネキンにウィッグをつけて最終的に確認した長さに切る
お客様の頭にウィッグを実際につけて長さ確認
毛先などを少し梳いて微調整し、最終チェック

ウィッグは地毛とカット方法が違う&カットの工程が多い

ウィッグは地毛のカットに比べて工程自体が増えるのと、先に毛量調整をします。これは普通の美容師には馴染みのないこと。そもそもの切り方が違って対応できる美容師が少ないということから、現状ウィッグ対応している美容室が少ない傾向にあります。

ウィッグの種類によってはハサミが傷みやすい

人工毛のウィッグの場合、髪の毛がコーティングされているためハサミでカットするとハサミに若干負荷がかかってしまい、ハサミがすぐに傷んでしまうこともあります。美容室で使用されるハサミは一つ数万円が相場と値段が張るため、傷んでしまうのは避けたいですよね。

そのためウィッグをカットするためにはウィッグ用のハサミが必要。しかし、現状ウィッグ専用のハサミを用意している美容室は少なめです。

地毛と異なりカラーが発色しない

ウィッグは人工的に髪の毛を模して作られた人工毛の場合も多く、カラー剤を反応させる為のメラニン色素がありません。そのためそもそもカラー自体を行うことが難しく、出来ることと言えば色素を入れて暗くすることくらいになります。

もし明るいカラーにしたいのであれば、植え替えやウィッグ自体に明るい毛を増毛する必要があります。ここまでいくとウィッグの修理対応や買い換えとなり、そこまでの対応が出来る美容室は少ない、ということになります。

ウィッグ対応可能な美容室も探せばある!

ウィッグ対応可能な美容室が少ない理由はお分かり頂けたと思いますが、探せばウィッグ対応の美容室もあります。特に東京、大阪、名古屋、札幌、福岡などの大都市であれば、病院併設のサロンや医療美容師在籍の美容室などがあり対応しています。

都市別のウィッグ対応美容室をまとめてありますので、ぜひチェックしてみてください。


<ライター>ダイゴ
元カツラメーカー勤務、現・美容師のライター。これまでと現在の経験を活かし、ウィッグに関する有益な情報を紹介していきたいと思います。

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