新カナメストーン つかみ10

2023.10.15「迷惑」

山「あのさ。零士、知ってた?かけちゃいけないんだってさ。」

零「ん…?ん?…何を?」

山「人に迷惑」

零「当たり前でしょ?何を今更言ってんの。」

山「いやさあ、オレ今日まで人に迷惑かけちゃいけないって知らなくてさ。」

零「どういう教育受けてきたんだよ。」

山「たしかね…幼稚園の時に恩師にそう教えられてから、ずっっっと守り通してきたんだよ。」

零「幼稚園の先生のこと恩師って言う奴初めて見たんだけど。あと、そんなろくでもねえ先生、恩師認定すんじゃないよ。幼稚園の時のお前。」

山「零士、それ幼児虐待だよ。絶対ダメ。」

零「なんないよ、こんなのは!」

山「だから今日は今までかけてきた迷惑を懺悔しようと思ってさ。」

零「うん…まあそれは良いことだと思うよ。」

山「まずは今まですれ違ってきた皆さん!!」

零「ん?今まですれ違ってきた皆さん?」

山「すれ違う時に肩をわざとぶつけてました!関東圏で目撃されたぶつかりおじさん、全部俺です!」

零「あれ全部お前だったんだ。」

山「でも悪気は無かったので許してください!迷惑かけることがいいと思っていただけなので!」

零「情けない…」

山「次は今までの彼女!恐怖で支配しようとしていました!」

零「お前歴代彼女とそんな付き合い方してたんだ。」

山「でも悪気は無かったので許してください!迷惑かけることがいいと思っていただけなので!」

零「もう既に迷惑とかの話じゃないけどね。」

山「そして子供達!風船が木に引っかかって泣いてるの見ていつも笑ってました!」

零「だからそれ迷惑とかじゃないんだよ。お前の思想に問題がある話なんだよ!しかもそんなシチュエーション滅多に出会わねえし。」

山「でも悪気は無かったので許してください!迷惑かけることがいいと思っていただけなので!」

零「さっきからそれ言ってるけど、何の免罪符にもならないからね?」

山「安心して、零士。これからスカッとする話するからさ。」

零「ん?なに?」

山「そんな思想を俺に植え込んだ幼稚園の時をの恩師いんじゃん?俺、地元に戻ってさ、頑張ってソイツを見つけたんだよ。んでひたすらボコボコにした。」

零「……どこがスカッとする話なんだよ!胸糞話じゃねえか!スカッとJAPANが暴力で終わんの見たことある!?」

山「でもその恩師がぶっ倒れて仰向けになった時に青空が見えてた思うよ。」

零「うるさいな!そんな番組にウッチャンが出ると思う?鬱ッチャンじゃねんだから!」

山「…あ~!そ、そうだな!鬱ッチャン!ハハハ…!」

零「愛想笑いムカつくなあ、漫才やるよ!よろしくお願いします!!」


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