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子どもへの犯罪 防犯メモ

書かれていることがけっこう多いので、「こんなに気をつけないといけないの!?」と思われるかもしれませんナ。

しかし決してすべてに気をつけないといけないわけではなく、メモの中からできそうなこと、注意できることを見つけて少しでも御子サマ(そして皆サマ)の安心・安全を確保していただきたいという思いで書きましたナ。

イチバン大切なことは、“犯罪者のターゲットにならないこと”ですナ。
必要なのは、皮膚感覚で「(なんとなく)この子は止めておこう」と犯罪者に思わせること、つまり“やりづらさ”を感じさせることであり、そのためには防犯意識を高めることが一番だと考えますナ。

このメモの中から、皆サマの安全を保つための可能性が見つかることを願っておりますナ!

本文中に語尾の「ナ」はありません……ナ!

防犯について

1.犯罪を成立させる三つの要素
・加害者、隙、人目につきにくい環境

2.略取・誘拐の被害者の八割が子ども
・被害
小学生以下の被害で一番多いのは窃盗、次いで強制わいせつ、暴行
未就学の子どもに絞ると、一番多いのが強制わいせつ、暴行、傷害の順
強制わいせつの被害者の一割は男児。

・甘言・詐称
子どもに「甘言・詐称を用いて」の誘拐、略取は全体の55%。
誘拐犯は、強引に子どもの手を引いて連れて行くことをせずに言葉巧みに誘い出す。
騙されて連れて行かれると、子どもは防犯ベルすら鳴らせない。

3.天候
雨の日、雪の日は加害者にとって狙いやすい日。
人通りが少なく、被害者の声が雨の音にかき消される。証拠も流れる。

4.基本的な安全ルール
ⅰ.ひとりにならない。もしひとりになったときは、誰かに声をかけられないよう、足早に歩く。
ⅱ.家族以外の人と話すときは、距離を置く。
ⅲ.人がいない場所、隠れやすい場所には近づかない。
ⅳ.トイレにひとりで行かない。
ⅴ.迷子にならないように気をつける。
ⅵ.家の近くや、団地の敷地内にいるときも油断しない。
ⅶ.近づいてくる車からは離れる。
ⅷ.優しそうな人でも、気を緩めない。
ⅸ.留守番のときはチャイム、電話に応答しない。
ⅹ.外出時は、下着が見えないような服にする。

5.身につけさせるポイント
ⅰ.実際に外を歩いているときに説明する。
ⅱ.一貫した態度を手本で示す(例外を見せない。子どもは親の真似をする)。
ⅲ.危険や恐怖を強調しすぎない(脅かしすぎると、いざというときに身動きができなくなる)。
ⅳ.ルールが必要な理由を説明する。
ⅴ.もしルールを守れなかった場合も、強く叱りすぎない(強く叱ると、次からは隠そうとする)。

6.子どもは不審者を見分けられない
あからさまに怪しい不審者はいない。
不審者はとても優しい顔で子どもに近づく。

7.子どもが気を許しがちな人
ⅰ.犬を連れた人
ⅱ.制服を着た人
ⅲ.母親と同じような主婦
ⅳ.若い女の人
ⅴ.祖父母のような老人
ⅵ.ちょっと年上の子ども
ⅶ.自分の名前を知っている人
ⅷ.通学路でいつも会う人
ⅸ.同じ団地内で見かける人

8.「困っている人がいたら親切にしよう」はいつも正しいとは限らない
不審者は困っている人を装って近づいてくる。
困っている大人に声をかけられても一切相手をしてはいけない、もしくは別の大人を呼びに行くように教える。
子どもに助けを求める大人を信用させない。普通の大人は子どもに道を聞いたりしない。
また、どんなに急病でも、子どもに助けを求めない(求めたとしても「だれか大人を呼んできて」ぐらいが自然)。本当に危ないときは、大人をまず求める。

・不審者の困ったふり例
「犬がいなくなっちゃったんだけど、一緒に探してくれる?」
「具合が悪いんだ、助けて」
「○○への道を教えてくれない?」
「この辺にトイレないかな?」
「同じ小学校の○○くんが行方不明になった。一緒に探して」

9.不審者が子どもに近づく手口
子どもへの最初の接触、優しい笑顔での〝声がけ〟は最も重要なポイント。

声がけの例
・道を訊く
子どもの「知っていることは教えたい」という心理を利用している。
「○○に行きたいんだけど、道を教えてくれない?」

・子どもを助けるふりをする
「雨に濡れるから車に乗ったら?」
「ひとりで歩いていたら危ないよ」

・仕事のふりをする
「保健所の者だけど、ちょっと身体を調べさせて」
「警察の者だけど、ちょっと話を聞かせて」

・子どもの好きなもので釣る
「ゲームのカードがたくさんあるから、あげるよ」
「子犬が産まれたんだけど、見に来ない?」
「お菓子を買ってあげるよ」

・家族から頼まれたふりをする
「お母さんから頼まれて迎えに来たよ」
「お母さんが事故で病院に運ばれたから、一緒に行こう」

・知り合いのふりをする
「○○ちゃんでしょ? おばさん、前に会ったよね」
「○○マンションに住んでる子だよね」

・タレントにスカウトさせるふりをする
「かわいい子を探してるんだけど、写真撮らせてくれない?」
「テレビの仕事をしてるんだけど、タレントに興味ない?」

・アンケートに答えさせる
個人情報を聞き出したり、いやらしい質問をする。
「アンケートに答えるだけで、プレゼントをあげるよ」

・困っているふりをする
「おばさんの子犬が迷子になっちゃったんだけど、探してくれない?」
「そこの草むらに鍵を落としちゃって、困ってるんだけど」

10.知っている人からの被害は意外に多い
塾や習い事の講師、学校の教師、クラブのコーチなどによる性被害は少なくない。
加害者は、子どもの相談に乗ったり、厳しい指導をすることで子どもの信頼を得て、子どもの抵抗感をなくしていく。
知っている人からの性的被害は表面化しにくく、実際にはかなりの暗数があるといわれている。

11.ふたりきりにならないようにする
いくら尊敬すべき先生であっても、密室でふたりきりにならないように注意させる。
友だちに一緒にいてもらったり、すぐ外で待っていてもらうなどの工夫をする。
また、事前に「○○先生に呼ばれているので行ってきます」と知らせておくことも有効。

12.知っている人の怪しい行動例
・こそこそ話をしてくる
・親には内緒の秘密を持とうとする
・顔以外のところをじっと見る
・意味なく身体に触ってくる
・友だちと離そうとする
・ふたりだけになったときに雰囲気が変わる
・服装や髪型について「こうしたほうがかわいいいよ」などと言う
・大人なのに子どもに悩みを相談する
・「好きな子いる?」などとしつこく聞いてくる

知っている人からの被害は繰り返されるケースが多い。発覚が遅れるほど被害が重くなる。

13.車での連れ去り
車の怖さは、動く密室であること。泣いても叫んでも外には聞こえない。
わずかな時間で遠く離れた場所に行く。十分で五キロ離れる。

誰にも気づかれず、人気のない場所に連れ去りたい不審者にとって、車は都合がいい。
家族以外の車には、基本的には乗らない。
もし知っている人であっても、まずは携帯などで親に連絡してもらう。

・不審者の車からの声がけ例
「○○へ行く道を教えてくれないかな」
「雨が降りそうだから、乗せてあげるよ」
「お母さんに頼まれて迎えに来たよ」
「下に小銭を落としちゃったんだけど、拾ってくれる?」
「いまパトロール中だよ。ひとりは危ないから乗っていきなさい」

・不審な車のやり過ごし方
スピードを落としてくる車には要警戒。
声をかけられたら、車の進行方向と反対に逃げる。
停まっている車のそばも通らないこと。

・気をつけるべき車
エンジンをかけたまま停まっている車
窓ガラスにスモークやフィルムが貼ってあり、中が見えない車
ドアがスライド式で、歩道に寄せやすい車
ゆっくり近づいてくる車
同じ道を何度も通りすぎる車

14.子どもが子どもを狙う
大人に対しては警戒しても、“お兄ちゃん・お姉ちゃん”に対しては警戒心が薄れることがある。

・思春期の子どもの性衝動
女性の身体に興味を持つが触れられない。
そのため、代替物として女児へわいせつ行為を行うケースがある。

15.被害現場になりやすい場所
・被害の多い場所ワースト5
未就学児童
1.集合住宅
2.道路上
3.一戸建て住宅
4.駐車場・駐輪場
5.公園

小学生
1.駐車場・駐輪場
2.道路上
3.集合住宅
4.一戸建て住宅
5.公園

・気をつけるべき場所
集合住宅
一軒家よりも団地の方が入りやすく、都合がいい。

エレベーター
密室になるので、犯罪が多い。
知らない人が乗ってきたら一番近い階のボタンを押して降りてしまうのが無難。
エレベーターに「監視カメラ作動中」のステッカーを貼るのも効果的。

トイレ
レイプや強制わいせつだけでなく、恐喝、盗撮といった被害も。
大音量で音楽がかかっている施設のトイレ、高速道路パーキングエリアのトイレ、まわりに人がいないトイレ、公園などの公衆トイレ、男女兼用のトイレなどはできるだけ一緒に入り、ひとりにさせない。

階段
エレベーターには防犯カメラがあるが、階段はひと目が少なくて狙い目だという犯罪者もいる。

16.登下校
・略取・誘拐被害に遭う一番多い時間帯
子どもが略取・誘拐被害に遭う一番多い時間帯は午後三時から六時。
子どもが下校する時間帯。
一緒に下校した友人と離れ、ひとりになったときに狙われる。

・いつもと違うときが危ない
ⅰ.一緒に下校する友だちが休み
ⅱ.遅刻・早退した
ⅲ.忘れ物に気づいて取りに戻った
ⅳ.トイレに行っている間にみんなが下校してしまった
ⅴ.保護者会などの行事でいつもと下校時間が違う
ⅵ.ケンカ・トラブルなどでグループから離れてしまった
ⅶ.遠足などで予定より早めに解散になった

など、いつもとシチュエーションが違うときが危ない。

・各地での登下校時の見守り
東京都千代田区
区内の大学生が小学校、幼稚園などの児童や園児通学路を見守る。

大阪府
自動販売機にセンサーを取りつけ、児童が自販機の前を通ると位置情報を保護者へメール配信する。
さらに、児童が危険を感じてボタンを押すと自販機のサイレンが鳴り、保護者や地域ボランティアにメールで知らせる。

新潟県加茂市
スクールバスを配置。停留所にボランティアが待機し、子どもたちが家へ帰り着くまで見届けている地域もある。

兵庫県
スクールバス二台と福祉バス一台を統合。お年寄りと子どもたちが交じってバスを利用することで、防犯効果を上げている。

・下校時の問題点
行事によって下校時間がしばしば変更になる、学年によって下校時間が違う、クラスによって下校時間が違う

・加害者の視点
ルートの決まった下校時が、一番犯罪に都合がいい。
交通事故を重要視するため、大通りを避けて人通りの少ない裏通りなどに設定されている場合がある。
通学路の見直しを検討することは防犯に役立つ。

・友人と遊ぶとき
遊びに行く場所を親に伝えておく、勝手に遊ぶ場所を変えない、明るいうちに家に着くように帰る、友だちの家に着いたら電話・帰るときも電話、相手の親と連絡を密にする

・子ども同士の絆
子ども同士の社会的絆は、子どもを非行と犯罪から遠ざける。
子どもの人間関係にもよく注意をしておく。

・友人が遊びに来た
行き先を親に言ってきたか確認、言ってなかったら連絡

・塾や習い事の行き帰り:教室で行っている対策
メールサービス
入退出時に子どもが生徒証を読み取り機にかざすと、入退出の時刻が親にメールで届く。

誘導員・警備員の配置
最寄り駅と教室の間に、腕章をつけた警備員を配置。そのほか、入口に配置、校舎内巡回なども。

バス送迎
専用の送迎バスで送り迎えを行う。

17.留守番中
・子どもがひとりでいる家は狙われる
子どもがひとりで留守番をしていることを知られないことが大事。

鍵は見えないところに持たせる。
首からぶら下げたり、ランドセルにつけたりするのは「鍵っ子」を宣伝しているようなもの。

鍵を開けるときは周囲を確認させる。
周囲に誰もいないことを確認してから開ける。

家に入るときは「ただいま!」と大声で。無人だと思わせないように。

戸締まりを徹底する。家に入ったらしっかりと施錠。
窓もしっかりロックしておく。

・誰かが訊ねてきたら
宅配便や集金係を装った犯罪者から被害を受ける時間が多発している。
また、本職であっても子どもがひとりであることを知り、出来心で襲ってしまうということもあった(二〇〇二年七月、大阪府豊中市にて、郵便局員)。
親がいないときはチャイムが鳴っても応対させない。
電話にも出させない。
大人がいないということを知られてしまう可能性がある。

18.外出時
・一緒に出かけるとき
子どもの視界は大人に比べてずっと狭い。
そのためすぐに親を見失い、迷子になってしまう。
だから、親がしっかりと子どもを見ていないといけない。
できるだけ自分の前を歩かせ、常に視野に入れておく。

・加害者の視点
おもちゃ売り場やちびっ子広場などを徘徊し、声をかけるきっかけをうかがっている。
親が買い物をしているあいだ、こういった場所で子どもたちだけにするのは危険。

・トイレにひとりで行かせない
スーパーや大型店舗のトイレで子どもが被害に遭う事件が多発している。
ひとりでは行かせず、できるだけ一緒に入る。

・子どもを見失ったら
自力で探そうとはせず、すぐに店員などに伝えて捜索を依頼する。
子どものほうにも、はぐれたら自分で探さずに近くの店員さんに言うように伝えておく。
ひとりで探しまわったり、最初にいた場所から遠く離れないことが大事。

・子どもを預ける
親や兄妹、親戚などに子どもを預ける際は、遠慮せずに目を離さないよう、具体的な内容で打ち合わせをする。

・身内以外に預ける
様子のおかしい母親は子育てで悩んでいたりノイローゼになっていることがあり、そういったストレスの矛先が子どもに向くことがある。

・預けたあと
子どもを預かってもらったあとは、子どもの様子に気を配る。
ファミリーサポート等に依頼したときは、保育記録がある。
さりげなく子どもに聞いて、内容に違いがないかチェック。
また、再度預ける際に子どもが嫌がった場合は、ワガママだと聞き流さずによく話を聞くこと。

19.学校での取り組み
・学校内での犯罪
学校での犯罪を防ぐには、不審者を侵入させないこと。
二〇〇五年三月に文部科学省が「校門は原則として施錠」という通達を出した。
来校者のチェックがどうなっているかも確認し、配慮されていないようであれば見直しを求める。

・学校、園の危機意識
ⅰ.登下校時以外校門は施錠されている
ⅱ.使用する校門は二ヶ所以内に限定している
ⅲ.登下校の際は門に教員か警備員が立っている
ⅳ.来校者のチェックをしている
ⅴ.来校者にそれとわかる目印がある
ⅵ.毎年不審者対応訓練を行っている
ⅶ.教員は動きやすい服装をしている
ⅷ.校内パトロールなど安全対策に取り組んでいる
ⅸ.警察や消防への直通電話を設置している
ⅹ.目立つところに監視カメラを設置している

・緊急時連絡網
一斉メールが便利。開封確認もあるとなお良い。

20.防犯ツール
・子どもの携帯電話のトラブル例
ⅰ.出会い系サイトにアクセスし、近づいた相手に危害を加えられる
ⅱ.アダルトサイトにアクセスしてしまう
ⅲ.架空請求、不当請求
ⅳ.有料ゲームなどで課金額が高額になる
ⅴ.携帯電話を紛失し、情報流出
ⅵ.歩きながら、自転車に乗りながら使用して事故

・GPS
子どもにGPS付き携帯電話を持たせる場合は、なるべく不審者の目につかないように持たせる。
不審者に見つかって電源を切られる、捨てられる等されたらそれまで。

・護身具
防犯ブザーがもっとも良い。 犯罪者はとにかく大きな音が大嫌い。
スプレー、スタンガンなどの武器は持たせない。
取り出すのに時間がかかり、狙って吹きかけるのは意外と難しく、相手に奪われると逆に危ない。

・防犯ブザーの正しい使い方
ⅰ.すぐ手に取れる場所につけておく
ⅱ.素早く鳴らしたり止めたりの練習をしておく
ⅲ.どのくらいの音が出るのか実験しておく
ⅳ.定期的にアラームが鳴るかチェック
ⅴ.鳴らしても聞こえにくい場所を確認しておく
ⅵ.ブザーが大げさに感じる場合は、防犯ホイッスルというものもある

・防犯ブザーの問題点
ⅰ.子どもがとっさにブザーを鳴らすことができない
ⅱ.ブザーを操作しようとして逃げ遅れる
ⅲ.ブザーを鳴らす前に取り上げられる
ⅳ.鳴らすことで、鳴らそうとすることで相手を逆上させてしまう
ⅴ.誘いに乗ってしまった場合は鳴らそうと思わない
ⅵ.鳴らしても、周囲の人の注意を引くことができない(いたずらと思われる)

性被害への知識と対応

21.どこからが被害か
身体への性的暴力以外の性被害
ⅰ.性的な部分に触れる
ⅱ.性的な部分でなくても、本人が嫌がっているのに不必要に身体に触る

のぞきによる性被害
ⅰ.子どもの着替えや入浴、トイレにいるところなどをのぞき見る
ⅱ.子どもの下着などをチェックする

露出による性被害
ⅰ.性行為や自慰行為をしているところを見せる
ⅱ.性器を見せる
ⅲ.ポルノ雑誌やアダルトビデオを見せる

言葉による性被害
ⅰ.性的な話題を執拗に繰り返す
ⅱ.性的なことを無理に聞き出そうとしたり、話題に出す
ⅲ.卑猥な冗談を言う
ⅳ.子どもの身体の発達について「胸が大きい」「陰毛が生えてきた」など本人が嫌がる、恥ずかしがることを表現する

22.性被害者に遭った子どものサイン
・性被害は表に出にくい。

・一般的に、被害を受けて間もない場合は、周囲への攻撃的な行動が増えると言われている。
長期にわたって重い被害を受けている場合は、自分を「ダメな人間」と思ったり引きこもりになるなど内面の問題を抱えてしまう。

性被害を受けた子どもの症状
ⅰ.おもらし・おねしょをする
ⅱ.指をしゃぶる、爪を噛む
ⅲ.髪の毛を抜く
ⅳ.食欲不振、頭痛
ⅴ.お腹が痛い、という
ⅵ.過呼吸症候群
ⅶ.喉頭痛(オーラルセックスを強要されている場合)
ⅷ.膣や肛門に創傷
ⅸ.怖い夢を見た、という
ⅹ.健康診断や診察時でも着替えを拒む
ⅺ.度が過ぎるほど自慰に耽る
ⅻ.性的な言動が増える
xiii.性器を押しつけてくる
xiv.ビクビクして不安そう
xv.ぼんやりしている、口数が少ない
xvi.幼い言葉遣いをする
xvii.大人を恐れる

23.加害者が近い間柄である場合
性犯罪の加害者が近親者であるケース。
欧米では父親から娘への性被害が多発、社会問題化している。
身内からの性被害は最も発覚しづらく、継続的な場合が多い。
近親者からの性的被害は、被害者が愛情表現やコミュニケーションのひとつと思わされていることが多く、保育者や友だちに対しても同じような接触を使用することがある。
また、親が加害者である場合は子どもが親をかばおうとすることがある。
あるいは、世間体を恐れる家族が加害者をかばう場合も。

24.被害に遭ったときの手続き
緊急でないことを警察に相談したい場合は、#9110へ

25.被害に遭った子どもへの対応
・子どもに負担がかかることを覚悟する
捜査の手続き(同じ説明を何度もしなければならない等)で子どもの傷をいっそう深めてしまうことがある。
通報する際には、子どもに「なにがあっても、あなたを守ってあげる」など安心させることが大切。

犯罪、特に性犯罪の被害児童への聞き込みはトラウマを刺激するので一回のみとし、しつこく聞くのは控える。
自分から話し始めたらしっかりと受け止める。

・子どもが被害を隠す理由
加害者から「お母さんやお父さんに言ったらひどい目に遭わせる」などと脅された。
こうなったのは自分にも非があるのだから、親に叱られるのが怖い。
親を悲しませたくない。

子どもが嘘をついたときは、叱るよりもまず「本当のことを話してくれてありがとう」という態度を見せること。強く叱ると、子どもは話したことを後悔し、以後秘密を持つようになる。

・親が動揺しすぎると、子どもの回復が遅れる
一番ショックを受けているのは子どもである、ということを忘れないこと。
子どもは親が動揺している姿を見ると、そうさせてしまった自分を責めたり、心配かけまいと必要以上に良い子であろうとふるまったりする。
その結果、抑圧されたストレスのために精神が不安定になったり、異常行動などにつながる。

・事件のことを根掘り葉掘り訊かない
親としては「なにをされたの?」「どんな人だったの?」などと詳しく訊きたくなる。
子どもが怖かったこと、辛かったことを思い出そうとすることで事件の印象が深まり、傷を深めたりトラウマ化することもある。
親の役目は、子どもを安心させること。

・被害に遭った子どもの幼児返り行動
不安な気持ちを、幼い頃に戻った行動を取ることで安定させようとする(退行)。
現状の辛い状況を受け止めようとすることで出てくる行動なので、それをとがめたりせず、受け止めてあげること。

・被害に遭った子どもは自分を責めている
被害に遭ったときに一番大切なことは、親が「子どもは絶対に悪くない」という原則を貫くこと。親の言いつけに背いた結果だとしても、すでに傷ついている子どもを責めるのは酷であり無意味。
親が必要以上に自分を責めるのもいけない。家庭が不安定になり、子どもも不安定になる。子どもは「自分が親を苦しめている」と思い、自分を責める。また、親が子どもを哀れんだり、気を使いすぎてよそよそしくなるのも子どもを傷つける。
まずは「怖かったね」など同調してあげること。その後は「もう大丈夫」「安心して」と励ましてあげる。

・被害に遭った子どもに言ってはいけない言葉
ⅰ.だから言ったじゃないの
ⅱ.ぼんやりしてるからよ
ⅲ.どうしてそんなところに行ったの!
ⅳ.あなたも悪いんじゃないの?
ⅴ.犬にかまれたと思って忘れなさい
ⅵ.全部お母さんが悪いのよ、許して

・あとから出るショック症状
事件の直後は、意外としっかりした様子を見せたり、気にしていない態度を見せることがある。
しかし、一定の期間を過ぎた頃に、突然次のような行動が現われることも。
ⅰ.異常に物音に敏感になる
ⅱ.暗闇が怖くて眠れない
ⅲ.夜驚症(夜中に突然叫ぶ)
ⅳ.落ち着きがない

PTSDの可能性があるので、専門の治療を受ける必要がある。

・性被害に遭った子どもの後遺症
赤ちゃんのときに受けた性的被害も、覚えている。
主な性被害の後遺症は、

ⅰ.自己評価が低くなる
自身を「悪い子」「汚れた子」と見なし、無力で弱い存在だと感じる。常に不安。

ⅱ.ゆがんだ愛情認識
家族など近しい存在からの性被害を(持続的に)受けると、特異な形の愛情が作られてしまう。成長後にそれが普通でないと知って苦しむ。

ⅲ.多重人格、断片的人格
家庭内や監禁状態で長期的に心身に虐待を加えられると、もうひとりの自分を作ることがある。虐待を受けているのは「悪い子」のほうの自分で、本当の自分ではない、と思うことで虐待を切り抜けようとする。

ⅳ.自傷行為
リストカットや、針で刺したり引っ掻く、血が出るほど深く爪や指を噛む、身体を殴りつける、壁に頭を打ちつけるなど。思春期に差しかかると、自殺の可能性も増える。

ⅴ.摂食障害
過食や拒食、嘔吐など。

ⅵ.非行
暴力行為、援助交際、薬物、アルコールなど。

ⅶ.性嫌悪症、性依存症
セックスに対する嫌悪感や恐怖感を感じる。逆にセックスに依存する。
異性とのコミュニケーションに問題を抱える。

性犯罪者について

26.性犯罪者のプロフィール
年齢:十代~六十代までさまざま
職業:無職、学生、工員、運輸・セールス、自営業など、平日昼間に動ける職種
性格:約半数が陰気・孤独・内向的。年齢が高いほど事件前の飲酒率が高い。

27.犯人の出所情報について
出所後に再び被害に遭わないため、または接触を避けるために転居をしたいなど、正当な理由が検察官に認められた場合は、被害者は出所時期や釈放後の居住地などを教えてもらうことができる。


性被害に対する社会の取り組み

28.性犯罪者の再発防止
・出所後の情報把握
2005年6月から、一定の性犯罪者の出所情報を法務省が警察庁に提供する新制度がスタートした。対象になるのは、13歳未満の子どもに対する暴力的性犯罪の加害者。

・顔写真公開の試み
愛知県では、2005年6月から、悪質な性犯罪容疑者の顔写真を報道発表時に公開する試みを始めた。その後、石川県、福井県、富山県でも公開を決定。公開には被害者の同意が必要。

29.海外の再犯防止プログラム
カナダ
性犯罪の服役囚に対して週五日、四ヶ月間の再犯防止プログラムを実施。効果がない場合は本人の了解を得て、抑制ホルモンを投与。出所後も専門のグループ組織でフォロー。

アメリカ
危険度の高い性犯罪者の住所をWEBで公開。カリフォルニアでは、仮釈放となった性犯罪者にGPS端末をつけ、24時間体制で監視。

フランス
重大な性犯罪者が出所する際、GPS端末をつける。服役中の性犯罪者には、本人の了解を得て、抑制ホルモンの投与。

30.被害の相談窓口
学校との連携が原則。
事件にあったことを隠したいと思いがちだが、子どもを立ち直らせるためには家庭と学校、園などが連携してサポートすることが肝心。
学校カウンセラーに積極的に相談する。

・相談先
ⅰ.都道府県の児童相談所
ⅱ.最寄りの児童館の児童厚生員
ⅲ.心療内科
ⅳ.警察の少年相談窓口
ⅴ.性被害少年サポーター制度
ⅵ.全国被害者支援ネットワーク
ⅶ.都道府県の弁護士会による被害者支援
ⅷ.犯罪被害者支援センター
ⅸ.子どもの虐待防止活動機関

最後に

書かれていることは、
「加害者が性犯罪をしなければ良いだけなのに、どうして私たちがこんなことを気にしなきゃいけないんだ!」
「自衛・防犯を強いられている!」
と考える方に向けられたモノではありませんナ。

ワタシはなにも強制しませんナ。
自衛も防犯もジブンの判断で行うことですので、ご了承ください。

ナ!

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