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Starry Road ーときのそらEP『Beyond』感想ー

続く物語

2023年2月22日、バーチャルアイドルときのそらちゃんの新EP『Beyond』がリリースされた。先の4thライブの続きを思わせるようなジャケット絵にワクワクしながら、早速感想を書いていこうと思う。

トレーラーはこちら!↓

素敵なインタビューはこちら!↓


ときのそら新EP『Beyond』 収録曲

1,Beyond
2,キセキノセカイ
3,ケ・セラ・ソラ!
4,またあした


1,Beyond

アルバム最初の曲はタイトルの名を冠する『Beyond』。バラード系のエールソングで、作詞作曲はシンガーソングライターの草野華余子さんが担当している。

好き!ポイントはたくさんあるが、1番Aメロの「忘れないで 同じそらを見上げていること」というフレーズは、サビ全体の歌詞、特にサビ終盤の「時間も距離も越えて 心は側にあるから」という言葉をより鮮明に描き出してくれる。そう、想いはきっと繋がっている。

1番サビで「変わりゆく中で 変わらない気持ちで ずっと 大丈夫だって歌うから」「悲しかった分だけ 明日が少しでも輝くように いつでも願っているから」と歌う彼女からは、「ときのそら」という1人の人間の人柄と想いが溢れ出している。私が彼女を応援する所以がここにある。

そらちゃんが感謝の想いを伝えれば互いにありがとう合戦になる、そらともである私(たち)の心はいつでも彼女と共にある。この曲はそらちゃんとそらともを繋ぐ絆の歌だと思う。ときのそらの優しい魅力が詰まった歌声とストレートな歌詞とダイナミックな曲調がいつでも惑う心を後押ししてくれそうだ。

2,キセキノセカイ

2曲目は雪の結晶のように美しい『キセキノセカイ』。作詞作曲はElements Gardenの
近藤世真さん!

この曲も好き!ポイントはたくさんあるが、1番好きなのは、1番サビの「この空に花咲かせてみせるよ」がラスサビでは「大空へ満開にしてみせるよ」に変化していくところだ。華は咲き、さらに成長していくという情景は、大地から芽吹き、咲いてなお未知への挑戦を続けていくそらちゃんの姿そのものだ。

「散らばった 刻のカケラ」から始まるCメロはどんな想い出も明日へ進む力になるということを示しているのではないだろうか。好きな表現である。100万人記念配信で魅せてくれたように、そこからDメロ、そしてラスサビは圧巻だ。旋律も相まって、まさに大輪の華が咲き乱れるような迫力がある。サビに共通する「何よりも強い 生命(いのち)の息」という覚悟を感じるフレーズがカッコいい。

AメロやBメロのようにしっとりと歌うパートとサビの芯があるパワフルなパートの歌い分けも秀逸だ。得意な高音域もパワフルでありながら安定感があり、更に磨きがかかっている。澄んだハイトーンも曲の美しさをアップさせている。

総じて、バラード特有の美しさや安らぎの中に力強さを感じる曲だ。雪降る中でも遥かな陽光を目指して確かな歩みで進んでいく…そんなイメージだ。1曲目の『Beyond』が同じ歩幅で共に越えていく歌なら、『キセキノセカイ』は過去の、そして今の自分自身を越えて、新しい世界へ進む歌だと感じた。けれど、1人で進むのではない。皆で進んでいくという想いを感じるのもミソだ。しばらくはナイトドライブの定番曲になりそうだ。

3,ケ・セラ・ソラ!

『ケ・セラ・ソラ!』は打って変わってアップテンポで賑やかな、前2曲とは違ったベクトルからのエールソングだ。この曲は昨年行われたsoraSongグランプリの最優秀曲であり、先の4thLiveにてフルサイズでお披露目され、一足早く先行配信していた。作詞作曲されたkomo(狐妄)さんのnoteも要チェックだ!

この曲には「あん肝」「ホラボコラベ」「こんそめ!」「お水」などコミカルなフレーズから、「心の曇り空を晴らす合言葉」「満天の星」「いつまでも止まらないよ」などのときのそらと言えば!なエッセンスまで、そらちゃんの優しいところも、強いところも、マイペースなところもふんだんに盛り込まれており、そんな日常感が賑やかで楽しい。前2曲もそらちゃんへの解像度が極めて高かったが、同じそらともさん視点のそらちゃんというのはsoraSongならではの楽しみ方が出来る。

そしてそれらが魔法の言葉「ケ・セラ・ソラ!」に集約されるのが良い。言葉を唱えれば何とかなると思わせてくれるのも、ひとえにそらちゃんの人柄の成せる技だ。私は元ネタとなった『ケ・セラ・セラ』も好きなので、まさかそこに掛けてくるとは…と舌を巻いた。とにかく明るく楽しく、ぬんぬんの気持ち(๑╹ᆺ╹)になれる曲だ。

これ皆でコールしたらすっごい楽しいんだろうな~。このままいけば、次のライブではきっと…!

4,またあした

EPのトリは『またあした』。タイトルを聞いたときはしっとり系かと思っていたが、聴いてみると明るく明日が待ち遠しくなるポップな曲だった。さしずめ、今日を越えて未来へと向かう、ときのそら版楽しい帰り道か。

作詞作曲は最初期のsoraSong『木の芽時の空』やそのアンサーソング『花時の空』でお馴染みの路地裏ロジック先生。この記事を書いている最中に素敵なnoteを投稿されたので、是非読んで頂きたい。曲への理解が深まること間違いなしだ。

1番Aメロの「ときめきが溢れて 広がってく波紋の音  ほら、きこえるよ」やサビの「未来は眩しくて真っ白で きみの色を待ってる   信じてみてもいいんだよ」といった、初期からそらちゃんを見ている先生だからこその表現が素敵だ。サビは希望に満ちており、そらちゃんから私たちに、あるいは過去のそらちゃんの想いにも聞こえる。

Cメロの「花舞い上がり 星が瞬き 風を受けて走ってきた」という歌詞にはもはや美しさすら感じる。Dメロの「やっぱ『良かったなぁ』心からそう思えたよ」というフレーズには100万人達成のあの時が重なって見えた。

そしてサビの「描いてゆけるかな」がラスサビでは「描いてゆけるから」に変わっているのも5年という時の流れのようで大変好きだ。疑問符が明確な意思として昇華しているのがこれから先の未来へ向かって進んでいこうという希望を、そしてその先の夢を感じさせてくれる。

アルバムという物語のエンドロールを飾るこの曲には、これまでの軌跡とこれからの希望が溢れている。聴いていて「嗚呼…(恍惚)」という感嘆が出てくるくらい素敵な曲だ。いつまでも「またあした」と繰り返していける未来を、これからも皆で描いていこう!


Star Re Road

Beyondには、「~を越えて」や「~の向こうに」という意味がある。越えるものとは5周年という道のりであり、節目を越えて新しい扉を開けて次の5年、いやきっと10年に向かって進んで走り続けていくという想いがどの曲からも伝わってきた。今回のバラードという新しくも待ちわびた挑戦もそんな幕開けにぴったりだ。やはりそらちゃんのバラードは染み渡る…。

視点は違えど、どの曲もそらちゃんのこれまでの軌跡を描き、その軌跡を越えて更なる未来への希望を紡ぎ出している。昨年の100万人達成や4thライブを越え、今回また新たな一歩を踏み出したそらちゃん。開いた扉の向こう、新しい道の先にはどんな物語が待っているのか…これからも物語のページをワクワクしながら捲っていくことにしよう。



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次回は前代未聞の紀行記事。場所は…!