鳥かご〈はじめに〉

『性風俗』で見つけた居場所

17歳（高校卒業間際）で風俗デビュー
その前から性を売り物のしてきたワタシ

高校の成績は下から数えた方が早いぐらい
ただ周りの子より『性』への体験は早かった
そんな高校時代。

高校卒業後は就職を希望

就きたい仕事もなく
やりたいこともない
親のススメで看護師を目指すも失敗

先々どうするの？
どうしたらいいの？
路頭に迷い家にも帰りづらい

そんな時、駅前をウロウロしていたら
同年代の女性にスカウトされ性風俗へ

寮もある
毎日、現金でお給料がもらえる

その言葉に
何の疑問も持たず飛びこんだ

そこは私の居場所にもなったと同時に
1つの異様な空間に自ら閉じこめてしまった
そんな空間

外に出ようと必死にもがくも
壁にぶち当たり出られない
自由のようで自由じゃない

まるで『鳥かご』の中のいるようでした。

いつかこの出口を誰かがひらいてくれる
そう信じていた

でもそれは自から扉を開けなくては旅立てない
そう気づいた時

羽ばたくのを止めて鳥かごに戻ってしまう

狭く翔けない鳥かごの中は
時に居心地のいい場所

自ら重い扉を開き
二度と戻ることのない旅立ちを
ここに残します。

（つづく）