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2023/12/14/羊文学「まほうがつかえる」@LINE CUBE SHIBUYA

【セットリスト】
1.Hug.m4a
2.Addiction
3.FOOL
4.変身
5.GO!!!
6.永遠のブルー
7.深呼吸
8.honestly
9.マヨイガ
10.マフラー
11.人魚
12.キャロル
13.more than words
14.光るとき
15.つづく
16.1999
17.パーティーはすぐそこ

(encore)
18.あいまいでいいよ
19.ワンダー

羊文学「まほうがつかえる」@ LINE CUBE SHIBUYAについて、良いライブだったのでここに記憶と記録を残そうと思う。
昨年は中野サンプラザで開催されたこのイベント。今年は新譜がリリースされた直後という事もあり、新曲を中心としたセットリスト。今作が全体的にかなり聴きやすい印象だったけど、ライブで聴く新曲達はやはり素晴らしく、羊文学が3ピースのオルタナティブロックバンドである事を再確認。

ライブ序盤からベースのゆりこさんが広いステージを存分に使うように躍動していた。大きく動く、というよりもステップを踏むように軽やかに踊っているという表現がしっくりくる。
Vo/Gのモエカさんが凛とした佇まいでしっかりと前を見据えて歌う姿とはまた違う魅力を感じさせる。

そんなフロントの2人とは好対照に、今宵も匠の如くひたすらビートを刻み続けるフクダヒロア氏。
このリズム隊でなければ羊文学というバンドは成り立たないよなぁと感じさせるバランス感だと思う。

ライブ本編ではメンバーの人柄が全開ダダ漏れのゆるいMCになりがちだけど(そこが魅力的なんですが)、アンコールの最後に今回のアルバムタイトルに込められた意味を話すモエカさんのMCがとても素晴らしかった。

「アルバムのジャケット写真のように自分の両手で自分を抱きしめる仕草をバタフライハグというらしいんだけど。
実際に癒しの効果もあるみたい話を聞いて、今回のアルバムに入っている12曲を聴いた人がそんな気持ちになってくれたらと思ってこのタイトルを付けました。」

「今までの曲は『私の曲を聴いて、私が嬉しかったり、悲しかったりとか、こういう事を思っているという事を知ってほしい』という感情が込められていたかもしれなくて。
自分の歌詞を読んでいると『本当にボロボロだけど、まだ前に進もうとするんだね』みたいな事を書いている事が多いと感じる。」

「でも私は自分で自分を抱きしめるとか、そういう事が好きで。
今回のアルバムジャケットやアルバムタイトルでそういう自分の気持ちを沢山の人(の意識の中)にすり込ませていきたいって思いました」



本当に、その通りだなと思う。
家族だったり、友人だったり、恋人だったり
自分の生活の中で心を許せる関係性が誰にも少なからずいるだろう。
それでも自分という存在を誰よりも近くで見ているのは他でもない自分自身であり、そんな自分に1番寄り添えるのも自分自身だと思う。

辛くて悲しい日々が続く中で、自分自身(それは時に生活だったり、人生だったり、命だったり)を投げ出したくなる事もあるだろう。

そんな時でも最終的に自分の一番傍にいる存在は自分自身であるし、「そんな自分」も自分自身だと抱きしめる事が出来ればと思う。

誰もがそんなに強くなれないし、簡単じゃないことも知ってる。でもその事に気がつけただけでも価値はあるのではないだろうか。

帰りの電車の中でライブの余韻に浸りながら
ぼんやりとそんなことを考えた。

また明日がやってくる。
上手くいかない事が続いたとしても
明日もちゃんと生きよう。

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