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おもしろいことを見つけられる人

「いまの仕事は自分に合っていない。ちがう仕事を見つけたほうがいいのかな」

若いビジネスパーソンには、そんな思いを抱えている人が少なくないようです。

仕事について間もない新入社員でも、“自分に合う仕事”はほかにある、と思っているフシがあります。


しかし、そんなものはありません。

自分に合う仕事を求めていたら、いつまでも放浪を続けることになります。

いまついている仕事に自分を合わせていくしかないのです。

「そんなことをいっても、合わない仕事じゃ、楽しくないじゃないか」


あなたは、どこかに楽しい仕事、おもしろい仕事が、あると思っているのですか?

たしかに楽しそうに仕事をしている人はいます。

おもしろさを見出している人もいるでしょう。


しかし、それは、仕事がそうさせてくれているのではありません。

その人自身がその仕事を楽しんでいる、おもしろくしているのです。


幕末に長州(現・山口県)で騎兵隊を組織した高杉晋作の辞世とされる(そうではないとする説もあります)歌を見てみましょう。

「おもしろき こともなき世を おもしろく すみなすものは こころなりけり」

病の床に伏していた高杉が詠んだ“前句”に、看病にあたっていた野村望東尼(ぼうとうに)が“後句”をつけたともいわれていますが、おもしろくもない世の中も、心しだいでおもしろくなる、と詠っているのです。

ちょっと心を変えてみませんか。

「合わないな」「つまんないな」というところにとどまっていないで、何か楽しいこと、おもしろいことを見つけてやる、という気持ちで仕事をしてみてください。

その仕事を外側から見てあれこれ判断するのをやめて、まるごと飛び込んでみたらどうでしょう。

合う、合わない、楽しい、つまらない…を決めるのは、それからだって遅くはないのです。


多くの人は、どこか他のところに「幸せの青い鳥」がいると思い、探しまわる。

しかしながら、メーテルリンクの「青い鳥」ではないが、実は、幸せは自分の身近にあるのに、それが目に入らないだけなのだ。

「幸せは探すものではなく、気づくもの」、だということ。


これは、日常のすべてに言えること。

仕事も同じで、「面白い仕事がどこかにあるのでは」と探し回るのではなく、今の仕事のなかに面白さを見つけること。


どんなところにも…

おもしろいことを見つけられる人でありたい。


臨済宗全生庵住職、平井正修
『花のように、生きる』幻冬社

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