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質問という形の否定

質問とは99パーセント否定からきています。

質問という形をとって否定をしているということ。

「なんでこんなに雨が続くのだろう」と、質問の形をとって雨が気に入らないって言っています。

「なんでこんなに日照りが続くのだろう」と、日照り続きが気に入らないと言っているのです。


あるとき、60歳前後の女性が私に質問をしました。

話し始めて40秒ほど経った頃に、私は言いました。

「あなたは相談の形をとっているけれども、今言っていることは、不平、不満、泣き言、悪口、文句ですよ」と。


その女性の話はこういうものでした。

大きな商業ビルの中に、その女性は何かのお店を持っていたそうです。

ビルが全面改装をすることになり、次に彼女に与えられた場所は端の所でした。

お客さんが全然こなくなり、売り上げも上がらない。

どうしたらいいだろうか、という質問でした。


その女性は、立地条件が悪くなったのでお客が来なくなったと言いましたが、そのお店には、これまでお客さんはついてなかったのでしょうか?

私はこのように言いました。

「今まで人の流れのいいところにいて、店の売上は確保できていたけれど、今は売り上げが悪くなったということを、100人以上の人に言いましたか?」

「はい、言いました」

「公言して回った人たちは、その後、お店に来ていますか?」

「いえ、来ていません」

「そうでしょうね。それを聞いた人は、みんな来なくなりますよね」


つまり、私はついてません、天上界から見放されています、愛されていない人間です、と百人以上の人に公言したということ。

彼女の話を聞いて、この人のお店に好意は持たないでしょう。

反対に、私はついてるんです、宇宙からも神仏からも、多くの人からも応援してもらっているのですよ、と言うとそれを聞いた人は、「この人のそばにいたら何かいいことがありそう」と思います。

その人がいつもニコニコして、「なんの努力もせず、みなさんのお陰でここまでやってこれました」と言っていたら、その商業ビルの責任者は、「そんなに運がいい人なら、一等地に据(す)えようか」と思ったかもしれません。


今までその女性は商売を続けることができ、暮らしてこれました。

それにもかかわらず、その人の口から出る言葉は、すべて「気に入らない」ということでした。


9999個も恵まれた環境にいるのに、気に入らない一つを挙げて、「これをなんとかしてくれ」と文句を言っているのです。

それを聞いている神様は、とても悲しく空しく思うのではないでしょうか。

私たちは、自分がどれほどついているかということに、気がついたほうがいいようです。

自分がどれだけラッキーでついているかと言っていると、まわりの状況や人間関係が一変していきます。




不平不満や愚痴、文句を言っている人で魅力的な人はいない。

ものごとを否定から入っている人だ。

否定的な人は、否定的な顔をしている。

不機嫌だったり、怒りっぽそうな顔だったり、愚痴ぽい顔だったり、つまり、気軽になにかものを頼めるような雰囲気ではないという、「頼みにくい顔」になっている。


反対に、嬉しい、楽しい、幸せ、大好き、ありがとう、ついているという肯定的な言葉をつねに言っている人は魅力的な人だ。

ものごとを肯定から入る人だからだ。

肯定的な人は、肯定的な顔をしている。

明るくて、楽しくて、愉快で、笑顔があふれている顔だ。

そして、頼まれやすい顔になっている。

頼まれやすい顔の人には、運がやってくる。


人は、肯定的な人と一緒にいたいと思う。

不機嫌をまき散らすような、否定的な人のまわりからは人は離れていく。


どんなときも、肯定的な人でありたい。


『「今」という生き方』小林正観 廣済堂文庫 より

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