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カンニングOKのテストをしてみたら

授業で
「明日テストするから、今日はカンニングペーパーを作る時間にします」
と伝え、生徒各々にカンペを作らせることにした。とはいえクラスの半分以上がカンペを作れなかった。作れなかった子の中には、白紙のまま時間が過ぎる子、「カンニング」とだけ書いて終わる子などさまざま。「言ってる意味がわからない」という子もいた(そらそうだ)。いいカンニングペーパーって結構作るの難しいのだ。


なぜカンニングペーパーを作るのは難しいのか

カンニングは「自分の知識の不足を補う行為」なので、そもそも「自分が何を理解していて何を理解していないか」を把握していないと作れない。もしくは、物事(授業)の大まかな筋が見えていないと厳しいと思う。また、その上で小さい紙に情報を詰め込まなければいけないため、情報を取捨選択する必要がある。なぜカンニングペーパーづくりが難しいかというと、「①自分の知識を俯瞰して見る②情報の取捨選択ができる③まとめる」という3工程が必要になってくるからだ。

そもそもなぜカンニングペーパーを作らせたか

理由はそれが私の勉強方法だったから。カンニングペーパーって不思議なもので、作ってる最中に色々覚えてしまったり理解してしまうので、実際には持ち込みの必要がなくなってしまう。だからテスト前にざっと目を通せば良くなるし、かなり効率の良い勉強方法だった。

テスト1回目は失敗

いよいよカンニングペーパーOKのテストを実施。けれども、カンニングペーパーを持ち込もうが持ち込まがいが大体みんな成績が悪かった。で、ここからが本番。

生徒に「よいカンニングペーパーを作るための採点方法」として丸の付け方を教える。(成績の悪い生徒は自己採点のときに自分の間違った部分を隠したり消したりするため)
そして、正しい答えを書かせたら、もう一度紙を配り、
「いま書いた正しい答えを白紙に写し、それでカンニングペーパーを作りなさい」
と伝える。
そうすると間違えたところだけ書けば良くなるので、さっきまでカンペが白紙だった生徒もカンニングペーパーが作れるようになる。最初のカンニングペーパーはお試しで、これが本番のカンニングペーパーだ。

テストは2回は行う

それが終わったら、別日に再度同じような内容でテストを行う。そうすると見ながらだったら前よりもできるようになっている。で、ここが重要で、
カンニングペーパーを使っても成績がよくない自分から、カンニングすれば成績が上がる自分になったとわかってもらう。
行動を改善することで成功体験を植え付けるのだ。

そのあと抜き打ちテストをしてみたら

実際結構これは効果があって、そのあとカンニング不可のテストを行ったところ、カンニングペーパーを作らせたところは7割以上取れる生徒が増えていた。
普段なんとなく授業を受けていて知識が右から左へ流れていたのが、カンニングペーパーを作ってまとめ作業をしたことで堰き止められたのではないかと思う。(それかカンニングしてたか。)

定期試験が本番だとすれば、このカンニングOKの授業は予行練習だ。いきなり本番で鍛え上げられていない子を試合に出させるよりもよっぽどいいと思う。1年後に知識として身についていればいいなと思うので、繰り返し何回も実施しようと思っている。


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