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やる気を出させる法/「人を動かす」を読んで

はじめに

少し大学のサークルについて回顧しようと思います。

進捗を出しているものづくりサークルには大きく2種類あると思っています。

1.教員の圧倒的トップダウンにより学生がモノづくりを行うサークル
2.学生が主体となりモチベーションのみを糧にものづくりを行うサークル

だいたいこの2つだと思います。少なくとも私のいた大学ではこの2つでした。これをサークルの中の人視点で言うと

1.罰を与えてやらせる
2.やる気を出させる

とすることが出来ます。

どちらが良いでしょうか?お互いが罰を与え合うより、お互いがやる気を出し合う方が幸福な気はします。しかし、やる気を出させるというのは罰を与えるより遥かに難しいために、結局罰を与える環境になってしまいがちです。

ということで今回は、どのように人にやる気を出させるのかという点にフォーカスを当て、本書を解説していきたいと思います。

相手の立場に立つ

人にやる気を出させるには、まず人を知る必要があります。その方法が2つ示されています。

・聞き手に回る

・同情を寄せる

人はやりたい事しかやりません。私も掃除や洗濯など「やらないといけない」ことには基本やる気が起きません。多分みんなそう。

ただ、相手に何かをやって欲しいということは頻繁にあります。そういった時、相手がやる気を持って動けるようにするために「相手のやりたい事を与える。もしくはやりたいことに繋がると示す」ことが重要になります。それ示すために相手を知り、相手の立場に立つことが必要になってきます。

聞き手に回る

聞き手に回るためのルールが4つあります。

 ・相手の話を最後まで聞く                                                                                     ・自分から話さない                                                                                               ・自分の意見は相手が話し終わってから示す                                                     ・ 相手の思考速度に合わせる

これだけです。ただ、相手が話すのが得意でない場合は、こちらから話を切り出す必要が出てきます。正直私も話下手なので、同期から教わった話術を載せておきます。

・相手の言葉を自分なりに解釈して質問する (ex. 「カレーが好きなんだよね」「カレーが好きという事は辛い物が好きなの?」)                                      ・相手が出したワードを拡大させる (ex. 「カレーが好きなんだよね」「何カレーが好きなの?」)

同情を寄せる

口論や悪い感情をなくす最も簡単な方法で、かつ相手を知る方法です。

本書では、この言葉から始めるようにと言われています。

「あなたがそう思うのはもっともです。もし私があなただったら、やはり、そう思うでしょう」

人間は一般的に同情を欲しがります。「相手に自分の傷を見せたい」という思いは、アーサーゲイツ氏の『教育心理学』やA.アドラー氏の『優越コンプレックス』でも触れられています。

自信を持たせる

人を知ってからは、それらの情報でやる気に火をつけていきます。火をつける方法が以下の2つです。

・ほめる

・重要感を持たせる

これらに触れる前に、なぜやる気に火をつけるために自信を持つことが重要なのか話していきます。

自信を持つのが重要なのは、マズローの欲求5段階説によるところです。今回は簡単な説明のみで進めていきますので、もっとしりたいという方はマズローの欲求5段階説など、インターネットの海に色々転がっているので調べてみてください。

簡単な説明

「もっと成長するぞ!」というやる気をだすには、生活が満たされており、社会の輪に属しており、集団から認められいる。という事が必要である。

ここで特に触れるのが集団から認められという点です。これだけが自分では得られることが出来ない要素なので、満たしてあげる必要があります。これを満たすことで、自信がつき、やる気に繋がる。という流れになります。

では、話を戻し自信を持たせる2つの方法についてお話していきます。

ほめる

とりあえず褒めます。相手の容姿から行動、考え方、結果ささいなこと全てを褒めます。ただ注意しなければいけないのは、表面上ほめるのではなく、心から理由を込めてほめましょう。

重要感を持たせる

その人が、組織やグループの中で重要と思われている、必要とされていることを分かってもらう方法です。役職やジョブ名を与えるというのがこれに当たります。

実際にこの方法を使った偉人としてナポレオンが挙げられます。ナポレオンは自分の制定したレジョンドヌール勲章を1500個ばらまいて軍隊のやる気を高めたとされています。一見、子供だましなように見えますが、意外と効果が出るようですね。

争わない

最後に、高まったやる気を冷めさせないことも重要です。

「議論に負けても、その人の意見は変わらない」

どんな人でも行動をとる以上、正義や必要があって、いやあると思い行動しています。そのため、彼らの行動を非難することは、彼らの考えや信条を非難することに繋がります。考えや信条を非難され、著しくやる気が下がるだけで、何も意見が変わらないという事になってしまいます。

そういった不毛な争いを行わない方法が以下の2つです。

・誤りを認める

・誤りを指摘しない

めちゃくちゃ当たり前な2つになってしまった...

ただ当たり前だからこそ難しい2つとも言えます。まずは、誤りを認めるから説明していきます。

負けるが勝ち

誤りを認めるという考えに非常に合ったことわざです。相手が誤りを指摘してくるというのは、相手が自分に関心を持っているという事です。であれば、その関心を無下にするのはやる気をそぐことに繋がってしまうでしょう。

素直に誤りを認め、相手の関心・やる気を維持することが、自分のためにも大切と言えます。

誤りを指摘しない

「あなたのそれは間違っている。では、そのわけを説明しましょう」

こういった文章はまさに相手の知識への挑戦であり、相手を戦闘準備にさせ争いに発展してしまいます。重要なのは、誤りを指摘するのではなく、誤りを気づかせるということなのです。

「人に物を教えることはできない。自ら気づく手助けができるだけだ」                                                                                                                  -  ガリレオ

相手に知識を授けようとするのではなく、相手に適切な質問を行い正しい思考に導くこと。この技術が必要になるのが、誤りを指摘しないという方法になります。こういった質問技術はコーチングの基本などで語られていますので、気になる方はぜひ手に取っていただければと思います。

おわりに

以上、本書の一部の紹介と私の解説でした。結果として、色々合わさったキメラになってしまいましたが、本書は「なぜその行動をすると、人が動くのか」が具体例を中心に述べられており、非常に分かりやすいものとなっています。ぜひ興味を持った方は、本書を手に取って読んで頂ければと思います。

別の訳者のものになりますが、Amazon Primeの会員ならば無料で読める物もあるので、肩の力を抜いてお暇なときにでもぜひ。


まあ、他人がやる気を出しているかなんて、その人の行動から類推することしかできないので結果が見えるまで時間がかかったり、そもそもアウトプットしてくれないと「やる気出せてるかな...」って不安になるんですけどね

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