見出し画像

【試し読み】vol.14 追加データ:武器、恐ろしくも離れ難き人類の相棒|えくすとら

本記事は、公式アプリ「クトゥルフ神話TRPG ルールブックPLUS」にて、有料プラン加入の方向けに公開中のアプリ限定コンテンツ、「クトゥルフ神話TRPG えくすとら」の試し読み記事です。

#データ


文:蓮見かるほ/アーカム・メンバーズ

 自分や周囲に危険が迫っており、警察など公的な機関には頼れない……というとき、人は自然と身を守るものを欲する。だが、手にするものは時代や地域によって異なるだろう。今まさに怪物が襲いかかろうとしているその時に、探索者はどんな武器を手にするのか? シナリオの状況に即した表現ができれば臨場感もグッと増すはずだ。
 今号では、時代ごとの特徴的な武器のデータやシナリオでの扱い方について紹介する。なお、具体的なデータや一部の解説はクラシック版・新版の未訳ソースブックを参照している。

時代ごとの特徴的な武器
 武器の進歩は人類の歴史と共にあった。そして、その時々によって身近な武器は異なるはずだ。例えば21世紀の銃は高性能で魅力的ではあるが、現代の日本においては入手するどころか目にする機会すらほとんどない。時代や場所に即した武器を導入すればシナリオ・セッティングの個性を端的に表せるし、プレイヤーにも目新しい発見があるはずだ。

銃が発明されるより前
 紀元前の時代に銃は当然存在しないが、一方で現代では廃れてしまった武器がいくつも存在する。そのうちの一つが攻城兵器だ。
 攻城兵器とは、城塞やとりでといった防御の厚い戦術拠点を攻略するための兵器である。石や弓矢などを射出機にセットし、目標に向けて発射する。城壁にさえ穴を開けられることから人間にぶつかればもちろんひとたまりもないが、神話存在にどこまで有効かは状況によるだろう。
 かつて古代ローマ軍はブリテン島の防衛線に出現した不気味な怪物に応戦したという。この怪物はおそらく夜鬼の主たるイェグ=ハだと考えられている。兵士たちは「剣と魔術」によってイェグ=ハを打ち倒したとされるが、その際には攻城兵器も使われたに違いない。
 攻城兵器を正しく扱うには専用の技能(〈長距離武器(攻城兵器)〉*)が求められる。これはバリスタやカタパルトといった大型の兵器を運用する能力だ。攻城兵器が実戦で活躍していた古代ローマ~中世ヨーロッパの人間であれば基本成功率は10~20%だが、現代人は1~5%が妥当だろう。また〈砲〉の技能値が高ければ、ハードやイクストリームの成功でうまく扱えたとしてもいいかもしれない。
 現代日本のシナリオに攻城兵器を導入する場合、例えば地元の博物館に収蔵されていた投石機を持ち出す……というのはどうだろうか。見上げるほど巨大な神話存在を相手に、「骨とう品」で立ち向かうさまは実にヒロイックなシーンとなるはずだ。“新クトゥルフ神話TRPG ルールブック(以下“新ルールブック”)”には火砲以外の大型武器は掲載されていないので、ぜひ以下のデータを参考に数値を変えたりして使ってほしい。
* 新版の〈射撃〉に相当する中世の技能。

「クトゥルフ神話TRPG えくすとら」Vol.14

続きは公式アプリ「クトゥルフ神話TRPG ルールブックPLUS」にてご覧ください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?