marie claire チョスンヨン インタビュー日本語訳

-まもなく発表される5作目のミニアルバムに対して、”期待しているものと違うかもしれない”と言っていましたね

「アルバム発売の前には毎回そう考えます。カムバックのたびにガラッと違う姿をお見せしてきたので、前回出したアルバムのような姿を期待されるなら、少し残念に思われるかもしれないです」

-もっと大衆的に愛されるためには、(他人の)期待を反映することも必要ではないですか?

「もちろん大衆性については考えることはあります。でも僕は、人々が予想もつかないことをやることに魅力を感じます。"期待されていることをいつかはやるだろうが、それは今じゃないぞ"っていう無駄な意地悪です(笑)大衆性を意識して作った曲も多いですが、アルバムを作る過程で、載せなくなります」

-次のアルバムにはどんな曲が入りますか?

「今僕がとっても愛情を持っている曲たちになると思います。元からアルバムを準備するときには未来をよく考えます。”ロックやヒップホップをやったらいいかな”、”こういう構図だったらかっこいいだろうな”とか。でもアルバムをどんどん出してみると”これ以上何をすればいいんだろう?”と思うようになりました。先のことを考えるよりは、今を一歩ずつこなしていかなきゃと思うようになりました。今の僕にとって良い音楽をやることに集中するんです」

-アルバム販売に先立ち、2/22に新曲”ABYSS”が先公開されますね。なぜこの曲を最初に聴かせたかったんですか?

「最近事務所を移籍してから、どんな姿をお見せすればいいのかたくさん悩みました。リセットして新しくスタートするなら、本当に正直に、僕の紹介から始めなければ、という結論に至りました。今まで活動しながらも正直な面はあったけれど、どこか作為的だった印象を受けたんです。”ABYSS”を聴いたら、僕がなんでこの曲を最初に公開したのか納得されるはずです。僕を知ってる人たちは”スンヨニがこんなことを思っていたのか”って思うかもしれない。一回も話してこなかった、さらけ出したくなくて見ないふりしていた心の深いところにある言葉たちを、写真や絵のように落とし込んだ曲です」

-深淵の話を表に引っ張ってくるには、悩みと決断のための時間が必要でしたよね?

「”果たして人々が僕のことを理解してくれるだろうか?”という疑問がありました。でも理解してほしいわけではなかったです。ただ”僕はこんな人でもあったりします”ということを言いたかっただけです。お互いをしっかり理解しあえなくても、話すだけで近くなれたような気持ちになったりもするじゃないですか。それと似た考え方で”深淵”を作りました。」

-WOODZに対して、チョスンヨンという人間に対して知っていくことができる曲だと思います。過去のインタビューを振り返ると、”自分らしさ”に対する葛藤が長い間あったようですね。最近はどうですか?

「葛藤が1%解消されました。以前は悩むところで止まっていたとしたら、今は悩む段階を過ぎて、”自分らしさ”のドアを開けて一歩踏み出しました。自分自身をありのままに見つめることは今でも難しいけれど、一段階楽になったのは間違いありません。僕らしい考え方に早く到達できる近道を探しました。」

-どんな方法ですか?

「一つの考え方が浮かんだとき、その考えの元を辿ってみます。何か、または誰かから影響を受けたのかも確かめます。例えば”かっこよく見られたい”と思ったら、”かっこいいと思う何かを見たからじゃないか?”という問いを投げかけてみるんです。そうすると結局は答えが見つかるようになってるんです。」

-物事の本質をしつこく探求するやり方ですね

「そうですね。本質に対して過剰なくらい執着するときもあるんですが、むしろその過程の方で面白さを見つけます。それが作曲の助けになることもありますし。芸術家たちが最終的に純粋を追求する理由を、少しだけですがわかる気がしました。」

-考えることが多いと、自分自身が嫌になるときもありますよね。辛くはないですか?

「ストレスをかなり受けたときもありました。頭の中を空にすることができず、ぼーっとするということがどんな状態だったのかも忘れてました。僕が考えることを止められない人間だということを自分自身で認めて、どうせなら”良い考え”をいっぱいしようと決めたら楽になりました。去年からは実際に、たまにぼーっとすることも増えました(笑)」

-複雑な気持ちを音楽に簡潔に込めて公開すると、どんな気分になりますか?

「すっきりするし、でも一方ではもったいない気もします。僕の考えの一部を使ったわけですから。一つの曲を完成させると、どこかがぽっかり空いたような気分になります。あったはずの思考がどこかに去るわけなので、空いた場所をまた埋める時間が必要です。旅に出たり展示会を見に行ったり」

-なんだかすぐに埋まりそうですが?

「その時々で違います。作業に没頭していないときは鈍感だけど、作業真っただ中だと敏感になります。日常でも、比喩的な意味たちを探そうとします。タクシーに乗って高速を走るとき、”高速道路って僕の人生と似ているな”みたいな感じで」

-最近も高速道路みたいだと思いますか?

「僕がこの仕事をあきらめない限りは、ずっと高速道路の上にいるんじゃないかなと思います。すっごく楽しく走っている最中です。疲れたら少し抜けて、また乗ったりもします。車線と経路が変わるくらいで、目的地はいつも一緒です」

-しっかり速度を調節しながら運転中なんですね

「最近は加速しすぎるときもあります(笑)」

-まもなくアルバムも出ますし、思い切り走らないといけない時期ですね。昨年5月に出したミニアルバムcolorful traumaの後、空白が長かったですよね

「カムバックを控えてるとソワソワします。久しぶりに出すアルバムだからこそ慎重になったし、待ってくださっていたファンの皆さんに感謝する気持ちが大きいです」

-以前にファンクラブ1周年を迎えてこんな言葉を残していましたね。”僕らが共に作った思い出が、心の中で香る花になり、良い香りが残った”と。WOODZは周りの人たちにとって、どんな花になりたいですか?

「花というよりは花が咲き誇れるような土になりたいです。誰かが僕によって嬉しくなるなら僕の気分もつられて嬉しくなるし、自分が成長している気分になります。僕の名前の漢字も、”助ける”という意味のスンに、”広い”のヨンなんですが、名前に沿って生きているみたいです(笑)」

-広く助けるという気持ちの根底には、愛があるんだろうと思います。最近”愛は肯定の最終形態”と言ってましたね。素敵な言葉だなと思いました。

「愛は恋人同士にだけ存在する言葉じゃないですよね。かっこいい、とかかわいい、とかいう単語だけじゃなくて、この世界に存在する全ての肯定的な表現の最終地点は、結局は愛だと思います。だから愛してると伝えることをためらわずに言うタイプです」

-WOODZが世界に聴かせてくれるために生まれた音楽たちも、一つの愛の形かと思います

「もちろんです。僕の音楽の全部に愛が詰まってるし、その音楽を聴いてくれる人たちを愛してます。その人たちもきっと僕のことを愛してくれてるだろうし」

-音楽を通して伝え合った愛に、どんな力があると思いますか?

「感情を共有する関係が特別だと思っているんですが、僕の音楽を聴いて、自分の人生が良くなったという言葉を聞くと、信じられないくらいものすごい力を感じます。僕が音楽を通じて伝えるストーリーに、信じるに値する価値がありますように。それが人々に届いて、各々のやり方で解釈されて、前向きな二次作用を起こせますように。そうやって僕が、誰かの人生に、音楽を通して寄り添いながら思い出を残せたらいいなと思います」

-気持ちは通じると信じてますか?

「真心は通じるはずです。いつかは。絶対に」

-ふと聞きたくなりました。今のWOODZはどれくらい幸せですか?

「85%です。今よりもっと幸せになれるという確信があるからです」

-100%幸せになるにはどうすればいいと思いますか?

「欲をなくさないといけません。でもまだ今は目指している目標たちがあるし、ちゃんとやり遂げたいです。だから15%を残しておかないと。今は計画的に成長していかないといけない時期です」

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