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施工業務中によくあるトラブル10選

施工現場では、数多くの予期せぬトラブルが発生します。現場監督として求められるのは、こうした問題に冷静かつ的確に対応する能力です。近隣からのクレームや工期遅延、追加工事の対応、業者の手配難など、業務は多岐にわたります。本記事では、現場でよく起こるトラブルを10項目に分け、それぞれの解決方法や対策を紹介しています。これから現場監督を目指す皆さんにとって、これらの課題にどう向き合うべきかを考えるためのヒントになるはずです。


1. 近隣クレーム対応

工事現場では、近隣住民からの騒音や振動、塗料や接着剤による悪臭、さらにホコリが発生することがあります。また、搬入・搬出の際の駐車スペース確保や作業車両による迷惑駐車に関するクレームもよくあります。これらのクレームは、近隣との良好な関係を維持するためにも迅速な対応が求められます。予防策としては、事前の挨拶回りや、作業時間の調整、現場での対策の徹底が効果的です。


2. 工期遅延

材料の納期が遅れたり、雨天などの天候不順により、工期が予定より遅れることがあります。工期の遅れは、工程全体に影響を及ぼすため、工程の見直しや施工方法の再考が必要です。また、予算にも影響が出ることがあるため、計画段階で余裕を持たせたスケジュール管理やリスク対応を行うことが重要です。


3. 追加・変更

顧客や設計事務所からの追加・変更の依頼は、工事の途中で発生することがよくあります。こうした変更が発生した場合、工期の延長が必要かどうかを慎重に判断しなければなりません。さらに、追加工事に関する見積や注文書の作成も必要となり、費用面での調整が発生する場合もあります。これらの作業は、顧客とのスムーズなコミュニケーションと正確な管理が求められます。


4. クロス工事

特に9月や3月の繁忙期には、クロス(壁紙)工事を担当する業者の手配が難航することがあります。工期が迫っているにもかかわらず、業者が見つからない場合、やむを得ず単価が高い業者に依頼することがあり、結果的に予算計画の修正が必要になります。計画段階で業者を確保し、繁忙期に備えて早めに手配を行うことが重要です。


5. ウッドショック

2021年〜発生したウッドショックは、世界的な材木不足や価格高騰を引き起こしました。その影響で、工事の進行が遅れたり、予算オーバーになるケースが多発しました。建築資材の安定供給が難しくなる中で、代替素材を検討したり、長期的な資材調達計画を立てることが求められます。


6. 電線ケーブル不足

電気設備業者から電線や高圧ケーブルが入手困難になり、この影響で、電気工事が進まなくなり、工期の遅延や追加費用の発生が懸念されています。電気工事が全体の進捗に与える影響は大きいため、事前に供給状況を確認し、予備の材料を確保しておくなどの対応策が必要です。


7. 給排水衛生設備工事

工事の最終段階に近づいた際、給水管から漏水が発生することがあります。漏水が発生すると、迅速な調査と復旧作業が求められ、工期の遅延を防ぐための対策が必要です。このようなトラブルを防ぐためには、事前の点検を徹底し、施工の精度を高めることが重要です。


8. 顧客支給品

顧客が支給する照明器具や設備が、予定通りに届かないこともあります。特に取付日の前日などに納品の遅れが発生すると、取り付け作業のスケジュール変更や再手配が必要となり、工期にも影響を及ぼします。このため、顧客支給品の納期を事前に確認し、余裕を持ったスケジュールを組むことが大切です。


9. 作業範囲の曖昧さ

下請け業者に作業を依頼する際、作業範囲が曖昧なまま進行すると、未施工の箇所が残ることがあります。これが最終段階で発覚すると、全体の工事スケジュールに大きな影響を与えることになります。初期段階で作業範囲を明確にし、定期的に確認作業を行うことが必要です。


10. 完了前検査でのトラブル

工事完了前に行う検査で、養生材を剥がすとサッシフレームや床に傷がついていることが発見されることがあります。こうしたトラブルは、修復作業を行う必要があり、工期の延長につながる場合もあります。事前に養生材の使用方法や施工の精度を確認し、こうした問題を未然に防ぐことが重要です。

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