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作:元樹伸 霞の中を流離うような浅い眠りのせいか、真夜中になって目が覚めた。 スマホで時間を見ると午前一時過ぎ。どうやら床の上で眠っていたらしい。部屋の電気も点いたままだ。 ああ、そうか……思い出した。 昨日はこれまで気になっていた彼女に振られて帰宅した後、冷蔵庫の酒をがぶ飲みしたんだっけ。 それから未練たらたら、彼女が写っているスマホの写真やメッセージを眺め、想い出にも足らないような記憶の欠片に浸っているうちに、いつの間にか意識を失ったらしい。 あれか