【続】ブロックチェーンのインターオペラビリティが成立しない理由。


もう少し書き足らない気がしたので補足したいと思います。

1、他のネットワークに移転するメリットは何か?

2、内部で同じ攻撃理論が成功しないと言えるのはなぜか?

3、ファットプロトコル論に繋がっていく。
(ネットワークの大きさ、強さ、価値は一極化し、L1に蓄積される。)


「1、他のネットワークに移転するメリットは何か?」

外部のネットワーク(ブロックチェーン)から入ってき価値は、そのネットワークのエコシステムで活用する目的があるはずです。
元のネットワークでは不足だったのでしょうか?
もしそうだとしたら、そのネットワーク自体に存在価値が薄いと言えます。
そうであれば、転入したいネットワークで価値を構築するべきであると言えます。
より価値を活用しやすいネットワークに流入するというわけです。(これは「3、ファットプロトコルに繋がっていく。」ということです。)

そしてもう一つは、攻撃です。
これは先の記事
https://note.com/cryptochick/n/ndb382fd96020

で書いた通りです。
別ネットワークで捏造なりした膨らませた価値を、攻撃対象ネットワークに持ち込むことで、価値を奪い取ることができるということです。
これはクロスチェーンの価格参照オラクルの発達もそれを助長する可能性があります。(例えば弱小Aネットワークは極少数小規模なネットワークながら内部でアセット価格を吊り上げ高い時価総額を成立させているとしましょう。そのアセットが上位ネットワークに流入してレンディングDapps等を活用しアセットを得た後、価値を落とすという、攻撃用のネットワーク構築なども理論上は可能なわけです。)



では、内部のアセットで同じことは可能ではないのか?という疑問が生まれます。

「2、内部で同じ攻撃理論が成功しないと言えるのはなぜか?」

これも先の記事で書いたことと重複しますが、
厳密には同様の攻撃は可能です。しかし、外部ネットワークのようにネットワークの許容を度外視した価値移転を実行することは不可能です。
ネットワーク内の流動時価がその許容となるからです。
例えば、100兆円の不動産アセットをトークン化したプロジェクトがあったとしましょう。そしてこのプロジェクトは嘘っぱちだったとしましょう。これはつまり外部の攻撃用ネットワークからのトークン流入と同じことだと言えます。
レンディングDapps等の価格オラクルを成立させるためには流動実績が必要です。それも捏造されたとしましょう。しかし、ETHもしくはステーブルトークン等嘘のつけない流動性トークンにて作られた取引実績と、その出来高、、、、、、、ぁ、ぅーん、、、無理っぽいなw

パーミッションレスレンディングDappsだとこの攻撃を防ぐことは難しいな。防ぐことは不可能か。
やはりDAOとしても何らかのガバナンスによって、アセットと債務キャップはコントロールされるべきものか。

そうなると少なくとも、防衛手段として外部ネットワークからの転入は避けたいよねと。
ガバナンスで制御し得る土俵に上がっていることが、ネットワーク参加への一つのメリットに成りえると。(これも「3、ファットプロトコルに繋がっていく。」だと思います。)

(メモ:EOSがICO後にやったETHのDumpも、いわゆる外部ネットワークへの価値の持ち出しによる攻撃であり、クロスチェーン攻撃と同じと言えます。)



「3、ファットプロトコル論に繋がっていく。
(ネットワークの大きさ、強さ、価値は一極化し、L1に蓄積される。)」

先の、
1、他のネットワークに移転するメリットは何か?
2、内部で同じ攻撃理論が成功しないと言えるのはなぜか?
からも、https://note.com/cryptochick/n/ndb382fd96020 この記事からも、

活用され得るネットワークの価値と、その流動時価の高まりは、ネットワークの安全性を高め、より強固な基盤となり得るという流れは否定できないと思います。

つまり、

「パブリックブロックチェーンネットワークは、複数に分散してはいけない。」

という解が得られると思います。

インターネットの規格がA,B,Cと別れていないように、
ビデオ規格がベータとVHSで競われ単一規格になったように、

あれこれあって、みんな違って、みんな良い。なんていう御飯事ではないのです。


そういったパブリックな経済価値基盤として、現時点で成功するかもしれない可能性があるネットワークは、唯一Ethereumであると言えると思います。
(たぶんこれには異論がある方も居ると思いますが、残念ながら不勉強であるか、技術的、環境的な認識が間違っているか、Hypeに踊らされて目が曇っているということです。)

Ethereumでさえ、まだ具体的な成功の道筋は探り探りの状態です。しかし、成せるとしたらEthereumだけだと現時点では言えます。
ライバルが現れた時は切磋琢磨したいものだと思いますが、現時点ではその候補すら存在しません。

Bitcoinは別格です。しかしweb3.0プラットフォームではありません。
唯一成功するブロックチェーン1.0です。未来永劫価値を持ち続ける可能性があります。


ここで言っているブロックチェーンのインターオペラビリティは、
L1↔L1に限定しています。
L2↔L2や、L1↔L2・L2などはその限りではないですし、レイヤー1(L1)が絶対的価値の担保基盤であって、そこから派生する活用レイヤーは自由であるべきものだと思います。



最後までお読みいただきありがとうございます。


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