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暗号資産市場動向を示す先行指標Exchange Reserve

概要

Exchange Reserveは、取引所が保有する暗号資産の総量を示す指標で、市場の動向や取引所の健全性を評価するための重要なデータです。特にBTCのExchange Reserveが減少すると、供給不足により価格が上昇する可能性があります。この指標を利用することで、投資判断の精度を向上させることができます。

BTC価格(橙)とEchangeReserve(青)

Excange Reserveの重要性

Exchange Reserve(ビットコイン取引所準備金)は、取引所のビットコインアドレスを追跡し、その合計残高を計算することで求められます。これにより、暗号通貨取引所に保管されているビットコインの総量を把握できます。このデータは、市場の流動性や売買の圧力を分析するための重要な指標とされています。たとえば、取引所準備金が増加すると、投資家がビットコインを取引所に預け入れていることを示し、売却の意図がある可能性が高まります。一方、取引所準備金が減少すると、投資家がビットコインを取引所から引き出し、長期保有を意図していることを示す可能性があります。このように、取引所準備金の動向は、市場参加者の心理や市場の方向性を理解するための貴重な情報源となります。もう少し詳しく見てみましょう。

市場の流動性

取引所に保管されているビットコインの総量は、市場の流動性を評価するための重要な指標です。流動性が高い市場では、ビットコインの売買が容易に行われ、価格の安定性が保たれやすくなります。逆に、流動性が低い市場では、価格変動が大きくなる可能性があります。

投資家の動向

取引所準備金の増減は、投資家の売買意欲を示す重要なサインです。取引所準備金が増加する場合、投資家がビットコインを取引所に預け入れていることを意味し、売却の意図が高まっている可能性があります。一方、取引所準備金が減少する場合、投資家がビットコインを取引所から引き出し、長期保有を意図している可能性があります。

市場の方向性

取引所準備金の動向は、ビットコイン市場の方向性を予測する上で有益な情報となります。たとえば、準備金が減少し続ける場合、ビットコインの供給が制限され、価格が上昇する圧力がかかる可能性があります。逆に、準備金が増加する場合、売り圧力が強まり、価格が下落するリスクが高まります。

例えば、2022年の年末にExchange Reserve(取引所準備金)が急減しました。この急減が前回のバブル崩壊の終了を示したと見られました。この急減はFTXの破綻などにより取引所が信頼を失ったため、多くの投資家がビットコインを取引所から引き出したことが原因です。結局、これも売る意図がないために取引所から引き出したと言えます。

ExchangeReserveの急減と下落の終わり


BTC Exchange Reserveの概況

2023年からのExchange Reserveの動向をみると、23年度中はヨコヨコしていたものの、2024/1のBTC ETFの承認後より持ち出し傾向が顕著になっています。
このExchange Reserveの減少は買いたくても誰も売ってくれない、所謂供給ショックの発生が懸念されており。場合によってはバイイングクライマックスを引き起こす可能性もあると考えられます。

BTC ETF 承認後のExchangeReserveの下落傾向

分析の方法

Exchange Reserveのデータは、オンチェーン分析ツールやサービスを通じて確認することができます。これらのツールは、ブロックチェーン上の公開データを利用して、取引所のウォレットアドレスの残高を追跡し、リアルタイムで情報を提供します。

CryptoQuant

CryptoQuantでExchangeReserveを確認することが出来ます。ここまでの説明に用いた画像は全てCryptoQuantのものです。また、Reserveだけでなく、InflowやOutflowなど関連する指標についても参照可能です。

CoinGlass

CoinGlassではExchange Reserveのデータは提供されていませんが、現物取引所のInflow、Outflowは参照可能です。このデータを積み重ねることで、Exchange Reserveを把握することができます。

CoinGlassのBTC Spot Inflow/Outflow


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