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なぜ c0banparty は知財権の薄氷を踏み抜いたのか (4 of 4)

つづき。

オープンソースの世界は、ソースコードを好き勝手して良い無法地帯ではありません。

今回のような罠も使いながら、またはこういう罠を発生させないようにしながら、ソースコードで握手と殴り合いと牽制を行うビジネスの世界です。

開発者以外にはあまり知られていないかもしれない事実なのですが、大きめのオープンソース・プロジェクトでは、貢献するエンジニアや企業に対して、著作権を含む知財権の不行使を約束する契約を結ばせます。Android OS もそうですし、自由ソフトウェアの総本山である GNU でもそうです。一般の方には馴染みが無いかもしれませんが、開発者にとっては一大勢力である Eclipse も同様です。

暗号通貨系は、全世界的に総じて、オープンソースに対して考え方が甘すぎます。

さらに日本の仮想通貨系は、舶来信仰が強い割に舶来のものを使えず(たぶん技術英語の素養がないから)、日本語圏で開発されたもののデッドコピーですまそうという傾向を、当業者BOTの中の人は感じています。

…そうでもないですかね?

Litecoin をベースとして独自進化した Monacoin のコードを引用しつつライセンス表記が曖昧。日本語圏で独自進化を始めている Monaparty のデッドコピーでありながら、出自は舶来の Counterparty と主張する。

今回は c0banparty が槍玉にあがりましたが、別に彼らだけの問題とは思いません。日本の仮想通貨開発勢全体の問題との認識です。意識が低すぎる。

とはいえ、無職業者BOTは、全方位に罠を仕掛けたわけではないですよ。

BitZeny では、c0ban に先立って、テストネット上で Monaparty ベースのプラットフォームが動いていた時期があります。その際、著作者である無職業者 BOT を含む誰も、騒ぎを起こしませんでした。

仁義や誠意さえ切れば、荒ぶる人が出たりはしないでしょうし、出たとしても、なだめに入る人も出てくるでしょう。

仁義や誠意とは言っても、現ナマ出せとかそういう話ではなく(ただし寄付は歓迎)。

「Monaparty の成果を利用しました」という一文さえあれば。

そんなに高いハードルでしたでしょうかね?これ。

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