見出し画像

Counterparty Foundation の投票

先日、Counterparty Foundation の community director の投票が行われました。

英語圏の暗号資産周りのニュースサイトでも話題にならず、(英語圏の記事翻訳に頼りがちな)日本語圏のニュースサイトではまったく見かけなかったので、ご存知でない方が多いかと思います。

投票は、Counterparty のブロックチェーンを用いて使って行われました。細かいルールは J-Dog 氏による Conterpartytalk への投稿に全て書かれていますが、本稿で概説してみます。

手順1: ノミネート

まず、立候補者を募ります。仕組み上、他薦もできてしまいそうな気もしますが、基本的に自薦です。

立候補者は、50 XCP 以上の残高がある Counterparty アドレスを用意し、そのアドレスが自分のものであることを示すブロードキャスト・メッセージの TXID を公開します。

たとえば、立候補した Ryan Baptiste 氏は、 50 XCP 以上の残高があるアドレス 1EuFfnego8Pgb3P1VuUdh283tewQws8Qd1 から自分の名前を記したブロードキャストメッセージを送りました。その証拠はブロックチェーン・エクスプローラから確認できます。

これで、立候補者が一定量以上の XCP を持っていることが証明されます。パスポートで成されるレベルの本人確認はできないわけですが、任意団体のディレクタなら、これで十分との判断でしょう。

手順2: 投票

次に投票が始まります。投票の期間はブロック数で事前に知らされます。Counterparty / Monaparty ではお馴染みの Proof of Burn と似た感じです。

投票者も自らのアドレスに 50 XCP 以上の残高があることが求められます。そして、投票者には、XCP 残高と等しい量の持ち点が与えられます。(50 XCP なら 50 点、1000 XCP なら 1000 点です)

ブロック数が投票期間内になると、投票者は特定のメッセージがついたブロードキャスト・メッセージをチェーンに投げます。今回は、「XCPELECTION2019 {番号}」という形式が指定されました。(番号は、立候補者と紐付いていて、投票開始前に開示されました)

ブロードキャスト・メッセージでは、メッセージの他に整数値を与えることができます。これを用いることで、たとえば「1 番に 30 点」かつ「3 番に 20点」のように複数の人への投票が可能となります。

手順3:  集計

投票終了ブロックが経過したあと、集計が行われます。全ての情報はブロックチェーン上にありますが、結果には手作業が入ります。

投票者が持ち点を超える点数を投票していた場合、持ち点を超えた分は無効になります。

上記を弾いたあとは、淡々とブロードキャストメッセージを加算していけば、立候補者の得点が得られます。

今回は、7名立候補で5名当選との結果になっています。日本人の方も当選者に含まれるようで、今後の活躍が期待されます。

まとめ・応用

本稿では、Counterparty で行われた選挙について、概説しました。

これらの機能は Monaparty でも受け継がれていますので、全く同じことを Monaparty で実施できます。

Counterparty のブロードキャスト・メッセージは、アセットの発行を要さないので、日本の資金決済法を気にする必要がありません。

今のところ Monaparty では使われている形跡がほとんど無いのですが、アプリ開発勢の皆様におかれましては、ブロードキャスト・メッセージのご活用もご検討いただければと存じます。(ぺこり)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?