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Monaparty の新機能 - 上場不可アセットと再移転不可アセット (2/3)

まず、形式的ながらも大事なことから。

当記事は、暗号通貨を用いたサービス開発の参考となる情報提供のみを目的としており、 日本並びに諸外国の法規との整合性を保証するものではありません。必要に応じ、各国政府機関ならびに法律の専門家へご相談ください。

無保証ですよ、と。

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Monaparty の2つの新機能のうち、まずは上場不可アセットについて、説明します。

…というか、名前で想像つきますよね? 上場不可フラグを立てて生成されたトークンアセットでは、Counterparty DEX に関する機能が使えなくなります。

それ以外の機能、他のアドレスへの送金等は通常のアセットと同じように使えます。

もうすこし技術寄りの言い方が許されるならば。Monacoin のチェーンに板取引に関するメッセージを書き込んだとしても、counterparty-server は、そのメッセージを不正なものとして扱います。

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DEX 上場不可アセット実装のメリットは、「これは仮想通貨ではない」と主張しやすくなることにあります。

DEX に上場可能な全てのアセットは、以下のような性質を持っています。

・XMP アセットとの交換が可能です。XMP アセットは、Monacoin を燃やした結果として発生しています。
・DEX と BTCPay メッセージ併用することで、対価を Monacoin とする販売が可能です。

言うまでもなく Monacoin は 1号仮想通貨です。1号仮想通貨と交換可能な価値記録は2号仮想通貨と看做される可能性があります。これは、資金決済法違反という法的リスクになりえます。

一方、上場不可フラグを立てたアセットは、プロトコルのレベルで、他のアセットと交換できません。よって、仮想通貨たりえません。

重箱の隅を突くと、ブロックチェーン外で OTC 取引を行えば2号仮想通貨の要件を満たす可能性はあります。悪法への完全準拠は無理で、ブロックチェーン開発者としては、プロトコルのレベルでの合法を主張するまでが、為しうる限度です。

仮想通貨と看做されないことで、少なくとも 2つのメリットが出てきます。

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まず、決済手段としての利用でも、(仮想通貨ではなく)前払式支払手段と看做される目が出てきます。前払式支払手段であれば、仮想通貨交換業の登録が不要になります。

前払式支払手段も、金額や使徒により、金融庁への申請や報告等が必要になる場合があります。しかし、仮想通貨交換業よりは遥かに軽い制度です。

トークンアセットを使った前払式支払手段に関しては、LCNEM という前例があり、金融庁からの見解も公開されているので、興味の有る方はご覧頂くとよいと思います。

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そしてもう一つ。ギャンブル系ゲームへの適用を行いやすくなる点があります。

Counterparty プロトコルには、賭け事に使うための bet というメッセージが存在しています。Counterwallet-mona では無効にしてありますが、プロトコルのレベルでは、Monaparty でも使えます。

仮想通貨を使ったギャンブル系ゲームは、得た仮想通貨に換金性がありますので、確実に賭博扱いです。しかし、上場不可トークンは、他のトークンとの交換はできません。よって 、上場不可トークンと bet メッセージを用いたギャンブル系ゲームには、賭博性がありません。ゲームセンターにスロットマシン等あっても違法ではないのと同じ、という論を立てられます。

注) 本稿では深掘りしませんが、オンラインゲームには風俗営業法が絡む場合があります。賭博性とは別に、そのあたりの配慮は別途必要でしょう。
現行の bet プロトコルは XMP アセットのみを前提としているため、上記実現のためには、拡張が必要となります。

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本稿では、Monaparty の新機能のうち、上場不可アセットと、それがもたらす可能性について軽く触れました。Monaparty はインフラなので、設計者が予想しなかった使われ方が出るかもしれませんし、出ることを期待してもいます。

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P.S.

上場不可アセット並びに再移転不可アセットは、テストネット上では、既に有効になっており、待ちきれない方は、https://wallet-testnet.monaparty.me/ 等のテストネット用ウォレットでお試しいただけます。


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