『音楽が不要なんて誰が言った?』

(※別サイトでの公開文、お引越しです)

8月9日、FM802をはじめ関西のイベンターが多く賛同して開催されたライブイベント「Osaka Music DAYS!!!」に参加してきました。

コロナ禍、後ろめたくも待ち望んだ初のライブイベント。

渦中ながらこのライブを開催する為に取られた感染予防対策は、当日の問診票と大阪コロナ追跡システムへの登録、検温、参加者への携帯アルコール消毒液の配布、マスクの着用、5000人以下の座席を前後1席ずつ間隔を開けての配置、天井換気ファンによる1時間に3〜4回の換気、など。
会場内の至る所にアルコール消毒液が置かれ、入場も1人ずつ間隔を開け、規制退場を行い徹底的に密を避ける対策が取られていました。

簡単に並べてしまったけど、どれもこれも沢山の人の尽力あっての事です。立っているだけで汗ダラダラの今日、どれだけの人がフェイスシールドを着用して、我々観客の感染対策の為に動いてくれていたのか…想像しただけで頭が上がらない気持ちです。本当に、全ての人に感謝してもしきれません。

‪ ‪春からずっとこんな状況、ライブハウスでのクラスター発生を機に音楽シーンは常に矢面に立たされて、こんななんでもないパンピの私ですら大好きなライブ体験、自分が出るはずだったライブやスタジオでのバイトまで一気に奪われて。
私の大好きな、音楽で生きている人たちはどんな気持ちでいるだろう。生活の豊かさって何だ?色々と考える毎日で‬した。
この状況下が改めて、エンターテイメントはしょせん娯楽、生活において不要不急だと値踏みした事が悔しかった。でも何周考えたって当たり前に仕方のない事で、否定の仕方も分からなかった。‬
沢山の人が集まるんだから、そもそも必要ないんだから。こんな状況でライブを観たり音楽をやる事を我慢するのなんて当たり前、何も偉い事じゃなくて、これが我慢だという事すらいちいち考えないようになっていました。


でも、今日やっと気付いた。



『音楽が不要だなんて、誰が言った?』

『繋がれなかった人と、繋ぎ損ねた縁と、あなたと唯一繋がれるのは音楽なのに。』

『5ヶ月も我慢しました。僕たちは我慢できました。なぜなら、あなたたちがもっと我慢したから。』

『ステージから見える景色はいくらなんでも譲れない、僕たちの特等席。でもあなたが今立っている場所は、あなただけの特等席。どうしようもなく羨ましい。』

『希望を歌う。絶望の淵から。』

『利益なんて一過性のものじゃない、音楽を愛する気持ちだけ。』

『僕らの未来に賭けてみよう』


大事な大事なチケットを、アナウンスがあるたび毎日のように四千幾らの紙切れに戻す作業。
配信ライブをしてくれると、お金を払える事が嬉しかった。なのにこんなに素敵な音楽、どうして電波に邪魔されなきゃいけない?プツプツと音が途切れるたびに、どうしようもなくもどかしかった。

ああ。私はやっぱり、ずっと我慢していたんだ。

暗転する瞬間の昂り。目が開かないくらいの眩しいライトの光。PAさんのマイクチェック。心臓の真ん中まで響くバスドラムの音。ジーンと残る足の痺れ。

当たり前だったひとつひとつが、いちいち泣いてしまうんじゃないかと怯えるくらいに幸せでした。何度も何度も、我慢したから。

人知れずしていた我慢をアーティスト自身が讃えてくれた事が、どんなに嬉しかったか。きっと、あの場にいた音楽が好きで仕方ない全ての人がそうだったはずです。

そして何より、目の前で音を鳴らすアーティスト全員、死ぬほど楽しそうで。「楽しい!」「気持ちいい!」そう何度も声に出して、「◯ヶ月ぶりだ」「久しぶりだ」そう何度も噛み締めて。
その音楽とステージの上に居るアーティストの、生き生きとしたパワーや喜び、希望の理由になれていることが幸せでした。

ここまで湧き出るままに書き連ねてみたけど、それでもきっとくだらない、たいしたことじゃないと感じる人が沢山居るんだろうなあと、お陰様で手に入れた第三者的視点でそう感じます。


でも、そうじゃない。
違う。
不要じゃない。
音楽は不要じゃないし、無力じゃない。


このライブを開催することをもって肯定してくれた、行き場の無かった孤独なわたしの気持ち。

それは、主催/アーティスト/観客の壁を越えて、音楽を愛しその場に関わる全員共通の思いだった事が嬉しくてしょうがなかった。

音楽は不要不急じゃないからジャンジャンライブ参加しちゃおー‼️って、勿論思わない。いち学生の私なんかとは比べ物にならないものを背負って、我慢を続けなきゃならない人が沢山いる事も分かる。

でも、それでもエンターテイメントを止めないため、先の見えない未来を照らし続けるため、振替を決めようと動き続けてくれていた人がいる事や、開催に向けてきっと幾度となく協議を重ねた事。組織はそんな大変な裏事情なんて決して表に出さないけど、それを今回のイベントを通して胸が痛くなるほどに実感しました。

そして客席に観客が居る事が、演者にとっての報いや喜び、とんでもないエネルギーになる事。自分が観客として参加する以上は、自分の行動にきちんと自覚や責任を持たなければいけない事。音楽やエンターテイメントを軽視せずに大切にしている人は、結構居るって事。
改めて色々な気付きを得て、得体の知れない憑物が取れたような感覚です。

一生忘れられないライブ体験になりました。
マスクで息が苦しい。シンガロングができない。レスポンスできない。ありがとうって、直接言えない。
現時点で飲み込まなきゃいけない不可能たち、忘れられないのはそこじゃありません。

拍手ができる。手拍子もできる。自分がここに立っている事が、アーティストの希望になる。
何より、目の前で鳴る音楽に心を震わせられる。繋がれる。

不謹慎だったらごめんなさい。
非常識だったらごめんなさい。
それでも、こうしてありったけ届けてくれた希望、
少しだけ受け取りたいです。
いつかまた、パンパンのフロアで汗だくもみくちゃになって騒げる未来、大好きなバンドの武道館を見届ける未来に希望を持ちたいです。


色んな気持ちがぐわあと押し寄せてしまって、上手く纏まらないな。笑
あんなに大好きで待ち遠しかったコロナ以降初ライブが後ろめたくてたまらなかった私による、良くも悪くも超新鮮なライブ感想でした。


もう一度、
一生忘れられないライブ体験になりました。
まだまだ先は見えないけれど、訪れるべきいつかを楽しみに、腐らず頑張れそうです。

Osaka Music DAYS!!! 開催に関わった全ての方へ
本当に、ありがとうございました!!!!!!!!!!!!

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