見出し画像

くぴぽ「絶対結婚しような!!!!」のここを見ろ!!!!

2021年12月28日、南波一海氏の主催するR-グランプリにおいて、くぴぽ「絶対結婚しような!!!!」がアルバム部門グランプリを受賞した。

僕は、というか、多くのサブカルチャーのオタクはそうだと思うが、権威づいたものはあまり好きではない。
好きなものでも何かしら権威と結びついたり、商業的な匂いが強くなると離れてしまう。サブカルとはやはり相反するものであると思う。

しかし、サブカルとはいえ映画、音楽、アイドルはとどのつまりエンタメでありそれを作っているのは人間なので、もしその人たちのことが人として好きで、彼らが何かしらの賞や権威、商業的成功を望むなら、そしてそれに向けて尽力しているなら、応援してもいいのかなと僕は思う。ここまで全部自己正当化の言い訳。めんどくさい文章だ。
メンバーの喜んでいる姿を見られて単純に嬉しいということです。

「絶対結婚しような!!!!」リリース時にライナーノーツのようなものを書いた。

あれから半年経って、収録曲はどれもライブで披露され、いわゆる”育ってきた“状態だ。
しかし、アルバムで歌唱しているメンバーの半数はもういない。
アルバムが出たのが6月、前体制のメンバーが卒業したのが7月、そして今の体制が8月以降なので、このアルバムに収録された曲のほとんどは現メンバーの方が多くパフォーマンスしてきていることになる。

現メンバーたちは当初は技術的にも精神的にも非常に難しい状況の中でアルバムの曲をパフォーマンスしていたと思う。何しろ自分が息を吹き込んだ曲ではないのだから、どうしたって借り物感があった。
しかし、4か月を経て、今は全くその印象はないし、むしろ研ぎ澄まされ、それぞれがそれぞれのパートへしっかりと没入したパフォーマンスをしているように思う。今のくぴぽの歌とダンスの表現力の高さ、ライブパフォーマンスのエンターテイメント性は群を抜いていると思う。(贔屓目ですが)
現体制になって以降にくぴぽのファンになった人も多いように感じるが、当然の帰結だろう。

というわけで、ここでは本作収録曲の現メンバーでのライブパフォーマンスの「ここを見ろ!!!!」というポイントを挙げていきたい。

しゅりちゃん
しゅりちゃんはやはり「あたしが星座になる前に」の落ちサビだろう。
本人もこの曲をアルバム中のベストとして公言しているが、それも手伝って、歌詞をしっかり落とし込んだ非常に感情のこもった歌声になっているし、地声の強さを生かした彼女のパワフルな歌はフロアの後ろまで真っ直ぐに響いてくる。芯のある子です。

まことちゃん
まこちの本アルバム曲のここぞというパフォーマンスのポイントは、実のところたくさんありすぎて枚挙にいとまがない。まこちのあのキュートでコケティッシュな歌声は、ソロパートをとれば必ず耳を惹かれる。
あえて言うのであれば、「天国」「眠いよ青春」などのBメロ部分。本当にかわいい。まこちの声はBメロで効いてくるのだ。観て聴いたら分かる。

うのちゃん
うのちゃんのパフォーマンスの素晴らしいところはやはり経験と感性に裏打ちされた曲の解釈の深さだ。時には世界の全てが敵かのように吼えたり、時には聖母のようにやさしく包み込むような歌声を聴かせてくれたりする。
中でも「Shuffle」はうのちゃん曲と言っても過言ではない。難易度の高いダンスを流麗にこなす姿と、Bメロや落ちサビなどでの優しく、そして勇気づけられるような歌声は本当に美しい。好きだ。

あむちゃん
こと感情表現に関してはあむちの右に出る者はいない。楽曲ごとにまるで別人のように表現を変えてくる。それも憑依型ではなく、楽曲をしっかりと噛み砕き、計算された上で弾きだされた感情表現、まさに女優だ。
「あたしが星座になる前に」のBメロ、「しゃぼん玉ホリデー」の落ちサビなどの歌唱は本当に鬼気迫るというか、歌そのものになっているあむちが見られる。凄いよ。

まきちゃん
このアルバムにおけるまきちゃんの歌は、それまでのくぴぽ楽曲とは一線を画すものだ。まきちゃんの歌はそれまでシャウトがほとんどで、激しい曲の中でのいわゆる飛び道具的な存在として位置しており、歌もの楽曲ではユニゾン程度でしか登場してこなかった。それが本作の「しゃぼん玉ホリデー」や「紫陽花と短冊」などで明確なソロパートをとるようになり、これがめちゃくちゃ効いている。彼女の歌はシャウト同様、本当にエモーショナルで素晴らしい。「ふたり」のハモリなどもテクニカルかつ耳を惹かれるし、本作における最大の推しポイントは「まきちゃんの歌」だと断言できる。

というわけで、ライナーノーツの補足のような文章を書いてきたわけだが、「絶対結婚しような!!!!」というアルバムをさらに聴いてもらいたいという気持ちもありつつ、アルバムには入っていない今の彼女たちの歌はライブでしか聴けないので、ぜひライブにも足を運んでもらいたい。

といっても現在、現メンバーでの過去楽曲の再録が進んでおり、2022年の1月から順次リリースされていくそうなので、現メンバーの歌声も音源でじっくり味わえるようになるはずだ。

この1年で天地がひっくり返るようなことが起こり続けたが、どうやら僕はまだまだくぴぽのオタクらしい。

2022年もよろしくぴぽ…。

おわり

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?