"サステナブルな暮らし"

植物性食品を中心とする、いわゆる"プラントベース"の食生活になって2年ほど経ったところで、今の私の食に対する価値観や考えについてまとめておこうと思う。

元々私は食べ物の好き嫌いはなく、お肉も野菜もバランス良く食べていたし、焼肉やお寿司が大好きだった。

自分の食べるものを見直そうと思ったきっかけは、一つの出来事や事象ではなく、いろんな事を少しずつ見聞して自分でも調べたりして知識を深め、思考をしてきた末である。

夫の母親が8歳の時に家畜動物を殺して食べるのは残酷なことだと、以来ベジタリアンだということ。夫はあまり物を多く持たないミニマリスト的な側面があり、多少の不便は甘んじて生活していること。また、私も彼も自然が好きで。キャンプに行っては地球環境問題について議論したり、オーストラリア在住時に出会った、"NO WASTE" ライフスタイルを徹底している人の話などなどを発端として、地球環境だとか持続性について、自分ごととして考えるようになっていった。

そしてまあ自分含め現代人の生活や経済活動が、どれほど地球にとって悪影響かということを知っていく中で、見て見ぬ振りをして生きていくのが難しくなっていった。であれば、自分にできる事をやらなければということで、小さなことから少しずつ行動を開始した。

ー 地球上のゴミにしかならないプラスチックを買わない、膨大な数の家畜飼育が及ぼす地球環境への負荷を考えて肉は食べない、必要な物はまだ使える中古品で探す、洗濯の回数を減らす、スポンジを使わない等々。もちろん一概に何をすれば地球環境にいいとかいったことではない。何かしらの消費活動を行うのは生きていく上で必要不可欠で、その必要性をきちんと毎回自分に問い、どういった選択肢があって長期的な視点でどの選択肢が最も地球環境への負荷が少ないかという事を、都度考える事が大事なんだと私は考えている。

そうして初めた食生活の見直しも、豚肉主にベーコンやソーセージなどの加工食品だけ辞めたりだとか、鶏肉だけは食べようとか、今度は一気に乳製品や卵も抜いたりだとか、やっぱ魚だけは食べよう、いやとことんストイックにだしは鰹じゃなくて昆布だけにして.. などと試行錯誤はあった。今はあえて言うならフレキシブルベジタリアンとでも呼ぼうか、ほぼ野菜中心の生活に、時々チーズと月に数回程魚介類を食べるといった感じに落ち着いている。

自分の中での現時点での結論というか答えは、ビーガニズムだとかベジタリアン、プラントベースといったレッテルだったりカテゴライズって本当に便宜的な言葉でしかなくて、さらにそれらの思想についても実は私は懐疑的だ。私が考える要点は"サステナブル"であるかどうかということ。肉だって魚だって食べてもいい、それがサステナブルなソース、持続が可能な飼育, 生産, 流通, パッケージ, 調理であるかを考えたならば。牛が食べている大豆飼料はアマゾンの熱帯雨林を伐採して得た土地で栽培されていないかとか、その牛の糞尿は海水を汚染していないかとかそういったことまで知らなきゃいけない。でないと、遅かれ早かれ地球資源は枯渇して多くの生物は死滅し、土壌は再生されず私たち人間が食べる物がなくなってしまうから。それでも今が自分が良ければいいというニヒリスト的な考えの人は、はっきり言って自己中だし、悪である。

"サステナブルな暮らし"。本来人間と他生物、自然とが共生して暮らしていたカタチ。地球上の生物量の0.01%にしか満たない人間が、農地を拓き家畜をこしらえ、他生物量を半減させてしまった今、この見せかけの恵まれた環境にいる私たちが目を覚まして行動を起こす時なのだと声を大にして言いたい。


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