Oculus Rift


概要

「Oculus Rift」(オキュラス・リフト)
2012年Oculus VR社(アメリカ)が発表したHMD(ヘッドマウントディスプレイ)。

-- 圧倒的な没入感
映画鑑賞用のHMDと違い、使用者の頭の方向を検出するヘッドトラッキング機能を搭載。
パネルの広い視野角と相まってどこを向いても映像に包まれているという没入感を体感できるのが最大の特徴。
そのため「VR用HMD」とか「VR向けHMD」と言われることがある。

-- シンプルな構造
専用設計の特殊な液晶パネルではなくNexus7用の汎用的な7インチ液晶パネル1枚に右目用と左目用の画像を並べて表示し、左右の魚眼レンズを通して見るというシンプルな構造。
それに加えてコンピュータ側でも画像の補正処理を加えることで広い視野角を実現している。

-- 沿革
2012年のElectronic Entertainment Expo (E3) でプロトタイプが公開され、その後クラウドファンディング(Kickstarter)で目標額25万ドルを上回る240万ドルを調達。
2013年開発者向けキット(DK1 = Development Kit 1)が出荷された。
2014年Oculus VR社はFacebookにより20億ドルで買収された。

-- DK2
2014年3月新型のDK2が発表された。
DK2はパネルが解像度1920x1080の有機ELになり、解像度と反応速度が改善された。さらに赤外線センサーを搭載して上下前後左右の位置もトラッキングできるようになり、頭の向きに加えて上下前後左右の動きも検出できるので挙動のリアルさがさらに向上すると期待されている。

詳細 

種別:ヘッドマウントディスプレイ(HMD = Head Mounted Display)
メーカー:Oculus VR, Inc.
サイト:http://www.oculusvr.com/
Twitter:https://twitter.com/oculus

-- DK2(Development Kit 2)
発売:2014年
価格:$350
ディスプレイパネル:有機ELディスプレイ
解像度:960x1080(片目)
視野角:100°
リフレッシュ・レート:75Hz, 72Hz, 60Hz
ヘッドトラッキング・センサー:ジャイロ / 加速度 / 地磁気
ヘッドトラッキング・レート:1000Hz
位置トラッキング・センサー:近赤外線CMOSセンサー
位置トラッキング・レート:60Hz
対応プラットフォーム:Windows, Linux, OS X
接続:HDMI1.4b + USB2.0
電源:DCアダプター
重量:440g(ケーブル含まず)

-- DK1(Development Kit 1)
発売:2012年
価格:$300
ディスプレイパネル:液晶ディスプレイ
解像度:640x800(片目)
視野角:90°
重量:330g
※位置トラッキング機能は未搭載
※販売終了

その他

-- 合わせ技で没入感アップ
ヘッドホン/イヤホンでコンテンツの音を聞くことで周囲の雑音を遮断したり、KinectやLeap Motionなどのモーション・コントローラーでキャラクターを操作すると、より一層没入感が高まる。

-- 周囲の様子が見えない
完全に視界をハックされてしまうため使用者が周りの状況を把握できないので、来客、子守、介護、看護、火災、泥棒、その他使用者の予期しない状況が周りで発生したときに気づかない/気づきにくいという問題が指摘されている。
周囲の様子をカメラで撮影して画像内に小さく表示するというアイデアが聞かれるが、もっと没入感の妨げにならないアイデアが求められている。

-- コントローラーいらず
DK2で位置トラッキングも出来るようになったので、首の前後左右の移動(傾き)を十字キーやアナログスティックなどの入力代わりにすることで、ゲームパッドやキーボードもモーション・コントローラーも使わずに楽しめるコンテンツが実現できる。

-- 待望の無線化
向きを変えているうちにケーブルが首や体に巻き付くので無線化が待たれる。
最初の段階としてはアダプターに通信機能とバッテリーを搭載してそれを腰に付け、そこからゴーグル部にケーブルが繋がるというパターンが考えられる。

-- 無線化による事故対策
無線化が実現すると、部屋のなかを歩きまわったり、DDRやWiiのスポーツゲームなどのように体を動かしてプレイするコンテンツが増えると予想されるので、転倒や家具の破損等のトラブルが起きないようOculus装着時に周囲の様子が見えるアイデアが切実に必要になってくる。

-- 国内イベントも活発
「Ocufes」(オキュフェス)と呼ばれるイベントを開発者団体が頻繁に開催している。最新のデモに触れたり、開発者との情報交換・交流をもてる場となっている。
サイト:http://www.ocufes.jp/
Twitter:https://twitter.com/ocufes

注目ポイント

重量
DK2は重量が440gとDK1から100g以上増え、500mlペットボトルの水に近い重量のゴーグルを装着することになる。
しかも頭部前方に全重量がかかるため、強く締め付けないとずり落ちたり、ある程度の時間使用していると首に負担がかかるなどの懸念があるが、ゴーグルメーカーの製品を研究して開発したという成果に期待している。

以上

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