Kinect


概要

「Kinect」(キネクト)
2010年にマイクロソフトが発売したジェスチャー・コントローラー。

-- 各種センサー搭載
赤外線センサーでユーザーの位置と動きを検出できる。骨格追跡またはスケルトン取得またはボーントラッキングと呼ばれる人体の認識追跡もできる。
指向性マイクでユーザーの方向や音声と環境音の判別もできる。
画像カメラで顔等を検出できる。
キーボード/マウス/ゲームパッド等の物理コントローラーを使わずに操作できる。

-- 首振りモーター搭載
使用者を的確に捉えられるようにモーター制御で上下に首振りできる。ソフトやプログラムにより自動追尾も可能。

-- 距離とボーントラッキング
20箇所の関節と骨格を認識できる。ボーントラッキング時は深度センサー(赤外線センサー)で識別するので、同時にセンサーからの距離も取得できる。
さらに、最新バージョンでは手で握るモーションも判別できるようになっている。

-- 沿革
2009年ゲーム機「Xbox 360」用コントロール・デバイスとして発表。 
2010年「Kinect for Xbox 360」発売。
2012年「Kinect for Windows」発売。Xbox発売以来センサーデバイスとして様々な用途に使用する開発者が多数いたため「for Windows」がリリースされた。「for Xbox 360」では禁止されていた商用利用が解禁され、近距離での骨格追跡可能な「Nearモード」も追加された。

詳細

種別:ジェスチャー・コントローラー
メーカー:Microsoft, Ltd.
サイト:http://www.xbox.com/ja-JP/kinect/

-- Kinect for Windows
発売:2012年
価格:¥23,000前後
搭載センサー:カラーカメラ、深度センサー、指向性マイク(マイク✕4)
その他機能:オーディオノイズ除去、首振りモーター、骨格追跡(イスに座った状態でも検出可能)
解像度(カラー):640✕480px
解像度(深度):320✕240px
水平視野:約57度
垂直視野:約43度
首振り角度:上下各28度
フレームレート:30fps
深度検出物理範囲:約0.8〜4.0m
深度検出実用範囲:約1.2〜3.5m
深度検出近距離(Nearモード):約0.4〜3.0m
音声フォーマット:16kHz、16bit モノラルPCM
音声解析:英語/フランス語/イタリア語/スペイン語/日本語
接続:USB2.0
寸法:幅280mm×高さ70mm×奥行き65mm
質量:600g
電源:ACアダプター

その他

-- ゲーム以外の用途
骨格追跡や音源位置認識などインスタレーション作品や展示コンテンツ等でセンサーとして広く使われている。

-- センサー搭載位置のズレ
カラーカメラと深度センサーは数センチ間隔で横に取り付けられているため、カラーカメラで取得した画像に深度センサーで取得した人物のシルエットを重ねると数センチ分のズレが生じる。
そのため、映像内の人物だけに効果をかけるようなコンテンツの場合は調整が必要になる。

-- 非接触型コントローラーのメリット
医療や飲食等の衛生面や手の汚れで既存の入力装置の操作が困難な場合に大いにメリットが有る。展示系のように不特定多数が操作する場合も衛生的。

-- 子供・高齢者・外国人・障がい者などのバリアフリー化
人の位置や体の動きや顔の表情を認識できるので、コンピューター操作に慣れていない人や説明文を読めない人や身体的ハンディキャップがある人もコンテンツを体験できる。

注目ポイント

音声センサー
マイクが4つも搭載されていて結構な精度で発声者の位置を検出できることと、人の声と環境音等のノイズを判別できることと、複数言語での音声コントロールが可能、という音まわりのハード/ソフト両面のクオリティは注目に値する。
ボーントラッキングや画像解析等のモーション・コントロールは多くの関心を集めるが、音や声に対してこれほどアプローチする姿勢は特筆すべき点と言える。

以上

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