連載【6】 5歳と1歳の育児中の専業主婦が刺繍教室を始めることになった閃きとは?
その日は夫も仕事が休みで家にいたので、すぐに階段を駆け上がって勢いよく言った。「ねー、私、刺繍の先生になる!」
夫はポカンとした顔で「何それ?どうしたの?」みたいな返事をした。それは当然の反応だと思う。そもそも私は手芸関連の仕事をしたこともなかったし、夫と知り合った頃は楽器メーカーに勤めていたから「エレクトーンの先生になる!」の方が自然だったであろう。だけどその時の私は夫の反応など全く関係なく、すでに先の自分を見てワクワクしていたのだ。
突然降ってきたようなこの閃きが