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フレキソ印刷機を使った軟包装印刷の可能性② ーナローウェブフレキソ印刷を用いるー

前回の記事では、海外で紹介されているナローウェブフレキソ印刷機を用いて軟包装印刷を行うメリットについて紹介した。海外では実際にラベル印刷がナローウェブフレキソ印刷機を使って軟包装印刷を行っている。

本稿ではFTA(Flexographic Technical Association、フレキソ技術協会)のウェブページ掲載の記事で説明されているナローウェブフレキソ印刷機を用いた軟包装印刷について紹介する。

参考資料:

上記の参考資料では、フィルムのサプライヤーであるacpo社(米国)のR&Dディレクターであるトム・デュポン(Tom DuPont)氏がナローウェブフレキソ印刷機を使った軟包装印刷について説明している。

1.印刷基材の選択

デュポン氏はまず、昔では一般的であった単純な包装とラベルから現在の軟包装への変遷について触れている。昔はセロハンの袋に製品の名前が書かれたシンプルなラベルが貼られただけのものが一般的であった。現在では、製品を封入する包装に、製品の名前やその他の情報が記載され、包装とラベルが一体化したような体をなしている。こうしたことからも、確かにラベル印刷会社が軟包装印刷を行うのも自然なことかもしれない。

ラベル印刷から軟包装印刷にシフトする場合、まず重要なのは適切な印刷基材を選択することだ。軟包装はただ製品を包むだけのものではない。まず様々な機能が求められる。例えば、酸素や水分、光の透過性をコントロールする機能や、用途に応じた耐久性が求められる。もちろん機能だけではなく、消費者への訴求性や美観も重要な要素だ。マットとグロスでは異なった印象を消費者に与える。

また軟包装の多くは製袋機で袋状にシールされることから、シーリング層がラミネートされている。よく使われるシール材としては、PE、BOPP、CPP、多層押し出しフィルム(Multilayer extrusions)などがある。

シーリングの方法としては熱と圧力により行うもの(ヒートシーリング)
や粘着剤(コールドシーリング)を用いたものがある。

こうした選定においてはフィルムサプライヤーに相談して適切なものを使用することが重要だ。

2.プレラミネート(Pre-laminate)

様々なフィルムがある中で、最も簡単なものはプレラミネートを使用するものである。これは包装として必要なフィルムがシーリング層を含め既にラミネートされているもので、印刷会社は機材に印刷を行い、印刷後に印刷面を保護するためのニスコーティングやラミネートを行うだけでよい。

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(図は参考資料より)

3.裏面印刷

またもう一つの方法としてはバリアフィルム(包装の外側になる層)の裏面に印刷を行った後に粘着剤がコーティングされたシーリングフィルムをラミネートする方法だ。印刷面はバリアフィルムとシーリングフィルムに挟まれる形となる。

プレラミネートを用いる方法や裏面印刷を行う方法は、ラベル印刷会社が使用している既存の印刷機で行うことが可能である。印刷されたロールはそのまま製袋機に投入することができる。

もちろん、ワイドウェブの印刷会社が行っているように、シーリングフィルムをラミネートするのに別途ラミネーターを導入する方法もある。この場合にはラミネートを行うための接着剤として水性や溶剤など様々な種類が利用可能となる。

4.MarkAndy社Evolutionシリーズ

近年のナローウェブフレキソ印刷機の発展は著しく、より正確なウェブのテンションコントロールが可能となり、様々なインライン加工オプションが追加できるようになっている。

弊社で取り扱っている最新のナローウェブフレキソ印刷機のEvolutionシリーズは初期投資を抑え、加工オプションが豊富なラベル印刷機であると同時に、軟包装印刷も可能である。ラベル印刷だけでなく、軟包装印刷へ製品の幅を広げたいコンバーターには是非検討してほしい。

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