見出し画像

ミニ四駆超速グランプリを終えて⑦最終回

最終回 エピローグ

チームを逃げ出した後は、もう特筆すべき事は無い。

燃えカスのような存在だと思っていたが
もう習慣になってしまっていたので超速グランプリは毎日ログインした。
人並みにグランプリを走ったり
列島で地域の経験値を稼いだり
時々激走なんかを走ったりもした。
サブスクも続けていたし
強そうだなって噂されたパーツには課金もした。

対抗戦はその都度臨時募集しているチームにお邪魔した。
海外のチームにいた事もあった。
迷惑にならない程度に一週間過ごさせてもらい、しかし定住することもなく渡り歩いた。

ただただ漫然と過ごした。

しかしながらどこで何をしようとも
もうあの頃のようにレースに心躍らせることは無かった。

ある日、なんとなく誘われたので『Pit』に入った。
理由とは言えないけれど、あの頃憧れたチームがどんなものかと少なからず興味はあった。

昔肩を並べていたはずの『Pit』は超速GPの最前線を走るチームになっていた。
Twitterでぼんやり界隈を見ていてなんとなくは知っていたが内に入って見た『Pit』はやはり考察力・パーツへの理解・セッティング・勢い、どれをとっても一級品で、さながら遠い記憶にある『ES』のようだな、と感じた。
何より、そこにいる誰もが楽しそうに超速GPをプレイしていたのが印象的だった。

旧知の知人も多く、居心地は悪くなかったけれど
トップランナー達が集う場で最前線に遠く及ばない燃えカスの身としては一歩引いて眺めるしか出来る事は無かった。
引け目を感じるほどに意欲的では無かったので、図々しくも隅の方に居座らせてもらった。

時は過ぎ
2024年3月6日
アプリ『ミニ四駆超速グランプリ』のサービス終了が告げられた。
Xデーは5月7日。
このゲームで遊べるのは残すところ約2か月間との事だった。

4年間欠かさず続けた日常が終了する事に寂しさを感じ、惜しむ気持ちは持てた。

界隈の反応は、嘆き半分
仕方ないかなと受け入れる反応が半分といったところ。

それぞれが思い思いに
『ミニ四駆超速グランプリ』を締めくくろうと動いていた。
一度は退いた人達の姿もちらほらと散見して
その賑わいは、かつて自分の知る中で最も盛り上がっていた頃のようで懐かしさを覚えた。

―――――――――――――――――――――

このnoteを書いている現在は5月2日
最後の超速グランプリシーズン223が始まった。
いよいよ世界を閉じる足音がすぐ後ろまで聞こえてきた。

私はいま旧い仲間数人と『X-2』にいる。
週末には最後に走る場としてあの「Dr.cup」が待っていた。

燻ぶった想いを全て燃やし、最後に消し炭になるまで走るつもりだ。

そして5月7日を迎え
『ミニ四駆超速グランプリ』を取り巻く全てに感謝を添えて、ピリオドを打ちたいと思う。

4年間の楽しみと、かけがえのない思い出を
ありがとうございました。

さようなら。

レーサー名:akame
マシン名 :FRESH&BLOOD



またいつか。

了。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?