その1【今さら公開】2021年コロナ闘病記〜序〜
この文章は、2021年の8月に書き上げていたものです。コロナウイルスをバカにしてたら、思いっきり感染し、入院し地獄を見た闘病記です。
これ書いたのはよかったのですが、その後も世界はどんどんコロナの影響で混乱し、公開する気になれなくてお蔵入りしてました。
コロナも第五類となり、苦難の時を乗り越えた感じで、世界が戻っていく中、自分の健康への教訓として公開します。
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新型コロナウイルスの世界的感染で、一年延期となった「東京オリンピック2020」の開会式を見ていて、まさか自分が生きている間に世界がこんな事態に見舞われるなんて、想像もしていなかった。
映画「アルマゲドン」も「ディープインパクト」も、リスクはあると分かっているけど直面する恐怖とまではいかない。しかし、そうした想像もしていなかった現実が「自分」にも起こった。
言っておくが、これは、ついに自分がコロナにかかって、ちょっとネタになりそうなんでnote書いてみた😁!・・的な軽いものではない。感染者が福岡市内で一桁台まで低下した時に突然感染し、しかも舐めていたら、中等症化までいき本当に地獄を見た。それをシェアすることで、皆さんが、コロナをどう考えるか?などを判断するリアルな材料にして欲しい。その思いで、書くことにした(2021年8月現在)。
普通に暮らしてたら、ほとんどコロナには感染しないだろう・・・僕も、その確率をあてにして、自分が納得できない自粛生活はしないで活動していた。「だから、こうなったんだよ!」のご批判も結構。
ただ、言いたいことはそこではなく「コロナは地獄である。」
それだけだ。では、興味ある方はぜひ。全編無料です。
序
僕が大量の唾液を垂れ流して挑んだ「PCR検査」は、「陽性反応ですね」というなんともニュートラルな担当医の電話の声で決着した。2021年6月29日のことだ。福岡市の感染者、その日は実に6名。
完全に「どんな奴が、かかってんだよ。このタイミングでよ!笑」的な雰囲気の中、福岡市民1,600,000人のうちに6名しかいない患者の一人が、自分になったのだと自覚した。
6月30日。朝9:00ごろ保健所から連絡があった。
「とりあえず、ホテル隔離となります。このあと11:00に、自宅に迎えにきますので、準備してください。」「はぁ・・わかりました」というしかない会話だ。携帯電話の番号も、詳細な家の場所も、検査に行った病院から保険所にすべてシェアされている。今の俺には個人情報の秘匿性など全くない。こういう種類の緊張感というのもあるのだと、初めての感情が渦巻いた。
僕は、その日の夜、友人と素敵なお鮨を約束していたのだが、もちろん行けるわけもなく、友人にお詫びの電話をした。
「1週間くらいで復活してくるので、その時にぜひまた!」
ワクチン接種を「ゴール」と表現し「もうすぐゴールだったのに!」と、軽い冗談を交えながら力付けてくれる友人。自分もコロナに感染していることを重く深刻に考えないようにしながら、若干痛い後頭部をさすって笑っていた。この時、僕の中には、ほぼ無症状でホテルに1週間ほど隔離されながら”近頃忙しすぎたんで、少しゆっくりするかぁ〜”くらいの感覚だった。現に、スーツケースの中には、焚き火ギアの本も入れてたりしたが、今考えたら、本当におめでたいやつである。
それよりも考えなくてはいけないのは、家族や会社のメンバー、その数日前に会った方々への影響など憂鬱なことばかり。保健所の職員さんは、根掘り葉掘り、ここ2週間の行動をネチネチと聞いてくる。
言っておくが、これは保健所の大変なお仕事の職員の方を、ディスっているのではない。それくらい、どんな行動をしてきたか?は深刻なのだ。コロナになる最大のダメージは、自分の体調より、まわりへの影響なのだ・・・なんで俺が・・・と自分の立場を呪った。しかし、これは間違っていた。最大のダメージは、やはり自分の体調だというイメージができていない、おめでたい奴の戯言だった。
アパホテル大名西
そして11:00。謎のハイエースがやってきた。
「家康観光」とクレジットされた車内は、運転席の方々の会話も聞こえないように完全密閉された空間だ。
車内で「隔離同意書」を書くよう指示される。そうだ。日本という国は、コロナウイルスを保持して、社会に迷惑を100%かけるとわかっている人間にも「同意書」をとる優しい国だ。これ拒否ったりとかありなんだろうか・・・?と思いながら、余裕で署名した。これまた、俺も日本人だ・・。
ちなみに、これが同意書の本紙である。
何も明るい兆しがない時間の中で、職員の方が助手席からくぐもった声で「アパホテル大名西」に向かいますので・・という宣言をされた。しかし大人しく乗っていた僕は、ふと気づいた。
この車は、明らかに大名に向かっていない。
何を隠そう、僕は50代デルタ株の、福岡第一号かもしれないと、保健所から通達を受けていた。ゲノム解析中だと。デルタ株の患者は、特別な人体実験とかされるのか!?などと、国家に拘束された経験がない僕は、ものすごく不安になった。
しかし、ハイエースが違う場所へ向かっていた理由は違っていた。
なんと僕以外に、若い男子と、おばちゃんを拾ったのだった。
そう。この車は「フレッシュなコロナ患者乗合送迎車」だったのだ。希少な6名の50%がここにいるのか?などと、少し痛みが増した後頭部をさすりながらバカなことを考えていると、「アパホテル大名西」に、謎のハイエースは到着したのだった。
入り口に、まさに映画「アウトブレイク」を再現したような女性が待ち構えているそのシーンを、僕は忘れないだろう。
そして、あてがわれた「アパホテル」の部屋の癖が強すぎる壁紙も・・・
その2:へ、つづく。
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