ファミレス行こ。名作過ぎる!11話感想
恋愛に展開した場合の哀しい予感②(狂児について)
成田狂児…狂児 ひどい名前だけれども、出生届エピソードも全くひどい話で、誰も大人達は何とかしなかったのかと呆れてしまう。
不良にはならなかった様子だけど、「いつかどっかで歯車が狂う」という不吉な予感を抱いて彼は成長する。
「人を駄目にする力がある」深夜のカラオケ店で、狂児は今の親分に拾われるのだけれど、ほんとの親よりはマシだったんだろうね。
極道の社会って、疑似的家族集団の所属意識を植え付ける目的で、やたら伝統行事を重んじるらしく(お年玉だの餅つきだの) 家庭に恵まれなかった人間は かなり取り込まれてしまうらしい。怖い構造だ。
歯車が狂うというよりはなるべくして為った人生なんだろう。11話は、そんな狂児の1日なんだけれど、掴めない男…
部屋の隅でじっと見る黒猫に聡実君を重ねて思い出すシーン、切ない。
回想で、「連絡してくんな 」「二度と会いたくない」って台詞は これまで散々 ヤクザの自分に吐き捨てられた重要他者からの言葉なんだよね。
聡実君の「会わんほうかええと思う」を思い出すけど、彼の心情は分からず、聡実君に対する感情は、ずっと分からないままだ。執着は感じるけれども、狂児が聡実君に抱く気持ちは、わたしは恋愛とかではないと思っている(涙)
辛辣に物言いしながらも、自分に合う曲目をそれなりに一生懸命考えてくれたり ご飯をたくさん食べて、たまに行儀が悪い甥っ子への愛情みたいな部類なんだと思う。
損得関係なく、何となく待ち合わせる、庇護が必要な対象をどうしようもなく欲したんじゃないかな。 そもそもの、一番最初の出逢いのシーンも、狂児は 本物の 息子や甥、姪の合唱祭を見に来ていたんじゃないのかな…とすら思っている。
でも、つれない甥っ子代わりが、もしかすると 自分に特別な気持ちを抱いているかもしれないのだ。
ハグした後、なんだかいつもの狂児とは思えない反応だったことはとても印象深い。 っていうか、昔みたいにふざけたりしないんだよね…
そして、狂児は、数えきれないほどの女から、バックハグ的なアプローチは受けてきたことだろう。恋の要素は、関係を維持するには時に破滅を招く起爆剤にもなり得る。
聡実君が戸惑いながらも狂児に惹かれていった展開は 、
人が人を好きになることの切なさ、どうにも自分ではコントロールできない気持ちが、痛いほど読む側にも伝わって悶えてしまうのだけれど、
対する狂児は、聡実君の幸せのために離れていくのかな…
さ
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