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とろろ昆布のようなサルオガセの森

入笠山は美しい湿原やお花畑がなんといっても魅力なんですが、そこを離れて登山道を歩いていると、大きなカラマツなどの木々にサルオガセという地衣類が垂れ下がっているのを見ることができます。
それがびっくりするほど大きく、木全体を覆っているかのように迫力あるものも見られるのです。

大きな木にぶら下がっているサルオガセ

私はこれを見て、なぜかとろろ昆布を思い出してしまいました。
とろろ昆布の入ったうどんなどから箸でとろろ昆布をすくうとこんな感じだよなと思ってしまいます。

とろろ昆布を思い出してしまったサルオガセ
すごいとろろ昆布だ

私は長い間この不思議な地衣類の名前を知らなかったのですが、南アルプスの鳳凰を登っているときに、同じように登っている別グループの一人が指さして、「すごいサルオガセだね」と言っているのを耳にしました。
その時に、「サル」という初めの言葉だけが記憶に残り、帰宅してネットで検索、「サル」と「地衣類」というワードを駆使して行きついたのが「サルオガセ」でした。そこに載っていた写真で間違いないと思い、初めて名前を知ったのです。

長い間この不思議な生物の名前を知りませんでした。

それにしても「サルオガセ」とは学名なんだろうか、和名だとしても不思議な名前で漢字はあるのだろうかと思ってしまいます。
さらに調べると、学名などではなく、和名なんです。
漢字では「猿尾枷」と書くようです。
猿尾枷って何だろう。枷とは手枷、足枷のような罪人にかける道具ですよね。
猿のしっぽに枷をかけるようなことがあるのだろうか。どんな枷なんだろうと思ってしまうのです。
漢字ペディアで「枷」を調べると私の知っている手枷、足枷とは違う意味もあるようです。
それは、からさお。穀物の穂を打って実を落とす農具。とあるのです。
さらにこの「からさお」なるものを調べたりすると農具の一種として写真もあるのですが、やっぱりサルオガセを連想できないのです。

不思議な名前、サルオガセ。漢字で書くと猿尾枷、何のことかわかりません。

なんとも不思議なとろろ昆布のような生物が入笠山の森にはいっぱいいるのです。
猿尾枷、それは何だということをご存じの方は教えてください。

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