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倒産件数(2020.1-2)から見る新型コロナウィルス感染症

1.倒産件数と新型コロナウィルスによる倒産事例

帝国データバンクによると2020年の1月の倒産件数は713件(前年同月比+2.7%)2月は634件(前年同月比+2.3%)となっています。
広島でも新型コロナウィルスの影響で、中国地域で有名なスキーリゾート「瑞穂ハイランド」を運営する瑞穂リゾートが倒産するというニュースが入りました。

1月-2月期の倒産件数から、現在どういった業種に新型コロナウィルスの影響が出ているかを確認したいと思います。

2.検証方法

今回の目的はどの業種において倒産という形で影響が出ているか(もしくは出ていないのか)を確認したいと思いました。

(1)2020年1-2月の倒産件数における業種中分類毎の別割合を算出(=A)
(2)基準値を求めるため「2018年の倒産件数の業種別割合」「2018年の倒産件数の業種別割合」の平均を算出(=B)。
(3)A-Bを求めることで、異常値を求める。

これにより、A-Bの値が大きい=過去2年のトレンドよりも倒産している割合が大きい=新型コロナウィルスの影響を受けている、と判断することにしました。

3.結果

(1)倒産件数の割合が過去2年のトレンドより高い業種

スライド1

(2)倒産件数の割合が過去2年のトレンドより低い業種

スライド2

(3)参考:倒産件数の割合が高い業種
参考として、倒産件数の割合が高い業種は以下のとおりです。2020年1-2月の倒産件数を合計した全体の割合と、2018年の割合と2019年の割合の平均値からTOP5を記載しました。
ご覧のとおり、「飲食店」は元から倒産件数の割合が高いことが分かります。

スライド3

4.まとめ

念のためご留意頂きたいのが、「まだ計測期間が短い」ということと、マクロトレンドからの視点のため、「詳細については分からない」という点です。一つの意見として、ご参考頂ければ幸いです。

上記結果のとおり、「飲食店、飲食料品卸売業の倒産件数の占める割合がトレンドと比較して大きくなっている」ということが分かりました。
少なからず新型コロナウィルス感染症の影響を受けていると考えられます。飲食店については、元から倒産件数の割合が高い業種なため、今回の新型コロナウィルスによりその傾向が更に加速することが予想されます。
ちなみに「旅館、その他宿泊所」のトレンドとの差は+0.26%となっていました。
今後も様々な業種へ新型コロナウィルス感染症の影響が広がっていく可能性が高く、より注視が必要だと感じています。



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