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"データで見る"地域で事業承継・M&Aが注目される理由

1.経営者の高齢化

帝国データバンクの調査によると2019年における全国の社長の平均年齢は59.9歳。中国地域では60.1歳、四国地域では60.3歳となっており、日本は全国的に経済が成熟している様子が伺えます。
ちなみに30代以下の社長の割合は3.8%です。

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2.後継者不在率

こちらも帝国データバンクの調査です。
2019年における後継者不在率は65.2%となり、全ての年代で後継者不在率が低下したとのことです。特に中国地域はTop10に4県ランクインしており、特に課題となっています。

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3.休廃業数と倒産件数

(1)休廃業数
同じく帝国データバンクの調査によると、2019年の「休廃業・解散」件数は、全国で2万3,634件(前年比2.6%増)。
経営者が自主的に経営や事業を畳む「休廃業」は1万2,764件です。
地域別の「休廃業・解散件数」の件数・伸び率は、中国地域は1,678件(前年比+4.0%)、四国地域は982件(前年比+10.0%)です。
年代別に見ると、リタイア適齢期に当たる「70代」が7197件(構成比37.6%)となり、3年連続で全年代中最多とのことです。

(2)倒産件数
東京商工リサーチの調査によると、2019年の倒産件数は8,383件です。上記の休廃業の件数と比較すると、休廃業の件数の方が倒産件数より大きいことが分かります。

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4.地域別のインパクト分析

最後に休廃業・解散件数を、都道府県別の企業数(2016年時点、中小企業庁発表)に後継者不在率をかけた数値で割り、マップに落とし込んでみました。これにより、首都圏等、人口が密集しているエリアと比較して、地域毎の深刻度がより分かりやすいかと思います。

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(まとめ)

まとめると、日本は全国的に経済が成熟化し、経営者の平均年齢は59.9歳となり高齢化が進んでいます。他方、後継者不在率も65.2%と全国的に高く、特に中国地域は割合が高い地域です。
企業の損失は付加価値を創出する基盤が失われることを意味しますが、現在は倒産件数以上に休廃業により企業が失われる件数の方が多く、休廃業の中でも経営者の高齢化が目立ちます。

以下は個人的な主観になります。

上記のとおり、日本の経済全体が成熟化することで、企業そのものが失われつつあり「事業承継」は、特に地域において全国的な課題となっています。この流れは昨今のコロナウィルスの影響も鑑みると、より広がるのではないかと感じております。
経済の新陳代謝という意味では、必ずしも廃業を抑えることが最善ではないと感じる一方、再び日本が価値を生み出すエリアにするには、ベンチャー・スタートアップ等の新産業の創出これまでの経済との融合、新しい担い手へとバトンを渡す事業承継、更には地域での業界再編等、ある一つの視点ではなく、様々な視点で取組を有機的に展開し、地域経済を次のステージへ進めていくような新しい流れを作り出す必要があると思います。


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