宇野維正先生考察 第十弾 2010年代の映画界/ぷらすと×アクトビラ #1371 ゲスト出演編

宇野先生の発言をピックアップし考察するこのシリーズもついに第十弾になりました。ネットの片隅ではありますが話題にして頂けることもあり感謝しております。

今回は宇野先生がゲスト出演した『ぷらすと×アクトビラ』の2010年代の映画界という企画のゲスト出演の考察です。


https://www.youtube.com/watch?v=hasQY0nE8Sw

【YOU TUBEより】

10年代の映画シーンを、独自の3つの視点で解説いただきました!

MC:立川吉笑さん
ぷらすとガールズ:大伴理奈さん
ゲスト:宇野維正さん 


と言う三名のトークです。見てる人が限られるコンテンツなのでいつもより宇野先生節が炸裂してますのでそういうのを楽しみにしてる人には当たり回だと思います。

では宇野先生の発言を拾っていきます。


『コロナウイルスで報道とか色々気を遣ってますけど株価は正直という話じゃないですか』
『仕事に影響しない人いないでしょ』
『東日本大震災と違うのは日本だけのことじゃない。だから尚更大変』
『落語界は演者も観客もお年寄り。笑点の観覧から無くなってなるほどみたいな』
収録時2/25の時点で 『今年オリンピックをやるかも知れない。やるかも知れないぐらいの感覚ですよ。』
『昔、昭和天皇が亡くなった時にみんな日本人ってレンタルビデオショップの会員になったんですよ。それでテレビが一週間ぐらい特番になってみんな堪らんってなってレンタルビデオにビデオを借りに行った。それが80年代の終わり。それと同じインパクトが今回のオリンピックにもあると思っていてテレビ一か月ぐらいオリンピック一色になる。日本人でオリンピックに興味があるのは20%ぐらいしかいない。メディアに踊らされても最大風速でも40%ぐらい。半分以上のオリンピック興味ない人たちがみんなストリーミングを見始めるんですよ。そういう意味では今年はストリーミングによってターニングポイントになる年だと色んなところで言っている。それがまさかコロナウイルスによって四か月早まるとは思わなかった。』
『みんなオリンピック以外を見たい人向けのキャンペーンを考えているはず。』
『メディアが変わるときには大きな事件がある』

2010sについて売れてるそうですねと言われ、『そうなんですよ。売れてます。』

『初版が今まで出した本で一番少なかった。』
『こういう企画だから大きな会社から出したかった。』

『何言ってるのか分からないと良く言われる』
『注釈は調べれば分かるし付けてたらキリがないからつけてない』
『タナソーさんがカタカナが多すぎる』

Spotifyにない曲がある 『コンピCD作ります笑。CDなんて聴いている人いるの?笑って本なのに』

『よく聞くのが2010年に子供が生まれて全くカルチャーを触れなかったけどこれを読んで勉強したって人が多い』
『音楽について書いてることは日本だけじゃなく海外でも雑誌がもう時代をキャプチャー出来なくなったのが2010年代。僕もタナソーさんも雑誌作ってましたけど雑誌とかを頼りにしていた人たちが取り残された。』
『僕がフリーになったのは2008年なんでフリーで仕事をするようになった2010年代』

三つのキーワード

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『これから話す事で話さない事が3つあります』 


・1つ目
『自分の好きな映画について。自分が好きとか何を評価してる化はどうでも良いんで』

『好きな映画を一応話しておくと』


2010年代好きだった二大映画


ゴーンガール
複製された男 

2010年代後半で宇野先生が年間ベストに選んだ作品

インヒアレント・ヴァイス
イットフォローズ
メッセージ
君の名前で僕を呼んで
スパイダーマンスパイダーバース 


・2つ目
『何がアカデミー賞取ったか。どれが賞をとったか』
『アカデミー賞とかカンヌとかどうでもいい』

『一応話しておくとアカデミー賞は2010年代はメキシコのディケイドだった。メキシコの映画人が賞を取りまくった。』
『アカデミー賞的な権威が揺らいでいるのが2010年代。パラサイトの受賞はかわらないといけないというアカデミー賞の表れ。』

・3つ目
『日本で何がヒットしたか。世界の僻地の田舎の事なんてどうでも良い』

『誰とも言いませんが懐かしの洋画を語るとかどうでも良い』


一つ目のキーワードについて

・ファンタジーとユニバース化の時代

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・ヤングアダルト小説の映画化
・マーベルシネマティックユニバース


『アイアンマンとトワイライトは2008年から始まった。ここが2010年代の始まり』

『アメリカはヤングアダルト小説のが純文学より市場が大きい。ハリーポッターの影響。』
『ハリーポッターがずっと一位だったから分けられた。』
『日本も近くて少女漫画のティーンムービーが2010年代に増えた』
『基本的には女の子がいろんな男の子から言い寄られてどうしよう?系』
『2015年にブームが終わったためあまり語られない』
『ハンガーゲームは特に日本では当たらなかった。2は当時のアメリカのオープニングの記録を塗り替えたの』
『オールタイムで6位とかだった』
『日本では一年以上経って公開された』
『日本での売り上げ世界全体の0.3%しか興行収益がなかった』
『日本に支社がなかったので他のインディー映画と変わらない扱いだった。』
『ジョンウィックが公開が遅いのも同じ理由』
『ピッチパーフェクトも同じでアメリカの一年後に公開されるので日本では当たらない』

『この手の映画は映画としてはそこまで良くはないから。』
『トワイライト1は日本でもそこそこ入った。』
『凄い象徴的なのは2008年までは日本にもメディアに海外カルチャーも載っていた』
『メディア環境が変わった』
『メディアも白人の映画スターを表紙にしたら雑誌が売れるとか広告代理店がCMに使うとかが無くなった。トワイライトのロバートパティンソンとかが。もちろん一部ではスターとして扱われるけど。』
『日本ではブラッドピットとかジョニーデップとかトムクルーズとかで止まってる』
『日本では白人男性のスターに女性が憧れられなくなった』
『ゴシップ雑誌の読者とかは別だが』
『対象がK-POPスターとかに変わったんではないか。エキゾチシズムの対象がアジア人でも良くなった』
『20年前と変わらない恐ろしさ』
『時代はナラティブが規定する』
『大衆は広い意味でのファンタジーをもとめている。』
『ファンタジーでどんどん広がっていく世界を求めるようになった』
『女性が男に言い寄られる逆ハーレム映画が流行ったのは男はジェームズボンドの映画みたいなモテモテの男を描いてきたがそれは男の欲望じゃん。
映画は男の欲望を反映してきた。それの女性版だから』
『新興のライオンズゲートとかヤングアダルト小説系のところは女性の欲望はどこにあるのか?女性向けのファンタジーは商売になることに気付いた』
『2010年代前半人気があったのはレディガガ、ケイティペリー、テイラースウィフトであり実は2010年代の前半は女性の時代でもあった』
『後半はラップが強かったが』
『簡単に言えば2010年代は前半は女性の時代で後半はラップの時代と言える』
『音楽の世界でも映画の世界でも女性の欲望を肯定するのがエンターテインメントとして主流になってきた』
『それを吸収していったワンダーウーマン、キャプテンマーベルとかなんだけどこれまでは無邪気なだったのがmetooとかもあってより政治的になっていく。』
『この辺までシスターフット。女性みんなで楽し的なムードだったがこの後その流れが政治化してしていったからヤングアダルト的なファンタジーが急に色あせた。』
『このヤングアダルト的な作品を楽しんでいた日本以外の海外の女の子たちがゲームオブスローンズを夢中になって人気が出た。』
『2015年ぐらいからゲースロも面白くなった。』
『女性キャラのデナーリスが女性たちのフィクションの憧れになっていた。』
『(ゲースロは)すげー政治的です。』
『女性キャラがフェメニズムを代表してたりとか奴隷解放をしたりとか』
『トワイライトとかハンガーゲームが漫画的な政治に描いていたのがゲースロは政治性を上げてファンタジーだけど現実の世界とのリンクを強めていった』
『同じ事がマーベルでもやった』
『マーベルは2012年のアヴェンジャーズで人気が爆発したが日本ではそこそこ35億ぐらい』
『アイアンマンはすごく政治的な話』
『完全に作品として覚醒するのはキャプテンアメリカ ウインターソルジャーあたり。それ以降はめちゃくちゃ面白い』
『基本的にはより政治性が上がっていく』
『現実世界がシリアスすぎるからそのまま映画化するのでは追いつかない。ファンタジーと言う物語の力を借りないと時代のムードをキャプチャー出来ない。』
『2010年代後半のマーベルやゲースロはなんでこんなに面白くてレベル高いの?ってぐらい』
『トワイライトやハンガーゲームはまあ現象だよね?って感じだったけど現象じゃなくてマーベル、ゲースロなど重要な作品になった。 』

『一人のピークはワンダーウーマンとブラックパンサーだった。』
『ワンダーウーマンはmetooを象徴する作品と結果的になった 』

『これは重要な事だがトワイライトやハンガーゲームは女性が書いた女性向けなファンタジーをおじさんが監督してる。日本のティーン向け映画と同じ。女性の漫画家が書いて広瀬すずとかが主演して俺みたいな汚いおじさんが監督してる。金のためだけ。結構な率で俺はこんな話には興味ないけど仕事だべって撮ってる。本人はそうとは言わないだろうが出来上がった作品からはそうとしか捉えられない作品が9割 』

『大きく変わったのがワンダーウーマンで女性監督が撮ると言う事が重要視された』
『エンターテイメントの世界が政治化するとはそういうこと』
『ゲイの役をストレートの役者が演じると批判が起きるようになった。それは行き過ぎだとは思うが』
『パティジェンキンスと言う女性監督がワンダーウーマンを撮ることでめちゃくちゃ当たった』
『ブラックパンサーは黒人のヒーローをライアンクーグラという黒人監督が撮って成功した』


『ただ問題もあってそれによってうまくいけばいいけど上手くいかないことケースもある。チャーリーズエンジェルとか。言いませんが。まあ言ってるか。』


『ワンダーウーマンとブラックパンサーがめちゃくちゃ当たった。ブラックパンサーはマーベルでエンドゲームの次にヒットした作品。』
『DCはユニバース化に失敗した』
『マーベルの三年間の計画だとアジア人が主演予定の映画やアジアの女性が監督予定の映画があります。それを見るとマイノリティの映画の作り手や作者を大作で使う流れが続く。』
『マーベルが優秀なのはその都度微調整する』
『作品のスケジュールが飛ぶことはそれこそジェームズガンがmetooでやられてクビになって全部のスケジュールが飛んで三年遅れた。ガーディアオブギャラクシーが一回飛んで数年後に復活した。metooというかポリコレ警察というかネットオルタライト、オルタナティブ右翼の嫌がらせにディズニーが載ってしまったと言う非常に愚かな話ですけど。ジェームズガンの10年前のツイートを引っ張り出して。』
『この時代のおかしなことの象徴』
『そうやってなんか起こるたびに微調整していかのがうまいのがマーベル』
『DCはマーベルよりも視野が狭い 』

『ユニバースという概念を持ち込んだのはマーベルがはじめて』 

『これまでは続編のなのに2ってつけなかったりとかようはこの作品を見る前にあの作品を観ないと分からないと言うのはお客さんにとってハードルだと思われてた。日本は今でもそうだけど』
『向こうでは宿題があればあるほど喜ぶマゾ体質になぅた。ゲースロはシーズン8まであるの!やった!的な』
『マーベルはネットフリックスからだいぶ前になくなった』
『やっぱりテレビシリーズのブームは大きい。二時間じゃ物足りなくなった
ゲースロやブレイキングバッドみたいな映画より面白い作品を見ると物足りなくなる。』
『まあまあ面白い映画を見るとこれたかテレビシリーズにした方が良くない?と僕とか最近思うもん。HBOが作ったらもっとおいしくなったよな、二時間のネタもったいなみたいな』
『そういう感覚を持ってるとマーベルみたいに延々続いていく方が楽しいわけ。マーベルにせよゲースロにせよ長いと言う前にまあ見ようよ。つまんない映画やテレビシリーズもいっぱいあるけどそこ面白いから捻出して
マーベルはウインターソルジャー以降は面白いからそこから見ても良いしゲースロはシーズン1.2は話が鈍いから3から見て気になったら戻っても良い
マーベルはどこから見ても分かるようになっている』
『今後ディズニープラスが始まってマーベルとテレビシリーズが一緒になるので2020年は違う世界になる』
『ディズニー的には違う商売がしたいから仕方ない』

二つの目のキーワード

・フィルム主義のスーパーエリートたち

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『この三人をあげたのは理由がある』
『僕のポールトーマスアンダーソンは僕の好きな映画監督のベスト3に入るがそんなことはどうでも良い』

『2015年の正月ぐらいにタランティーノとアンダーソンが会談し最期にクリストファーノーランにも話を持って行った。デジタル撮影になる中でフィルム撮影にこだわりがあれ三人がコダックに行って今後の撮影スケジュールに合わせて最低限フィルムを作るように契約を結んだ』
『フィルム上映出来なければ変わらないとは言えその契約が今思えば重要だった』
『音楽で言うとジャックホワイトがアナログレコード工場を作った。アナログレコードの2010年代半ばに消えようとしていたが産業を守ろうした。しかし、今ではアナログは売り上げがCDを超えてブームになった。』
『それと同じような事でデジタルになって中でアナログを守ろうとした人。』
『映画に関して言えば彼らが結果的に巨匠になったと言う事実がある。フィルムを守った事で巨匠化した。』
『フィルムを生産してくれてる、調達出来るのは彼らのおかげ』
『マチネのおわりになど東宝のメジャー映画でもたまにフィルムで撮ってる』
『フィルムと言う選択肢があるのは重要。特に映画館で上映する時に』
『フィルム撮影フィルム上映はテレビシリーズとの違いを出せる』
『サムメンデスはノーランと意識しあっている』


『タランティーノはフィルム上映の映画館まで作っている。映画界のジャックホワイト。いやジャックホワイトを音楽界のタランティーノと呼ぶべきか笑』


『ノーランのテメットが今年の最重要作品』
『2010年代はアバターで始まり俺以外の誰もが2010年代は3D映画の時代になると思った、。4DXとかMX4D生まれたがテクノロジーの先には映画の未来はなかった。 フィルムを守った人のが尊敬された。ただアバターも続編があるが。まさかこんな事になるとは思わなかっただろう。』
『ジェミニマンの一秒間に160フレームとか気持ち悪い。』
『人間は一秒間に24フレームに慣れているから』
『4K以上の物を人間は求めていない 』

三つ目のキーワード

・作家の映画最後の砦 A24

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下赤線が宇野先生選定の2010年代を代表する作品
全てA24
A24は製作配給会社


『A24が結果2010年代の映画を守った 』


『メジャーとマイナーの真ん中が実は面白いが真ん中がなくなっている』
『フィンチャー、ゾダーバークなどの映画の俳優が豪華なのは俳優が安いギャラでも出たいと集まってくるから』
『真ん中の作品は無くなってテレビシリーズに移行した』
『インディーはあるけどメジャーはシリーズ映画かリメイクばかり』
『しかし、メジャーの傘下の映画会社が新人監督とかを起用していたがそこがダメになった』
『中国市場の台頭で分かりやすい映画、大作映画、アクション映画とかしかメジャーが作らなくなった』
『フォックスはフォックスサーチライトが頑張っていたがディズニーに買収された。会社の良さを残すとは言われているがディズニーだからどうなるか分からない。』


『去年前ぐらいからA24の話をみんなしだしたが僕は皆さんより5.6年早いので(ドヤ顔)』


『ハーモニーコリンズ、ソフィアコッポラみたいな日本だと90年代人気だった監督が求められなくなった時手を差し伸べた』
『当時の二十歳ミレニアム世代に向けて映画を作った』
『映画が娯楽の王様ではなくなるかも知れない時に若者に向けて映画を作った同じことをしたのがネットフリックス13の理由やストレンジャーシングスなどタブレットした持っていない大学生に向けて映画を作った。A24はそれを映画館でやった。』
『作品のセレクトがまじか?ってぐらい冴えてた』


『エクスマキナ、ルーム辺りでアメリカの業界での影響力を持ち始めてムーンライトでアカデミーの作品賞まで取った』


『見れば分かるようにイケてる映画ここじゃねえ?感』
『同じ監督を継続的に使っていくしかメジャーに監督も送り出して育てる。それをメジャーの傘下ではないインディペンデントでやってしまったのが凄い。』
『あと流行を作ってますからね』
『ポストホラーと言うジャンルを作ったのに等しい』
『ホラーをイケてるジャンルにした。アート系のホラー。』
『僕とかホラー好きだからホラールネッサンスを起こして最先端の表現にしてくれた』
『ホラーを10代がキャーキャー言いながら見る物じやなくて20代のアートスクール通ってる子とか感度が高い子が見るものにしてくれた。めちゃくちゃ重要。』


『とにかく秘密主義でポパイとかが僕と6年ぐらい遅れて注目して取材に行ったら受付の所で受付の写真しか撮れなかった』

『えっ!?A24ってニューヨークにあるの?』


『規模を保っている』
『A24.は会社や作品をブランド化してグッズを売って資金調達している』
『映画の中心はアトランタに移ったようにオンライン化して地の利はなくなったからLAじゃなくてNYにあってもやって行ける』
『日本にA24のよつな会社は絶対無理だね』
『アメリカの若い映画監督が言うのは映画学校に通っている生徒たちはみんなA24かネットフリックスで映画を作りたいと言っている』


『ネットフリックスの映画も重要。アカデミー賞のノミネートのスタジオ別一位はネットフリックスになった』


『もはや映画界はネットフリックスの時代になった』
『A24はアップルと提携したりHBOと組んでドレイクがプロデューサーになってるティーンドラマを使ったりしている。そういう感じでストリーミングサービスと組んでる 』

『2020年の作品 ソフィアコッポラとA24が再び組む 』

『ヤングアダルト小説のスカイを若い女性監督と組むのは時代が一周回ったかんがあるしそれをやるながA24』
『政治化した時代のその先を作ろうとしている』
『A24だからって必ずしも面白いわけじゃない』
『A24は意図的にブランド化していった。若い監督がA24で撮りたいと思わせるのがブランド化の重要なポイント観客よりもクリエイターに向けた戦略』 

『日本映画の問題についてはいま本にしようかと思ってるけどこれをやるといよいよみんな敵になるから (ためて)やらない』



『日本映画がなんでここまでダメになったのかみんな色んなポイントで言いますよ。だけどちゃんと本にする必要があるとは思う』
『日本の若い監督がどこを目指すか。ネットフリックスじゃないですか。海外。』


『こんな話して良いのかな?そこそこの規模の映画の監督でもギャラは二百万ですよ。40代の人なら年相応の生活をするには年に三本撮らないといけない。消耗しきっちゃいますよ。』


『僕も好きな監督いるし好きな監督の作品が年に三本見れるのは嬉しいですよ。でも、そんな生活を何年も続けたらどうなっちゃうの?』
『前はカンヌやベネチアに持っていく政治力もお金もあったけど今ないから。見つけて貰うのを待つだけ。そんなの根回ししなきゃコンペに入れるわけない。是枝さんとかは別ですよ。でも、是枝さんだって仙頭武則さんというプロデューサーが売り込んでたけしさんだって蓮見重彦さんが押し込んだから。若手の監督が海外にいくのは学生の頃から入り込まないときつい』
『映画を作る人は映画と言うフォーマットに真剣。ホラーが流行ってるのは90とか100分がちょうど良くて暗闇で友達と見る映画である理由があるからこそ浮上している。』
『監督になりたいならテレビシリーズのが儲かる』

宇野先生による三つの規定

ナラティブによって規定される 

フォーマットによって規定される

プラットフォームによって規定される 


『mazonはお金を出してサスペリアとかあるがネットフリックスほどブランド化してない』

『ネットフリックスとA24が2010年代後半明確化になっていった』
『映画であることに意識的である必要がある。』

『なぜなら映画はキングオブエンターテイメントではなくなったから。
他のテレビやゲームと違って劇場と言うのもを持っているだけ』

『映画なんて見ないと言う層がまだ出てないのはハンガーゲームやマーベルのおかげ。そうじゃなきゃ若い子は劇場に来ない。 』


『僕の普段やってることや考えてることがすげえ誤解されるんで僕の語り口が本当のことしか言わないから反感を買うからちゃんと本にまとめる必要があるからタナソーさんと組んで作った。視点が1つだけだと片寄るから今のポップカルチャーについて起こってる事について特に音楽に関しては俺より詳しいし。二人で語ることに意味がある。』

『誤解されっぱなしアンチだらけだから。』


批判されてるうちがなんぼみたいな。

『吉笑さんはアンチとかいるんですか?』

『言うと気持ち悪がれるけどぐぐったりすると大伴さんアンチとかいるじゃん。』

『アンチは気にしてないわけじゃないけど相手にはしない。相手するからどんどん大きくなる。けど俺のアンチは相手をしないのにどんどん大きくなる。Amazonとかでも読んでもないのに中傷がある。タナソーさん愛されてるからあんまりないけど。』

『日本映画の本を書いたらぷらすとの人たちも口を聞いてくれなくなる笑』



『バイバイバンプの問題は日本の映画の問題を凝縮している』
『2010年代は悲しいことにヤングアダルトムービーとティーン映画ぐらいしか世界とリンクしてない。』

『2010sはこれでもタナソーさんのカタカナをだいぶ日本語に戻した。戻してもカタカナで返ってくる笑』

『キャプチャーとかタカソーさんの口癖移ってやばいなって笑』
『ネットフリックスとマーベルとゲースロの章は音楽よりも読みやすい』

『映像しか興味ない人でも後半は読めるはず』
『タナソーさんみたいに反論してくる人もいないから笑』
『ナラティブ、フォーマット、プラットフォームを3つ提示させて頂きました 』


【総評】

宇野先生節が炸裂してて宇野先生ウォッチャーには必聴の回でした。

とくにいいのが最初に

・自分の好きな作品の話はしない

・アカデミー賞とか賞の話はしない

・日本でどうとかの話はしない

と言ってるのにガッツリしてる所です。

話し出すとそのあたりは忘れてしまうのか、実は突っ込み待ちなのに突っ込んでくれなかったのは分かりませんが流石の宇野先生でした。

2010sが売れてるそうですねと言われて謙遜しないもの流石宇野先生。

あと今回は特にA24は俺は世間よりも数年前から注目してた自慢をする宇野先生。流石の自己顕示欲と虚栄心ですね。

しかし、A24を誰より詳しいアピールしてるのにA24がニューヨークにあるのを知らないという宇野先生。ジョークなのか何なのか分かりませんが面白いです。

そして相変わらずの日本映画への批判。流石に的確な批判だと思いますしその辺り忖度しないのは宇野先生の良い所ですね。皮肉ではなく。

あと一番良いのは

『宇野先生アンチを語る』です。

吉笑さんに「吉笑さんってアンチはいるんですか?」という質問をする宇野先生。流石です。

基本的には宇野先生自身は自分の発言は誤解されてるからアンチがいると思っているようです。

誤解されてるのは分かりませんが宇野先生は良くネットで叩かれているからこそ私の宇野先生考察シリーズもそこそこ話題にして貰えたのも事実です。

私は別に宇野先生の発言を考察してるだけでアンチではありません。面白いから見てるだけです。水曜日のダウンタウンで安田大サーカスの黒川氏をキモイ~いや~とか言いながら喜んで見てる感覚に近いと思います。


今回一番流石若い女の子好きの宇野先生だ。。。

と思ったのは

宇野維正先生 ぷらすとガールズ 

大伴理奈さんのアンチがいるかネットで調べる


という行為でしょう。まさに東京の女の子どうした?

マインドではないでしょうか。

こんな感じで今回は第十回目に相応しい良い回でした。



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