宇野維正先生考察第五十一段 三原勇希 × 田中宗一郎 POP LIFE: The Podcast 編 3rdクオーター音楽総括回で本人も反省するほどあれて各所に牙を向く宇野先生編
今回の宇野先生考察も三原勇希 × 田中宗一郎 POP LIFE: The Podcastからです。7~9月の3rdクオーターの音楽総括回からです。宇野先生が思わず反省してしまうぐらいキレキレの宇野先生が久しぶりに登場です。ではピックアップしていきます。
『はい、映画音楽ジャーナリストの宇野維正です。』
『私のレコメンドは①カニエ・ウェスト『ドンダ』、②ラウ・アレハンドロ『ヴァイス・ヴァーサ』、③LEX 『Logic』』
『イギリスが面白い?あの島国のねえ。良く分かんないなあ』
『あんまお洒落な音楽とか興味なくてさあ』
『タナソーさんがカニエとドレイクについて語るときの「俺はロック側の人間なんだけどロック側の人間からすると〜」って言うスタンス、腰引けてんなーって』
タナソー「それは俺がラップに興味がなくなったから」
『キッドラロイはジャスティンビーバーのおかげもあるけど久々に日本でも大流行りした感じだよね』
『キッドラロイのステイはバッドガイ状態だよね』
『キッドラロイはまあ楽しく聴いてるよ』
『キッドラロイのイギリスでの受け入れら方はオアシスだよね』
『K-POPなんてインダストリープラントそれだけだからね。それだけなんて言うと怒られるか』
『キッドラロイは華があるからね。フェスとかでシンガアロングさせる事ができる』
『 Playboi Cartiのアルバムは出た瞬間から最高だと思ってたし時代を変えるアルバムだと思ってるからね。タナソーさんと違って』
『でもライブで観ると全然良くないじゃん』
『オリヴィアロドリゴとか1秒も聴けないからね。意味が分からなくて』
『余りにもnot for me過ぎて。』
『ビリーアイリッシュは大好きだけどオリヴィアロドリゴは全く興味ないのはなんなのか?とは思うけど全く解明したいとは思わない』
タナソー「俺はオリヴィアロドリゴが出てきて更にビリーアイリッシュへの興味がなくなった」
『音楽は単純に自分の内側に入ってくるかどうか』
『頼まれれば書くけど自分でこれを解説しようとかは思わない。オリヴィアロドリゴは自分に聴く空間がなかった』
『タナソーさんとかさやわかさんとかがもっとラップについて言うべきだと思う。クソなファンダムに遠慮してんのが本当に意味分かんない』
『あいつらに語る言葉はなくても違うファンダムを作れば良いのにそれを誰もやってこない結果がLEXとかがちゃんとメディアに取り扱われない感じ。それなのに聴かれてるみたいな』
『ヘッズに対する遠慮をいい加減やめるべき』
『すげえ分断感じるけどね。YouTubeとかで翻訳付けたり解説したり発信してる人達は良いとおもうのよ。それとオーソライズされたラップの語り手の間に分断を感じる』
『数年前のフリースタイルダンジョンで的確な事を言ってるのに叩かれてるさやわかさんを見て頑張れ!って思ってた』
『クリピーナッツは凄いとは思うよ。でも、彼らが唯一無二でトップになってる上記はなかなかやばいと思うよ』
『ハードロックやヘビメタの時代と変わらないじゃん。技術信仰と言うかテクニック信仰と言うか。オェーって感じですよ』
『クリピーナッついて書いてくれって言われることあるけどぜんぶ断る。何故なら好きじゃないから。さっきの言葉で言うなら生活のなかで聴がないから』
『未だにヒップホップで問題が起きるとジブラさんや宇多丸さんにコメント求められるみたいな。えー!みたいな』
『さやわかさんと話し合うね』
三原さん「黙ってるからって共感してるわけではないですからね」
『俺は誰も何も言わないことにただただビックリしてます』
『日本のヒップホップメディアはMURVSAKIのことについては何も言わないのに、海外のラッパーのスキャンダルにはあれこれ言う訳でしょ?ダッサ』
『俺は最近レゲトンしか聴いてないからどうでも良いんだけどね』
『熱中はしてるけどサポートする役割は自分ではないと思ってる』
『現場主義は自分の見た現場だけで判断してしまうと言う問題はある』
『フィニアスとビリーの二人は本当に凄かったんだなと言うのが2ndでわかった。ビリーのシンガーとしての凄さが2ndで更に分かった』
『2枚続けてクラシックを作ったんだなと僕は思ってます』
『二人は若さがあるから曲が書けるんだなと思うよ。』
『アメリカはコロナは終わったことにすると決めた。それが絶対正しいと俺も思うんだけどさ』
『日本のアーティストはそこまでいけてなくて可哀想』
『カニエの弱点は声だと思う』
『ドンダはカニエのボーカリストアルバムとして最高だと思う』
『声のアルバムとして最高だと思う』
『ドレイクの最大の良さは声だと思う』
『ドンダはダントツで一番聴いてる』
『オートチェーンの季節は終わった気がする』
『どちらもリルベイビーの曲が1番聴かれてるのは色々考えてしまう』
【寸評】
宇野先生の矛先はオリヴィアロドリゴからK-POPから日本のラップメディアから日本のヘッズ、ヒップホップファンダムにといろんな所に飛んでいて久しぶりに牙を向きまくる宇野先生が登場です。
宇野先生の意見に同意するのは日本の技術信仰、テクニック信仰についてですね。まさに日本では昔からテクニカルなメタルバンドやハードロックバンドがやたら信仰されてましたが、確かにヒップホップ、ラップでも音楽以上に韻の踏み方、強いていればMCバトルでの強さがラッパーとしての価値そのもののようになってるのは違和感を感じます。
『はい映画音楽ジャーナリストの宇野維正です』
『複雑な曲あんまり好きじゃないからね』
『あっ、直前に聴いたんですけど』
『なんかあれだね。最近、僕は映画回に比べて音楽回は不真面目かも知れないね』
『音楽が余りにも自分のテイストで完成されてるから。音楽は車で聴くから』
『車で聴く、ハッパ吸いながら聴く事が海外では前提になってる物が多い事を忘れてはいけない』
『リトルシムズ聴いても、ああオシャレな音楽だなみたいな』
『車で聴くには低音が足りないよ』
『近くのカフェで仕事してたら凄い音楽流れててShazamしたらリトルシムズだった。なるほどこのシチュエーションにはハマるんだなと』
『でも、ビリビリって言わないじゃんドレイクみたいに』
『ドレイクのビリビリの曲はビリビリよ』
『サウスロンドンのクラブとか行くと狭!って思う。俺にとっての憧れの場所ではない。アトランタみたいな』
『ドンダ1位だよ。1位だよ』
『コロナというかパンデミックは時間の感覚が分からなくなる』
『自分の世界で従属される。』
『聴かないもの聴かなくなる。ライブにも行く数も減るし』
『新人はこの最近キツいってレベルじゃないよね』
『いまはネット発しか出て来れないからレコード会社もそこに力を入れてるからシーンの商業化が進んで気がする』
『オリコンもMステもビルボードも何も機能してない』
『TikTokで流行ったとか警戒しちゃうし関係ないと思っちゃう』
『(sic)boyはもうアンダーグラウンドでもなんでもないからねめちゃめちゃ人気アーティストだから。分断されつつもそっちがどんどん大きくなって2、3年後には風景変わってるのを望みたいねー』
『藤井風の話題、広がらないねえ。やばいなあ』
『彼にスター性があるのは分かりますよ。スターだなあって言うのは分かる』
『僕はルッキズムの概念をポップミュージックの中で否定的に捉えるのは愚かだと思っていて』
『藤井風、見たらスターじゃん。手足長くて、声が良くて。真実としてミュージシャンって声と顔でしょ。って言うのをずっと言い続けていて。顔はハンサムとか美人とかじゃなくて、俺が中学生の時だったらプリンス。当時は気持ち悪いと言われてたけど、今ではかっこいいと言われてるじゃん。星野源とか米津玄師もそうだけどかっこいいの概念を変えていくこと。ボウイの映画のスターダストでもそうだけどジギーになる前のアメリカで馬鹿にされてた時代なボウイを描いた映画なんだけど、どこかでこれがかっこいいと確信することによって説得力を持つ瞬間みたいな。そこに至るまでの道の映画だけど、俺が信じてるのはそこなんですよね。だから、なんかいま顔ファンとか言うとそれを言うことによって叩かれたりとかさあ、それを恥じたりとか俺なんかは全部がちゃんちゃらおかしくて。全然恥ずかしい事でもないし、それが非難批判になってる事自体がおかしいと思うんだよね。それは前置きなんですけど、今世界で声と顔が一番かっこいいと思ってるのがバッドバニーなんですよ』
『バッドバニーからレゲトンしか聴かなくなった。一番、顔が良くて声がいいのがバッドバニーだという価値観に変わった』
『レゲトンは世界最大級の音楽だから知らないといけないと思った』
『単純にセクシーだなと思った。クリスブラウンをセクシーだなと思うような。俺はクリスブラウンが一番好きだからさ。アイコンとしては』
『クリスブラウンてさラテンアメリカでめちゃくちゃ人気があるのよ。』
『そのラインが日本では余りにも薄いなとは思う』
『アレハンドロのかっこよさはよりラテン的な価値観』
『全然知らない言語の音楽を大量に浴びる体験って楽しいじゃん。洋楽の聴き始めみたいな』
『俺、仕事でやりつもりはないけど仕事とあれば何かを書いたら話したり出来るよーぐらいには仕上がるよね』
『インザハイツの反省もあったの。インザハイツでラテンのビートの解釈がいかに難しいか感じた。間違いを指摘されてそれでちゃんと勉強しないとなと思った』
『ヒップホップやラップにも感じてるけど、大きく一つのカルチャーがメインストリームになった時に新しい言葉を持ってる人が凄え少ないなと思ってる。15年前ぐらいで止まってたり、Wikipediaの更新すら日本は遅れてるじゃない。多分、もう日本語である必要はなくなっていくとそもそもの自分の仕事のアイデンティティの問題でもある』
『最悪なのはググった時に自分の書いた記事が一番上に来ること。何度も経験してるけど』
『これについて知りたいのに、俺かーいみたいな』
『自分の音楽を広める上でもう文字を必要としていないのかも知れない。だから半分は俺が書いてる事が的外れと言われることもわかるの』
『みんなお金にならないからやらないんじゃないですか?まだリトルシムズとかはビートインクがTSUTAYAとかにコーナーを作ったりしてる。ビートインクは面倒見が良い。サンダーキャットやフライングロータスとか。ちゃんと金かけて呼んで、ちゃんと記事を作られせて。もちろん前提音楽が良いのはあるけど。ちゃんと形にはなるじゃん。そこには文字もありみたいな。リトルシムズもちゃんとアナログ作ってコーナー作ってみたいな』
『こう言うケアをしてる所が少なくなっていてどうしてもんかな?とは思うけど』
『今日もツイートしたけど、Netflixのオリジナルコンテンツ観てるのが全体の視聴者数の15%以下みたいなさあ。みんな何を観てるかと言えばライセンスされたアニメ。アニメが四割。どこのプラットフォームでも観れるやつ。全体の七割が既に国内の既にあるコンテンツ。』
『どうしようもないから俺はレゲトンばっかり聴いてる。それはある種のニヒリズムもあるなのかも知れない。プエルトリコにいる気分になったりしてね』
『全部同じビートが楽になってる』
『何故ならそこに俺の好きな顔と声をした男がいるから、女でも良いんだけどね』
『俺は先週のドゥーンに焦点当てすぎててね』
【寸評】
フルで聴くと分かるのですが今回の宇野先生はタナソーや三原さんのレコメンドをほとんど聴いてない、もしくは軽く聴いただけでレゲトンばかり聴いてるようです。でも、一番聴いてるのはカニエのドンダ。
音楽回で余り真剣ではないようです。宇野先生がクリスブラウン好きなのは知りませんでした。私も彼が犯した過ちはともかくクリスブラウン好きなので、ああそうだったんだという気持ちです。
宇野先生が言ったルッキズムの概念をポップミュージックの中で否定的に捉えるのは愚かだと考え方は今はなかなか言えない時代だと思うので難しいですが、手放しで賛同は出来ない時代ですが、私も宇野先生と同じくスターが大前提として好きですし、気持ちとしてスターはカッコいいからスターなんだと言う思いも古い人間だと言われてもありますね。難しい問題です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?