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宇野維正先生考察第四十段 三原勇希 × 田中宗一郎 POP LIFE: The Podcast aiko回 後半2エピソードの宇野先生で過去のaikoについての原稿を弄られ続ける宇野先生編

今回の宇野先生考察は前回のaiko回の続きの後半2エピソードです。前回は控えめな宇野先生ですがだんだんと話のギアが入ってきて宇野先生らしい発言も結構出てきます。特に今回のハイライトはロッキングオン時代のジャパンのaiko特集の原稿を弄られる所でしょう。ではピックアップしていきます。



#153 aiko全アルバムからベスト3枚を選んでみよう(無理) Guests: ぽっぷ(リトルペンギン社)、宇野維正



『僕は「秋 そばにいるよ」と「暁のラブレター」をこのタームが多分時期的に一番どハマしてた2002年から2003年にかけて、単純に客観的な評価とかではなく自分のバイオリズム的にこの二枚のアルバムはとにかくそのaikoのすごさに打ちのめされてリアルタイムで、タナソー さんは言ってみれば後追いな訳じゃない。この二枚はバイオリズム的にも凄くパッと、単純に一番よく聴いてた2枚かも知れない』


『今日、会う前にぽっぶさんにメッセージを貰ったけど「秋 そばにいるよ」はロッキングオンジャパンでレビューを書いてましたね。って言うのがあって、唯一のaikoが表紙の号なんだよね。これから出る事なく』


『さっきの話で言うとプライド云々は関係なくまあコントロールフリークですよ。コントロールフリークと当時のロッキングオンの編集方針は合わない訳でそれは、うん

タナソー 「最近、アルバム出る度にプロモーションの媒体変えるんですよ」
『最近、そうだね。Quick Japanでやってるもんね』
『音楽と人とは毎回やってるじゃん』
『だからレギュラーメディア、プラス毎回お試しメディアみたいな感じなのかな?と言う感じには見てるんだけど、当時のロッキングオンジャパンは部数的には圧倒的にトップだったので、そもそも試されるものではないと言う前提があって、他のメディアとの力関係で言えば試されるような物ではないはずなのでうまくハマってくれれば継続的になっていくはずだけどならなかったと言うことは、これはちょっと「1998年の宇多田ヒカル」の中でもちょっと触れた事なんだけど。と言うのが当時リアルタイムでね編集部にいて感じたことよ』

『ちょっと僕何が書いてある読んで良いですか?せっかくぽっぷさんが持ってきてくれたので、みんな話してて良いので。』
タナソー 「読み上げましょう」
『いやいやいや、絶対無理』
三原さん「私さっき読まして貰いましたよ。さっき宇野さんがaikoに関してはこうしか書けないって言う事が書いてありました」
『そっかあ。誠実だな俺は』


『一人称、僕だ、キモい』
タナソー 「あなたはある時期のロッキングオン文体を代表してましたからね」

『一人称はソーシャルでは俺、文字では自分』

『しゃべりとかでもたまに僕って出ちゃうと自分でツッコミますね。「僕って言っちゃったとか」とか』

『読まなくて良いですよ。これはしんどいなー。これは無理だ。20年前でしょ。無理無理無理」


タナソー 「たすけてたすけてって書いてあるんでしょ」
『書いてない。書いてない』

『無理矢理無理。絶対無理。信じられないぐらい酷い文章』
タナソー 「この時期のあなた文章はフックあるけど酷い文章山ほどある。宇野維正のげんこうフックあるけど酷いなあと思ってたもん」
『この文章きついなあ』
タナソー 「この文章だめですね」
『ダメダメ。言っちゃって良いですよ。ダメダメ。』
タナソー 「なんていうんですよかね。自信がないのに威張ってる文章って言うんですか」

三原さん「最悪ですね」
『自信がないよ。常にaikoに関しては』
三原さん「本当に普通にファンって感じですね」
『そうなんだよねー。本当に自分で読んでて落ち込んだわ。本当に酷かった。』

『結局、中に入っていってないんだよね。チャネリングタイプだからさ。憑依型だから。』
『絶対にaikoが入って来てくれないし、入れないって感じがあるよね。その後ろめたさが出まくってるよね』

『完全にいま自信を失っちゃったな』
三原さん「テンション下がっちゃった」


『僕は前に本を書いた時もそうなんですけど基本的にはくるりに対しても、小沢健二に対してもそうだと思うけど、世の中の定説みたいなものが活動としてるとあるじゃないですか。そこで抜け落ちているものだったりとか、そもそも定説自体が間違っているものだったりとかを、まず指摘して新たなテーゼをそこに提示するというのがアーティストに対する批評スタンスなんですよ。自分のね。それがaikoに対しては全く通用しないのね。それが伝えきれない、伝わらない問題がありましたけど、アルバムタイトルも色んな解釈が出来るんだけどとはいえaikoはファンからは多分、理解されてると思うんだよね。誤解されてる人ではないと思うんだよね。それは1回目に言った例えば自分のパートナーがaikoに対して偏見を持ってると言ったのとは別の話で、ファンに関してはaikoのこと理解してる。そこに自分の違うテーゼを関係性が密すぎて挟む余地がないんだよね。』
『ていうのが多分、自分がアプローチしにくい理由の一つだと思います』
『俺、思い出したラブレターはブルータスで書いたな。ポップソングの歌詞の号で「宇野さんなんか書いてください」って言われてそんなもんaikoだよって。その号のタイミングのラブレターについて書いた記憶がある。それはさっきのロッキングオンジャパンよりはちょっと成長してると思うよ。
2002年のは本当に酷いね。この時はワールドカップの事しか考えてなかったんだろうね。』
「ラブレターの歌詞の完成度は本当に凄いよね。逆にこう言った完成されたものが出来ちゃうからこその最近の作品なんだと思うんだ』
『俺もさっきの文章、神、神、連発してて酷いけど、一応言っておくと何かを褒めるのに神、神と言われ出す前だからね。神曲とか言われる前だからね』
『最初、神曲って言葉を見たときダンテの神曲のことかと思ったもんね』
『そういうボキャブラリー的な神がここまで安くなってる前ですから。これで20年前の弁解をしてもしょうがないんだけど、ダメージ受けちゃったんで』
タナソー 「20年前でアーティストに神とか言ってる時点でなしだよね」
『なし。なし。』

『花火のイントロは完全にブレイクビーツだよね』
『aikoのファッションとかもある種ストリートの走りみたいなもんだよね。女性シンガーがストリートっぽい格好するのってそれ以降いっぱい出てきた言ってみればaikoフォロワーみたいなもので、彼女が出てきたとかは新鮮だったんだよね』
『ちょうど芸人で言うとダウンタウンの浜ちゃんとかも女の子版じゃん。関西のおしゃれな女の子、関西のおしゃれな男の子みたいな。』
『あのムードも含めてブレイクビーツの感じとかもあったんですわね』
『タナソーさんは当時聴いてないくせに良くわかるね』
『大阪のアメ村とかを闊歩してるイメージ』
『タナソーさんは全く見てないのに見てきた来たかのようにいう』
『僕もシングル単位で聴くからパッとどのアルバムとか思いつかないけど「彼女」は凄いね』
『さっき僕が言ったようにaikoはファンに誤解されてないからアプローチしにくいんだよ』
『高校生の感性で「彼女」を聴くとか想像できないなあ』
『aiko本のaikoの好きなアルバム30選は結構オーセンティックなセレクトだよね。カーペンターズとか』
『たしかに同時代の海外のポップミュージックからのリファレンスは近作は少ないけど、少なくともある時期までのaikoさんは本質的にはリスナー体質なんだよね。天才だから天才肌で語られがちだけど、もちろん音楽の学校出てますもんね。大阪音大』
『あのセレクトはちょっと謎解きだよね』
『有名なシュガーベイブの今日はなんとかのカバーとか最高だもんね。たまに動画とか上がってるけど』
『昔はラジオとかでもカバーしてたよね』
『aikoは人の曲をカバーしてた割には人にカバーさせないんだ』
『カバーをして良いしてはいけないと許可をどこまで取る必要があるのかって話はあるけどご存知の通り音盤化されてるものは一つもないんですよ。オファーしても断られます。これは同時代に同じ国で活動してるアーティストの礼儀として、お金を払えば良い訳ではなく、許可を伺うのが慣習化しておりまして、その慣習に乗っ取って聞くと絶対NGだって話は聞いたことあります。それは引っ張りますけど一回目で言ったプライドと言うのに繋がってます』
『少なくとも記録には残させない。音盤化はさせない。それを徹底されてるのは珍しい。あれだけ有名な人でカバーを存在しない人ってなかなかいなくない?みんなお金になるからね』
『最近、ちょっと下火になってホッとしてるけど若手の俳優がカバーして、日本の広告代理店好きじゃん。そういうのないからね』
『だけどそういうものファンの信頼になってる。もしかするとファンを大切にしてる気持ちからカバーさせないのかも知れない』
『本当に好きなアーティストのカバーって全然嬉しくないからね』
『一番凄いのはaikoだけど、一番好きなのは隠そうともしない小沢健二なのね。aikoのが凄いけど。俺、小沢健二のカバーとか何一つ興味ないからね』
『他の人が歌うとちょっと不快なぐらいなんだよね。それはもちろんアーティスト本人は嬉しかったりするけど、例えばオザケンはカバーされるの好きだから許すけど。ファン心理としては全然嬉しくないんだよね』
『レディオヘッドもリリック大きいけど、歌詞の重きが大きいアーティストだと感じるかな?いや違う。好き過ぎるんだよ。好き過ぎるから他の人にやることに本当に興味ないんだよ。だから、けどなんとなく三原さんも分かるでしょ?』
『そういう気持ちにファンをさせたくないのかな?と思う。責めてる訳じゃないけど。でも、自分はカバーするよねとは思うよね』
『ある時期の、例えばドレイクがシャーデーのタトゥーを体に彫ってるみたいな感じで、時代が一回りしてシャーデーがいまのラップとかR&Bのアーティストのミューズになったかのような時期がaikoには来てるね』
『作品のペースが落ちないからレジェンド感は出ないけどレジェンドなんだよね』
『ミルクの特に話題になったけど活動11年にして初の一位取ったって』

『僕はー、僕って言っちゃったね。』
『それはちょっと恥ずかしいこと言う時の一人称は僕なんだよね』
『aikoって常にナンバー2なんだよね。自分にとって』
『その時代ごと一番入れ込んでる女性アーティストがいるんだよね。ちなみに今はずと真夜のACAねちゃんだから。ずと真夜も転調の仕方、詰め込み方とかaikoの影響あるよ』
『オスタープロジェクトの話になった時にずと真夜もキーになってるのはボカロ出身のアレンジャーだったりするなんで、ずと真夜はaikoがやりかけたことをやってる感があるんだよね。』
『一番の人はいるんだけど、二番は常にaikoなわだよね』

タナソー 「俺もつまんないこと言うと」
『ごめんね、つまんないことだったね』


『ちゃんとアーティストの名前出るでしょ。俺』

『aikoに関してはキャリアプロデュースは出来てるよね。』

『aikoのアルバムってなかなか最終曲まで至らないんだよね。はてちゃって』

『aikoはベストアルバムを出さない最後のアーティストみたいになってた中でまとめ1、まとめ2を出した節目のアルバムなんだよね。「時のシルエット」好きだね僕も』

『僕にとっての戦場のメリークリスマスみたいなもんだ。大島渚ってこんな監督なんだって。いまの例え本当に俺にしかわからなかったな』

『ポップミュージックにおけるストリングス問題って言うのがあって。俺も分かんないんですよ。ある意味安易な方法じゃん。もちろんストリングスだって千差万別だから安易なストリングスもあれば重奏的なストリングスもある。けど、なんか例えば小林武史みたいなプロダクションみたいなものが90年代にストリングスによってJ-POPのスタンダードを作っていったって流れがあるじゃないですか。』
『けどべつに小林武史が目立つだけでaikoなりの島田さんとのストリングスのやり方ももちろんあるし、例えばMISIAとかもブレイクポイントでストリングスがあってライブとかでそこを見せ場にするしオザケンとかも筒美京平リスペクトなストリングス隊の使い方とあるけどどうなの?』

『それはオアシス経由でもあって90年代流行ってて、それはある種エピゴーネン的な曲、アレンジもaikoの曲には散見されて、ちょっと古くさく感じるのはその辺の曲だったりするんだよね』
aikoは90年代の後半とか00年代の頭はオアシスの代わりに聴いてましたから。発声も母音を伸ばしでリアムっぽい歌い方も時期もあったしオアシスがいまいちのアルバムだからaiko聴こうって感じでしたよ』
『それが今の耳で聴くとトゥーマッチJ-POPな感じがちょっとしちゃうんだよね』
『ミュージシャンはaikoの凄いさ分かるよね。』
『僕は「暁のラブレター」なんだよね。本当にその時期、自分がなんだったのか?と言うのが大きい気がするから分かんないんだよね』
『僕は「秋 そばにいるよ」と「暁のラブレター」と言うのがどうしても1番聴いた作品として二作来ちゃうので。最近の中では「時のシルエット」は好き』

【寸評】

宇野先生の謎のaiko≒オアシス論はスルーしますが、今回のハイライトはロッキングオンジャパンでのaikoのレビューについて弄られまくる宇野先生でしょう。いつも自信家の特に文章に関しては自信家の宇野先生が素直に自分の文章はダメだと認める珍しい回です。かつて「俺がこの業界で唯一のミスはスターウォーズのエピソード8を褒めた事だけだ」と言っていましたが映画ではそれだけでも音楽では意外と多いのかも知れません。

宇野先生と私の共通点は小沢健二とディアンジェロが本当にフェイバリットだと言う事なのですが、小沢健二のカバーが嬉しくないは分かる気がします。倖田來未のラブリーにでんぱ組の強い気持ち 強い愛にと…

しかし、本当に新曲のウルトラマンゼンブをカバーして同じ時間に出してほしいと言っていますし本当にカバーされるのは好きなのでしょうね。









#154 aiko作品の政治性について語り出し大後悔 Guests: ぽっぷ(リトルペンギン社)、宇野維正



『映画音楽ジャーナリストの宇野維正です』
『子供の進学とかがプライオリティ1番ですよ』
『例えば不倫している女性がいるとしてそう言う人が聴くaikoは全然違うあれを帯びてくるんでしょうね』
『僕がaikoに感じるいくつかの違和感の一つはジャーナリストに厳しいくせに芸能には甘いなと言うのはあるな。』
『aikoは芸人とか好きじゃん。凄いファンとの関係は特別だけどメディアとかに対してはガードが硬い感じがあるけど、ナインティナインとか芸人さんに対してはノーガードでいくじゃん。あれとかは僕がメディア側の人間だからこそのある種の嫉妬なのかも知れないけど、孤高のアーティストであって欲しいと言うこちら側の過剰な期待を簡単に裏切られるなと言う。メディアに対してガード硬いんなら他でもガード硬くあって欲しい。比べちゃうけど椎名林檎はそんなじゃれ合いはしないじゃん。裏では分からないけど少なくとも表では。それをあえてイデオロギーと言う言葉を使うなら僕は日本の芸能界を凄いイデオロギッシュな物だと思ってるから。あんなイデオロギッシュな物はないと思ってるから。そこかな、タナソーさんに言われて思うのは』

タナソー 「aikoが選挙でどの政党に入れるのか全く分からない」
『音事協だから自民党じゃない?って勝手に思ってる』

『俺は自民党を右だとは思ってないからね』
『僕はタナソーさんよりも日本芸能界について興味も関心も知識もあり、反感もあり共感もあるのでちょっと違う見方をするかな。例えば椎名林檎がオリンピックの委員会とかに関わってることに対して体制派だとか保守派だとか言われるじゃないですか。僕はあんまりそうは思わない。むしろaikoの方が体制派、保守派な感じが。オリンピックの組織委員会というかグループよりもむしろ芸能界のがよっぽどこの国の保守を代表してると思うので僕はそう思ってる。ちょっと分かりにくいからかも知れないけどニュアンスは伝わるでしょ?椎名林檎とかはそれで責められすぎてる感じはするよね。分かりやすいからさ。そこは凄く両儀的なのに、両儀性を見ない人が多すぎる感じはするよね』
『やっぱりaikoファンとしてね、常に「カブトムシ」と「花火」と「ボーイフレンド」をもとめられる訳じゃん。テレビ番組で。2、3曲歌う中の一曲ならまだしも。それでもトゥーマッチだけど。下手したら一曲しか歌えない時にもそういう物を求められる訳じゃん。まあだから僕がaikoぐらいの才能があったら絶対そんなの跳ね除ける訳。そんなオファーしてくるオファー自体がクソな訳だから。明らかに何百回も塗り替えてる訳だから。もちろん花火もボーイフレンドも良い曲だけど。そういう所でaikoがレジストしない所が歯痒いけど、それこそがaikoなんだろうし、もっと言えばどうでも良いんだけど紅白とかに落選した時に絶対色んなこと思ってると思うけど表面的にはちっきしょーって言って弱者を装う。紅白にaikoを選ばない方が明らかに劣っているのに彼女は被害者っぽく共感を求める』
『ツイートがちっきしょーだった。ユーモアと共感でそこを切り抜ける。だからこそまた紅白に呼ばれる事もあるんだけど、それが和田アキ子だったら色んなところで文句言う訳じゃないですか。それをしないし、和田アキ子と比べるのはなんだけど。俺、意外と和田アキ子好きなんだけどさ
『そういうなんて言うか体制に対して絶対盾付かない安心感を与え続けているのはどうなの?とはちょっと思うよ』
『ライブと言う特別な場所があるから他は割り切れる所はあるし、継続的に曲を出し続けているが故の自負があるからこそ逆に代表曲を求められてもやるって言う所ですよね。5年ぶりにアルバムを出した時に代表曲やれと言われたらえっ!?と思うかも知れないけどコンスタントに出しているが故やれる所もあるのかもしれないよね』
『見え方としては代表曲を歌わされると代表曲しかない人と横並びになってしまう。なんならメディアとかでは表紙とかを求める人だけど音楽番組とかだと割と出順とか言いなりだなと思う。メディアの人間からしたらメディアであんなにコントロールフリークなのに、芸能や地上波には甘いね!と言うのはあるよ』
『権威に弱いとまでは言わないけど犬だと腹見せる感じだよね。言葉が悪いな』

『イデオロギーは感じますよ』
『反論して反論して』
『本人だけじゃなくてスタッフの意向もあるだろうし出てる現象を本人のパーソナリティに結びつけるのは短絡的なのかも知れないけど』
『けどだって雑誌だったら表紙条件だと思うよ』
『僕は映画とかテレビドラマとか観るじゃないですか。僕は安易なタイアップとかには物凄く厳しいですよ。と言うのは特にテレビドラマ、映画もそうですけど。日本の映像界の才能と音楽界の才能って全く釣り合ってなくて、本当に映像界には天才は凄く少ないですが、音楽界には割といます。結果、何が起こるかと言うとテレビドラマがゴミみたいなドラマなのに主題歌だけが凄く良かったりする誰が得してんの?って無到着なタイアップ。その代表がaikoですよね。はっきり言うと。それは多分、僕がaikoだったら自分の才能分かってるから特別な作品にしか曲提供しません。そういう事ないよねaikoは』
『タイアップは精査されてる感じがしなくて芸能行政に忠実というか素直と言うか。』
『作品に寄せないよね。提供って感じだよね。』
『作品の純度は守った上で割と無到着』
『aikoのタイアップがついたらドラマとか見る必要ないものがほとんどだと思う』
『聲の形は比較的成功例だね。それは10本やれば1本当たるよって感じ』
『宇多田ヒカルははっきり言ってタイアップは相当無到着だと思ってますけどね。もちろんエヴァンゲリオンみたいなどハマりするものもありますが』
『宇多田ヒカルはそれぞれに誠実であろうと言う努力はする。有名な話だと自分が食べないもののタイアップはしない。そこの原則だけは守ってる』
『悪いことばかりじゃないんですよ。去年はリモートだったからしょうがないけど僕は紅白で別ステージを用意させるアーティストって超ダサいと思うの。生のオケでNHKホールでやるから紅白でそれが嫌だったら出るなよって話ですよ。何人か明確にいるけどやり始めた事によってようするに我儘が聞くことがアーティストのステータスでそのステータス競争みたいになっちゃったんですよ。ある時期から紅白って。aikoが別スタジオで特別なロケーションでやりたいってやる図とか浮かばないでしょ?それはむしろ好感ですよ。権威に弱いんじゃなくて、ある種の強かさとそこでなんか自分の力を誇示しないaikoの良さはあると思うのよ』



三原さん「ぽっぷちゃんに聞きたいことがあったけど聞く気なくなっちゃいましたよ」
『ごめーん。さっきからタナソーさんと僕がaikoを巡って好き勝手なこと言ってもどんどん三原さんのパワーゲージが下がっていくのが』




『ぽっぷさんが狙ってるのはもの言う株主。狙ってるポイントは堀江みたいな所ですね』

『僕も少なくともそういうタナソーさんみたいなマインドの時期はあったけど早々と脱却しましたよ。』
『タナソーさんはaikoのおかげで更生出来たんですね』

『三原さん気を取り直して聞きましょうよ』



『aikoをリアルワールドに引き下ろすなと』
三原さん「aikoがどう思ってるのか分からないのに勝手なこと言うなと思ってましたよ」
『全くその通りですよ』






『色んな意味で誤解を恐れない人なんだよね。誤解もされてるけどそれはファンからじゃなくて大衆からは。でも、そこはファンがいるから大丈夫。その構造っていそうでいない。ファンダムとの距離とかaikoが出て来た時より今の方が重要視されてる事じゃない。でも、いそうでいないよね、あんな理想的な関係は。長期的続けてる』
『いわゆるよく言われてる信者って言葉とも合わないじゃん。椎名林檎とか小沢健二とかだと僕は肯定も否定もしないけど信者って言葉を使われがちじゃん。そういうのとは違うもんね』
『プリンスのペイズリーパークのライブの雰囲気と似てるよ』
『プリンスはちょっとでもYouTubeあがると自分の判断で消してるんじゃないか?と言うぐらいのコントロールフリークだし』
『パープルレインとカブトムシをいつでも求められる所とかね』
『西寺郷太君は宇多田ヒカルはマイケルで、椎名林檎はプリンスで、aikoはジョージマイケルだって言ってた。舐められがちな所がね。舐められがちなんだけど実は音楽的な体力がめちゃくちゃ凄いみたいな。アナロジー難しいね』

『aikoの歌詞の相手への好き度は特別』

三原さん「aikoみたいに苦しいと思うような恋愛はしてなかったのかな?と」
『三原さんは恋愛強者としてね。エンジョイして』


『僕はさっきも言ったけどフレーズで聴いちゃうんで。元々、性差があるのでそういう感情移入の仕方は全然しないんですけど、聞きたいのはそもそもaikoの歌ってる歌ってありがちな話なんだけど、「これは実体験ですか?って言うのは質問としては1番レベルの低い質問なんだけど、あえて実際は実体験だったりするのかな?と要はもちろんその要素はあったはずですけども。ある種彼女はリスナーに求められる事により妄想で作り上げたりとか、要求にこたえてるフィクションみたいな物の方がもしかしたら大きいんじゃないか?とそういう疑いみたいな物を僕なんか思ってしまうんだけどそれはどうですか?』
『全てが彼女の実体験だと思うのは短絡過ぎるよね』
『感情のディテールが細かいから実体験としか思えないって事はなのかな?』
『あまりにも上手いから全て自分で経験してるとは思えない。また坂元裕二さんの言葉の引用してしまうけど彼のプレイリストで「aikoの歌にしたことない感情を思い出せない」って言葉を載せてるんだけどおおっ!って思うんだけどさ。余りにもテクニックがありすぎるから「私が歌にしていない感情って何かしら?」ってそういう作り方をしててもおかしくないと思っちゃうぐらい底がない。非現実なぐらい凄いからさ。そこを感じるんだよね』
『さっきのタイアップの話もそうだけど作品においては純度は常に守ってるんだよね。そこは凄いんだよね』
『あんまりそんなたくさん読んだことないけどaikoのインタビューって変だよね。曲のことしか喋らないよね。ライターが決まっているのはその試合しかしたくないってことだと思うんだけど、そのルールでしかインタビューをしたくないって事だと思うんですよ。それは変だよね。曲の話しかしてないけど別に楽理的な話をしてるわけではなくこの曲を生みだした自分の感情みたいな話だけだよねほぼね』
『もちろんファンの話とかはするんだけど、ファンへの想いを込めてみたいな。音楽はこんなにスリリングなのになんてスリルのないインタビューだろう?ってその対比も凄いんだよね』
『もちろんファンはそれを大切にしてるのは分かるんであれだけども。自分がインタビューアーだったら発狂しちゃいそうな感じ』
『僕も1番インタビューしたくないのはaikoだね。このインタビューは出来ないなーとは思う』
『僕もタナソー さんもインタビューアーとしてはタイプ違うけどどっちもそう思うってことはよっぽどだと思うよ』
『aikoに愛される期待が一ミリもない。笑うツボも違いそうで憂鬱になる。まだタナソーさんは関西ネイティブって言う共通項はあるけど、もうダメだ俺全てが違いすぎる』
『タナソーさんは20年前の僕の原稿鼻で笑ったんでタナソー さんの書くaikoの原稿楽しみにしてますよ』

タナソー 「それは申し訳ないけど百人いたら百人があの原稿腹で笑うよ」
『そうだね』
タナソー 「しかも」
『もうやめてくれー!分かった。分かった』
タナソー 「しかも今のナンバー7な宇野維正を知っているからこそ、そことの落差。俺は礼儀として鼻で笑うわないといけない。最後に読み上げましょうかね」
『ぽっぷさんまで鼻で笑い始めてる』


唯一のaikoが表紙の号のロッキングオンジャパンでやらかしてるんだな。いやー、酷いなあ』

『俺1番仕事に身が入ってない時期… どんどん言い訳し始めてしまった


『今日はぽっぷさんのお話も聞いて凄く立体化した感じがする。aikoさんに固まっていたんで。なるほどなって。なりより新作が良かったんで楽しく話せた』
『aikoファンがいかに寛容かと言うのを僕は信じてますんで』


【寸評】

ラストエピソードでもロッキングオンジャパンのaikoの原稿を弄られる宇野先生は最高でしたが、気になったのはタナソーも宇野先生も反省してましたし、タイトルになってますが、二人で延々とaikoの政治性についての勝手な思い込みで話していることですね。三原さんも聞いていて飽き飽きしてしまったようですがほとんどの人はそう思ったのではないでしょうか。今回はぽっぷさんがメインゲストというはずなのに結局タナソーと宇野先生で延々と語っていてマンスプレイニング的だとかホモソーシャル的だとか言われるなあと思いながら聞いてました。前の回で「ぽっぷさんのaiko豆知識を聞きましょう」と言っていたのに延々とaikoの想像の政治性について女性二人を置き去りして話し続けるのは違和感を感じました。あと、宇野先生の「三原さんは恋愛強者だからaikoの歌詞は共感できないよね」みたいな発言も本当に良くないと感じました。宇野先生の「東京の女の子、どうした?」と象徴される悪い所が出てるなと思い引いてしまいましたね。あんまり真面目な事は書きたくないですが宇野先生の発言を考察するのが本題なので避けては通れないと思い指摘させて貰いました。


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