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宇野維正先生考察第六十一段 三原勇希 × 田中宗一郎 POP LIFE: The Podcast 映画監督 永瀬廉主演『真夜中乙女戦争』二宮健監督回のオブザーバー出演の宇野先生編

今回の宇野先生考察は映画監督の二宮健監督ゲスト回にオブザーバーゲストして参加した宇野先生の発言のピックアップしていきます。今回はほぼ二宮監督にインタビュー形式の回なので宇野先生の発言も少なめかつあっても二宮監督への質問なので少なめですが、その中でも気になる発言をまとめました。では、ピックアップしていきます。



『はい、今日は二宮監督の付き添いと言う形できました。映画音楽ジャーナリストの宇野維正です』
『僕はとんかつDJあげたろうの伊勢谷友介の立場で来ましたから、監督をDJブースにあげてもし大失敗したら僕がクラブのオーナーに詰められると言うね』
『二宮監督は三原さんのラインもあるのに僕のラインで出演したと』
『二宮監督の映画の主題歌がペールウェーブスでサマソニで来日した時の対談のMCをした事もある』
『二宮監督は凄いよね。30歳にしてメジャーで3作、4作と撮ってて』
こう言う場だから正直に言うけど二宮監督は全て大ヒットしてる訳じゃないけど続けて撮ってるのは凄いよね。そして何より若い。これから先を考えると今は本当に大事な時期だよね』
『日本ホラー映画大賞の審査員をやったのはがっつり審査員をやったのは初めてだったけど楽しかったですよ』
『最終審査は五人でやって詳しい中身は言えないけど本当にガチ審査で凄くこれは難しいなと思った。多分、小説とかでもそうだと思うけど、名前と作品だけしか見ないで行くけど、話し合いをすると手元にパソコンもスマホもあるし、その人がどんな人かググってしまう。だから、その人の属性。単純に言うと性別とか年齢。過去の作品はYouTubeとかでも観れるし。本来はその作品だけで評価するべきなんだけど迷ったときに情報が出て乗ってきて、なるほどこれは難しいみたいな。情報がいくらでもあるから。あと、単純に迷ったら若い監督のが有利だよね』
『二宮監督は30歳まででここまで来たのは凄いと思う。M-1で言えば20代で取ったようなもんじゃないですか。芸人でも10年以上掛かるのに』
『昔の三原さんのギャルいね』
『評論筋から言うと本当に新人監督に冷たいよね。ここ数年、それを実感して意識的にやってる』
『映画は最低限のスキルが必要。最低限のスキルに満たない物も商業映画もある。その時に、音楽と違うのは音楽はアルバム二、三枚出す時まではちやほやして貰えるけど中堅どころになった途端にメディアの食いつきが悪くなるってボヤくミュージシャンは多いじゃないですか。実際、そうだと思うんですけど、やっぱり音楽のジャーナリズムは新しい才能を発掘したいとか、自分が先に唾つけておきたいとか、まだ分からないところからキラメキを見つけたいみたいな所はあるけど、映画はそれをやるとおっかなすぎるんだよね。音楽になってないじゃんと言うものは世に出ないけど、映画になってないじゃんと言う物は確実にあるんですよ。二宮さんもよく分かると思うけど映画っていろんな理由で出来上がるので。例えば、このタレントを売り出したいとかそれだけの都合で作られる映画もあるし、あるいは地方が地元の文化振興の予算を消化したいから地方のロケで誰が観るんだろう?って映画が作られる事はあるから。だから、商業ベースに乗ってる作品でも映画が作られる動機が監督とイコールではない事は多い。映画の批評が怠慢なんじゃなくてそうなる風土はある』
高円寺のガールズバー重要ですよ。あっ、スルーして貰って良いです


ペールウェールズと二宮監督の対談の時は前日のサマソニでソーシャルメディアで炎上しつくして憔悴してたと思います』
『何を言っても炎上する時期だった。チャンスザラッパーとかが出てる時で。1分だけ俺の話すると。特にあの当時はフェスってフェスに行かない人がソーシャルメディアを追って、そもそも行ってない事に対してフラストレーションがあるじゃないですか。それを吐き出す最適の標的になっていたんですよね。もう一つ象徴的だったのはサチモスがフジロックに出た時にヨンスが「山よ」って言い出したことをYouTubeみんな観て延々みんな冷やかして擦られ続けてる。それをバカにするみたいな。そういう風土は当時は最悪だった時期、洋楽周りで。僕はそれの格好の標的だったんで、何をツイートしてもそれがネタになるみたいに。例えばショーンメンデスがフランクオーシャンの曲をやったことをツイートしたらそれがネタになるみたいな。とか全部なの。あと、チャンスザラッパーで宇野が何かやってたぜとか言うウソツイートと全て炎上する地獄のような時で、俺が一番頭に来たのは宇野はブラックミュージック好きとか言ってるくせにジョージクリントン観ないで帰ったとか言われた。俺はジョージクリントンのライブは高校生時から全て行ってて何十回観たと思ってるんだ。と言うね。本当にそう言うので憔悴してた感じで現場に行った記憶があった。今年の正月のしょこたんみたいな感じ。いまはそういうのから脱してるから良いけど思い出しちゃった』




『あと年は良かったから現場いけない奴らが羨ましいから炎上させてやろうって感じが酷かった。けど、これは俺の話じゃなくてコロナで去年、一昨年のフェスに風当たりが強くなってる事に全部繋がってる。この国の人は人が楽しそうにしてるのが本当に嫌いなんだよ』
『だけど、二宮監督の映画は人が楽しそうにしてる映画』
『ちゃんと自分の話から本題に繋げるよ』
リアルなんて充実してるに決まってるからリア充って言葉自体が卑しい言葉だと思う』
『三宅唱監督はクラブのシーンが見事に撮れてるけど、濱口竜介監督はクラブのシーンが全くとれてない。何故ならクラブとかに行ったことないだろうから。そういう意味では二宮監督はクラブのシーンが撮れすぎてる。そのイメージが良くも悪くもつきすぎてる』


『俺が何か言うと大根仁みたいに陰口叩く奴がいるから』



『現在の書かれた時代を舞台に作れた映画にはノスタルジー消費の悪しき側面を感じてしまう。90年代を神格化する必要なんてないじゃんとか』
『ソフィアコッポラとかハーモニーコリンは90年代の作風を捨てて新しい作品を作ってるのに未だに日本だと90年代のイメージで語られる。90年代を引きずって奴らが多い中でそいつらに餌を与えてどうするんだ?と。彼らは頑張って乗り越えて来たんだから今の映画を観るべきだし、凄く足を引っ張れる感じがする』
『タナソーさんが二宮監督にインタビューしてるのにたまに茶々を入れる。役割的には楽しかった』

【寸評】

今回の宇野先生考察的ハイライトは何を言ってもサマソニの話ですね。伝説的な宇野先生のショーンメンデスのツイートも貼っておきます。

ただこれは当時も思いましたがショーンメンデスやフランクオーシャン云々ではなく宇野先生の(しかしここはこの曲で大合唱が起こらない国なんだ。ごめんショーン)がネタにされるポイントだと思います。宇野先生の基本的に日本の所謂「洋楽ファンダム」に対して小馬鹿にして挑発する行為が炎上してる理由で別に行けないから嫉妬してるから炎上させようとしてるわけではないかと思います。良く宇野先生を批判する人にその「洋楽ファンダム」で仕事をしてるのに小馬鹿にするのが理解できないという人がいますが、まさにそれが炎上の理由だと思います、

あと、個人的に宇野先生の大根仁批判が好きなので久しぶりに出てきて嬉しい限りです。



タナソー「本当に動いてらっしゃるドナルドダックことこの方です」
『はい、映画音楽ジャーナリストの宇野維正です。確かにドナルドとは言われるね』
『二宮監督は一貫してキャストに恵まれてますよね』
『二宮監督の話を聞いて新しい才能を探してるプロデューサーの方はちゃんといるんだなと思った』
『僕もキャメロンクロウでバニラスカイが一番好きだから』
『二宮監督はウェルメイドは作品を作るし独りよがりのことはしない監督』
『アメリカは組合が強いから編集は監督がやらない監督がやる時はソダーバーグのように変名でやってたりする』
『監督が脚本を書かないといけないのは一般論として弊害はあるかなと思います』
『印税の話で言うと、かつては映画がソフトになる時に役者のファンが買ってくれたから成り立っていた。監督はその印税で何とかなっていたが、今みたいにソフトがネットでしか買えないような時代になって、間違いなく更にどんどん減っていく。それはなかなかシビアですよね』
『今ではソフトは役者の事務所のサイトで特典をつけて売る。定価で売れるし』
『監督にインタビューするとみんな言うことですよね。役者中心に全てが回ってると。公開のタイミングでイベントすると監督が切られてるとか。』
『役者さんと監督が並ぶと嫌いなネット用語だけど公開処刑される。公開処刑された上にいなかった事にされる』

二宮監督「ルッキズム新時代にみたいになってる」
『ルッキズム新時代?人ごとじゃないなあ



『僕は学生時代は広告研究会で結構、世の中にアジャストしてた。ミスコンとか主催してた』



『僕はコメント頼まれても半分以上断りますから』

『真夜中乙女戦争は先輩とのやり取りに引き込まれた』

『二宮監督は今の10代、20代に向けて映画を作ってる』

『ライトノベル的な映画の原稿の仕事の時に調べていたらその原作ファンの声の八割ぐらいは原作ではこうだったのに…みたいな声だった』

『客観的に俯瞰して言ってるように見えて濱口竜介監督のドライブマイカーとかでは平気で同じようなこと言ってるからね。しょうがないんですよ。思い入れがあるから。それにリテラシーとか世代とか関係なく。原作にやられた人間やられたのは事実だから映画を原作と変える事に違和感を覚えるのは仕方ないとは思う。』

『僕もインタビューでジャニーズの仕事を結構やってるけど彼らが背負うものもデカいからさあ。周りのスタッフのこんな何の下積みもないのに主演やりやがってみたいな目の中で、しかも全ての作品の看板を背負うって凄い重圧じゃないですか。その中で彼らは基本、謙虚ですよね。凄く。謙虚にならざるおえないんだろうなと』
『そういう色んな大変さは近くにいると分かるよね』

タナソー「永瀬廉くんはちょっと苦手な役者さんなんですよ。けど、今回は良かった」

『今は映画のポップソングの使い方が難しいですよね』

『日本映画は監督とか役者とか優れた人が多いと思ってる。問題はシステムだと思う』

『二宮監督はこれからもメジャーで作品を撮っていって欲しい』

『僕はタナソーさんが真夜中乙女戦争を観てる姿が面白い』


【寸評】

この回は本当に特に興味深い話もないですが唯一は宇野先生は学生時代に広告研究会に所属していてミスコンの主催とかをしていたという話です。確かに宇野先生はあんまり根暗で鬱々とした感じはなく宇野先生が好きじゃないリア充っぽい学生生活だったようですね。

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