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宇野維正先生考察第六十四段 三原勇希 × 田中宗一郎 POP LIFE: The Podcast 映画監督 スティーブンスピルバーグ監督『ウエストサイドストーリー』回の宇野先生編

今回の宇野先生考察はお馴染みのPOP LIFE: The Podcastからです。

今回は巨匠 スティーブンスピルバーグ監督の新作『ウエストサイドストーリー』回に出演した宇野先生の発言をピックアップしていきます。今回は結構、爆弾発言も多めの宇野先生研究には良い回でした。では始めていきます。



タナソー「コロナ陽性になって自粛してました」
『自粛って言葉が正しいのか分からないよね』



『タナソーさんは人格は悪くないよね。別の問題を抱えてる。えっ、うそ。うそ。人格は人格者だと思ってますよ』

『海外ではウエストサイドストーリーはスパイダーマンノーウェイホームの一週間前、12/10に公開された。同じタイミングで日本でも公開されるはずが二ヶ月遅れて2/11に公開されたばかり』

『宣伝とかもそれなりに珍しいやる気があったっぽいのにほにゃほにゃほにゃってなってしまいましたね。』
『日本人はミュージカル映画は当たるとドカンと行くんですよ。ただあくまでもスピルバーグの新作として受け入れられてる感じが私くはもったいなあと思ってますし、はっきり言って配給に責任があると思いますよ』
濱口竜介監督の偶然と想像は誰が観ても面白いもんね。ドライブマイカーと違って』
『営業妨害と言われても言うけど、海外ではウエストサイドストーリーが日本でもディズニープラスで配信される日が載ってる。いわゆる45日ルール。映画の接種の仕方が本当に変わって来ているのとプラスのの映画を配信で観て大丈夫?って言うのはある』
そもそも少年隊はジャニーさんの最も長愛を受けたグループで、ジャニーさんのやりたかったことはウエストサイドストーリーみたいなものを日本で根付かせたいと言う思いがあった』
『プラス少年隊にも多大な影響を与えたマイケルジャクソン。マイケルジャクソンはBeat itとBadでなによりも彼がトリビュート、オマージュを捧げていたのはウエストサイドストーリー』
『スピルバーグがウエストサイドストーリーを撮るのは意外だった』
『木津くんが言ったウエストサイドストーリーはゲイカルチャーの作品だと言うのはさっきジャニーズの話をしたからノイジーになるんだけど』
『ミュージカル映画は最初の10分が話題になってそこが勝負だけど、スピルバーグ版はそれ以外にも見せ場多かったのはすごいと思った』
『ウエストサイドストーリーに寄りすぎてなくてちゃんとスピルバーグの映画になってる』
『61年のウエストサイドストーリーはミュージカルなのにロケで撮影したのが当時は革新的だった』
『スピルバーグは映画的な気持ち良さがずっと続くのはやっぱりバケモノだよね』
『俺はブラッドリークーパーが大好きだし、過小評価されてると思う。レディガガとやったアリーも相当凄かった
『(ウエストサイドストーリーの成り立ちを解説して)映画評論家みたいだね』
『インザハイツは菊地成孔さんも指摘してましたが、ウエストサイドストーリーのリンマニュエルミランダなりの語り直しなんだよね。』
ウエストサイドストーリーはお話として若い子には響かないんじゃない?』
『スピルバーグは61年の映画のリメイクじゃなくて57年のミュージカルを映画化したと言っている。もちろん映画を参照してる所もあるけどそう言わないのはスピルバーグのプライド』
映画として100点の映画だと思うけど、世の中の人って映画ってかなりお話で観てる訳じゃないですか。そして、お話としての評価が映画の評価って人も多いじゃないですか。そう言う人にとってこの映画がどれぐらい響くのかな?って思う。客観的になっちゃう所があった。1人の映画好きとして観てる所と人がどう観るか?と言う二つの人格で映画を観ちゃうなら俯瞰して観るとこれは響くのかな?って言うのはある。』
『ミュージカル映画に話なんてどうでも良いとまでは言わないけど、ミュージカルに話の整合性を求める事が間違ってる』
『これがスピルバーグの新たな代表作って言う意見はその通りだと思うけど、そう思わない人の気持ちも理解出来る』
『僕の大好きなウルグアイのレコバもチノといわれていた。アジア人顔のラティーノはチノと呼ばれる。チノはアジア人差別的な意味もある』
『いまはバッドバニーの時代ですから』
『2回に分けずに言いたい事言い過ぎちゃった』

【寸評】

宇野先生とは関係ないですが一番の驚きはタナソーがコロナだったという事ですね。トークショウが出演者がコロナ感染のため延期になったのですがまさか主催者のタナソーだったとは。




『はい、映画音楽ジャーナリストの宇野維正です』
『ウエストサイドストーリーはザ基礎教養なんですよね。ジャニーズしかり、石ノ森章太郎しかり』
けど、それがいつの間にかね。カルチャーにおける基礎教養みたいな物がどこにあるのかな?みたいなことに人々がサブカルにうつつを抜かしてるこの30年でなってしまったと言うのが私の歴史観でございますが』
『スピルバーグはテレビから出て来た人なのにしばしば映画とテレビは違うって言って炎上するけどスピルバーグが言うならそうなんだろうね』
『冷静になったら学校とかなかなか、学内カップルとか大変よ。ハイリスク過ぎるわ』
『恋愛の時代は終わったのかもね。』


『18から結婚するまでの20年間は恋愛のことしか考えてなかった』
『全然、ストーカー的なキモい恋愛もしてましたよ』



『けど、それはストーカーという言葉が生まれる前だったから当時は社会的にそれほど断絶されなかった』
『二時間話して話さないのも変だからアンセルエルゴートの問題がこの作品にはあってさ。一定数の観客はアンセルエルゴートがあの役をやることに不快感を示したり、彼が出てるから観ないって人もいた。それは事実なんだよね。性的暴行… これは気をつけて言わないといけないんだけど、17歳の少女がDMで彼とやりとりをして、で、会おうよって言うことになって会って、そう言う行為に及んだ。それは未成年に手を出したから暴行と言われるけど、そこに暴行があったかは分からないし、その時、彼は二十歳だった。いちおう、アンセルエルゴートはそれに関して謝罪をし無理矢理ではなかったけど、ようするに別れ際に配慮はなかった。昔の言葉で言うヤリ逃げ的な感じだったという事を謝罪はしてるんだけど、プラス私もこういう事があったと色んな人が出て来た。それに関してアンセルエルゴートはメンションはしてないので真偽は分からないけど、こういう色んな告発が起きて、彼は半ばキャンセルされた。それを踏ませてキャスティングしたのではなく撮影中にこういう事が起きてしまった。役と重なる所があるから居心地が悪くなる人の気持ちは分かる。でも、20歳と17歳か。まあありうるよねって感じはするよ』
『それでも社会的にも許されない時代になって来ているのがこの数年間の社会の変化なのかも知れない』
俺は恋愛と性愛にそれほど違いはないと思っている
『僕の個人的な意見は立件されてるものとそうでないのは分けるべきだと思う。そこでしか分けられないと思う』
これに対して色んな思いがあるのは全然仕方ないと思う。でも、だからってあれが出てるからみたいに殊更、騒ぐ人とは距離を置きたいよ。キャンセルを扇動するような言動をしてる人とは距離を置きたい』
『アンセルエルゴートはEDMのDJもやっててウルトラジャパンで来日もしてる。アンジャッシュの渡部とかも踊ってた現場でDJをしてる事実を鑑みると調子には乗ってただろうし、彼は彼で反省することはあるだろうし、当然、社会的な制裁は受けてるけど、彼のキャリアは既に傷についてはいる。二時間話してこれを触れないのはおかしいから触れました。はい。


『俺は恋愛引退しちゃってるんで』



『最近、良い恋愛映画観てない気がするし、ドラマも。日本では恋愛ドラマ自体が減ってるしね。職業ものばかりで』
『真面目な話、結婚はある程度、相手と近くないと大変ですよ。だけど、恋愛は本当はなんでも良いじゃんとは思うよね』
『スピルバーグの最高傑作と言うコピーで売り出して、それに対してだよねーと言う人とちゃうやんって言う人。すごい狭い所で終わってる感じはする。しかも、パンフレットが三千円で海外で出てるメイキング本の翻訳そのまんま。東宝ステラが作ってて、東宝ステラ良いパンフレットたくさん作ってます。僕もたくさん仕事してます。好きな人だけ見れば良いみたいな姿勢に色んな物が出てると思いますね。いや、ちゃうやん、映画って。観なくて良い人まで観ちゃうってなる事を考えないでどうするの?って思う』
『パンフレットとかに関わってる立場として恐怖すら感じる。』
『パンフレット買おうかと思ったけど辞めました。ものを買うのは投票と同じなので辞めました』
『僕はダンスシーンが全部良かった。演舞シーンとそうじゃないシーンのテンションの違いはスピルバーグの方が良くも悪くもあったなって言うぐらい演舞シーンは明確に塗り替えようぜって意欲を感じた。』


対立する二つのグループで歌ってやりあう。冒頭のシーンもそうだけど、今回見て思ったのはあれ?これやったことあるぞって。あれ最高に楽しいよ。決闘ギリギリで向き合って男と男が歌い合うってこれ何かというとイタリアのサッカーのスタジアムで試合が始まる前にあんな事になるんですよ。イタリア語分からないけど真似して歌って。ゴール裏で歌って。あれって人生で一番楽しいよね。仲間に入れて貰ってあれが試合より楽しい。あれを思い出した』


『頭が真っ白になってる瞬間を見に出してるのがここ最近ミュージカル映画が好きになってる理由の一つになってると思います』
『黒沢清もやってたけど役者を歌わせてミュージカル風ってあれは全然ミュージカルとは違いますけどね。コレオグラフが大切で歌うだけではミュージカルではないよと思います。それを分かってない映画監督も多い』


『日本はタモリという影響力のある人が長年に渡ってミュージカルディスをやっていて。僕はタモリって大した事ない人だと思っていて、非常に権威に弱い人だと思っていて、みんなタモリを有り難がり過ぎだと。凄いところもあるけどね。なんかタモリ過大評価説なんですけど私は。彼は名古屋ディスとミュージカルディスとフォークミュージックディスが彼のお家芸なんですけど、やっぱなんでいきなり歌い出すの?って言った時にみんなそうだそうだってなってしまったけどそこから巻き戻さないといけないし』



『ラップって歌と会話の間のものでラップ以降ミュージカルの入り方が変わって来たと思う』
『ラップ耳を通るとミュージカルは近付く。』
『ラップはいきなりフロウかまして当然の世界じゃないですか』
『歌わせることは演技を剥ぎ取る一つの手段なのかも知れないよね』
『踊りはするよ俺も良く。ヘッドホンで聴きながら人がいる所でもガンガンに踊ったりするよ。駅から家の間とか』


【寸評】

今回のポイントはまさかの超大物タモリ氏のディスでしょう。三原さんが明らかにあたふたしてるぐらい宇野先生はまさかのタモリにまで刃をむけてました。

そして、宇野先生と言えばイタリアのスタジアムですが。今回のゴール裏でサポーターと一緒に歌うのは人生で一番楽しいという発言まで飛び出して宇野先生のサッカー、特にイタリアサッカー愛が出ました。

そして、宇野先生の恋愛観話まで飛び出しました。

18歳から20年間恋愛の事しか考えてなかったとか今でいうストーカー的な恋愛をしたとか赤裸々に語る宇野先生。宇野先生研究では良い話でしたが、宇野先生のストーカーは正直結構怖いですね。


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