宇野維正先生考察 第六弾 TOKYO FM THE TRAD 2020/2/06ゲスト出演編

今回はTOKYO FMのTHE TRAD(2020/2/6)に生出演した際の宇野先生です。流石に大手ラジオ局にゲスト出演だけあっていつもより宇野先生節は控えめだった気がします。では、ピックアップしていきます。

タナソー 「タナソーこと田中宗一郎です。」→
『ウノコレこと宇野維正と申します』

『(プロフィールにロッキングオンと書いてあることについて)はい、二人とも20年前とかに辞めてる会社が必ずプロフィールに入っちゃう』
『2010sは最初に僕に話を頂いてタナソーさんを連れ込んだ』
『関心あるのは現在』
『リアルタイムで夢中になっているのを本にまとめたいと思いから作った』
『2010年代は寝る時間もないほど楽しかった』
『世界中同時に音楽、映像が配信される時代』
『音楽も映像も素晴らしい物が流れ込んでくる』
『数年前にラップをロックの売り上げを超えた事が言われるが実は2010年代前半はフィーメールポップの時代だった』

宇野先生が選ぶ2010年代のポップカルチャーを語る上で欠かせない曲

DRAM - Broccoli feat. Lil Yachty 




『ラップミュージック、ヒップホップの既成概念を変えたマンブルラップ、クラウドラップ』
『マンブルラップはステレオタイプとして黒人の先入観をひっくり返した。日本ではヒップホップとは?みたいな話ばかりで日本語られない。映画のロングショットでもキャリアウーマンが知らなかった曲として出てくる曲。それぐらい概念を変えた』

Frank Ocean - Thinking About You 



『フランクオーシャンは2010年代で一番凄かったアーティストなんですよ。多分。』
『批評家が選ぶ2010年代のベストアルバムに軒並みブロンドが一位。大体ビヨンセかフランクオーシャン』
『もっともカバーされた曲』
『サマソニでショーンメンデスのライブ。まず客が少ない。ビリーもショーンの前の方がアジアの子ばかり。海外だと盛り上がるシンキングアバウトユーをカバーすると一番白けた雰囲気だった』
『それをツイートしたら僕が炎上した笑』



『まさに僕はシンキングアバウトユー。みんなことを思ってるのに何にも伝わらないという怨念がこの本には詰まってます笑』
『エドシーランやテイラースウィフトなど認知されてる曲はあるけど日本では海外に比べて認知がまだらになっている』
『海外では動画撮りまくるしラップでもシンガロングする時代。それが正しいかどうかではなく海外ではそうであると周知する必要がある』

タナソーが選ぶ2010年代のポップカルチャーを語る上で欠かせない曲

 Rae Sremmurd - No Flex Zone



タナソー「トラップが広がったきっかけの曲だから重要」

『(マネキンチャレンジは流行ってもブラックビートルズや流行らなかったことについて)日本では点が分かるけど文脈がない』

Justin Bieber - Sorry


『ジャスティンビーバーが2、3年活動してなかったので2010sの中で語らなかった事を後悔している』
タナソー「ジャスティンビーバーレイク辺りから」 →  『混ざってますよ笑』
『オカモトズはカルチャーのハブになってて凄いと思う』
『オッドフューチャーみたいだ』

【Twitterからの質問】アンテナはどこではるの?どこで情報を得るの?
タナソー → Genius




宇野先生 → 僕のTwitter

『タナソーさん言ってるのは全部英語なんでハードル高い』

『Google翻訳の精度が上がって来てるので海外のサイトを翻訳すれば良い時代になって我々の商売上がったりになるかも知れない。ただ、現状は言葉の壁があるので偏ってるって事を分かった上で僕のツイートとかを見れば良いんじゃないですか』

『ただ2、3年後にはお払い箱になってる可能性はありますよ』

『ネットフリックスは去年の全裸監督のタイミングで日本で契約者300万人。300万人と言うとそれほど多い感じはしないが若い人たちが主になっているので影響力を考えると別の300万。レディガガ、ビヨンセ、テイラースウィフト、トラヴィススコットとか音楽のドキュメンタリーに力を入れてるのでそれを見るだけで変わってくると思う。ネットフリックスのまわしものでは無いけどネットフリックスは基本かな』

『海外でネットフリックスが広かったのはケーブルテレビが高いのでネットフリックスが広がった。日本では映画とかテレビシリーズが好きな層から広まったので海外とは違う。日本でも嵐のドキュメンタリーから広まっていくかもしれない』

『三大勢力で言うとアマゾンプライムは強い。』

『アマゾンプライム年間3000円は海外と比べるとめちゃくちゃ安い。広めるため安くするのサービスを延々やっている』

『タナソーさんはアマゾン好きじゃないんだけど』

『ガーファ問題はあるがあのサービスがあの価格は有り得ないぐらい安い』

『この2つが基本でプラス、ディズニープラス。当然みなさんご存知のようにマーベルやスターウォーズの新作などここでしか見れない物がぼこぼこ出てくる。間違いなく広がる』

『2010年代はやっぱりネットフリックスだった。2020年代はネットフリックスは残るだろうがほかにどこが出てくるか』 


【ハマオカモト氏から】好きなMCUのキャラクターは?
宇野先生 アイアンマン
タナソー サノス 、キャプテンアメリカ


『夢中になったきっかけ。2008年のアイアンマンがきっかけ』

タナソー 「宇野維正の位置づけはアイアンマン 高い車、派手なパーティー、女性と出かけるのが大好き」
『かっこいいから良いですよ笑』

『今あげた人はほぼほぼ退場してますね笑』

【どこから観るか?】
『僕は一本目のアベンジャーズから始めても良い。そこから気になった人を戻ると良い』

『ドクターストレンジ2の監督が僕の大好きなスコットエリクソンが下されてスパイダーマンシリーズのサムライミーになるかも。逆行してるから良くない。』
『僕予想はあえて情報を流してファンダムの反応を見てる。反応が良ければ採用。ネットで世界中大喜びだが。』
『否定的な我々は小数意見笑』
『ネットでファンの意見が分かりすぎてしまう事が必ずしも良いことだけではないのが分かってしまったのが10年代。余りにもそれを尊重しすぎてしまうことにどう対処していくのかが20年代の課題。』
『ソニックの顔が批判を受けて替わった。ソニーとディズニーを世間が攻撃したことにより仲直りしたから。』
『日本でも世間の声で芸能界からいなくなったりする。』
『物を作る側がファンの声を気にし過ぎる事は悪い面もある。』
『今2010sのプロモーションしてるけど市場にない状態。』
『ビリーアイリッシュはバッドガイだけじゃない事は重要 』

ハマオカモト氏より【ポップカルチャーとは何か?】
タナソー 【社会の写し鏡で社会より先に巻き立つ変化 】

宇野先生 【熱狂の現場。いま世界の中心はここだと言う感覚を感じていたい中毒みたいな所がある。だから熱狂と狂騒の現場。たくさんの人が見ていない物は存在していないとの同じぐらいの】

【総評】
流石にラジオ番組にゲスト出演と言うことで発言にはかなり配慮していたように思えます。宇野先生ウォッチャーからすると聞いたことある話が多かったように感じます。そんな中で流石の宇野先生節だったのは海外のポップカルチャーの情報を得るには『僕のTwitter』発言は本当に宇野先生は自信家なんだろうなと思います。

あと個人的に一番気になったのはあの有名な

事件です。宇野先生はただ事実を書いただけで炎上したみたいな事を言ってますが炎上したのはただ事実を書いたことではなく音楽ジャーナリストが『国』という大きすぎる一人称を使って煽った(ように感じる人が多かった)ことであって別に「ショーンメンデスがフランクオーシャンのThinking About Youをカバーしたけど合唱は起きなかった。少し寂しい」とかなら炎上しないわけです。明らかに煽ってるのが炎上の原因なのにそれじゃなくただ事実を書いただけで炎上した。そして『何にも伝わらないという怨念』という何故か受け手側が悪いかのように言う。流石としか言えません。宇野先生はユーモア入れたいからこういう発言をするとも言ってましたが完全にそう伝わってないのはユーモアと言えるんでしょうか。私もあのショーンメンデスがサマソニでThinking About Youを歌った場にいましたがアレンジもかなり違うし宇野先生ぐらいの知識がないとなかなか気付くのは難しいと思いました。こういう状況になっている原因の一つに音楽ジャーナリストとしての自分の怠慢があるのは思わないのでしょうか。音楽ジャーナリストの仕事はそれを嘆く事ではなくそれを周知させることです。ぷらすとのトークショーでは若い子が海外のアーティストのライブをアリーナで観る体験をさせてあげたいという素晴らしい思いを語っていましたのでその気持ちで嘆き、煽るのではなく広めて頂きたいものです。宇野先生頑張ってください、。

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