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宇野維正先生考察第四十八段 三原勇希 × 田中宗一郎 POP LIFE: The Podcast ワイルドスピード回で何故か車とサッカーへの愛を語る宇野先生編

今回の宇野先生考察はお馴染みのPOP LIFE: The Podcastのワイルドスピード回での宇野先生の発言をピックアップしていきます。映画としては認めないが好きだという宇野先生のワイルドスピード愛を感じますが、それ以上にサッカーと車への愛を語る宇野先生回でした。ではピックアップしていきます。ゲストは宇野先生とindigo la Endの佐藤栄太郎氏。



タナソー「FF(FAST & FURIOUS ワイルドスピード原題)大王のこの方です」

『別にFF大王じゃないけどさあ。はい、映画音楽ジャーナリストの宇野維正です。映画音楽ジャーナリストって言ってるじゃないですか。でも、映画音楽のジャーナリストじゃないですよ。けど、凄い大作ばっかり映画音楽のパンフレットの仕事やってて、そろそろ肩書き変えないと俺は映画音楽の人だと思われてて、俺は映画音じゃなくて作品について書きたいのに。ワイルドスピードももれなく映画音楽についてパンフレット書いてて、スーサイドスクワッドも。インザハイツも。インザハイツとかラテン詳しくなくて、詳しい人に指摘されてたら本当にその通りとか思っちゃって。断る勇気も必要だなと思いました』
『作品についての論考の比率を上げたいなと思ってます』
『なんでもやってますから何でもパンフレットが届きます』


ブラックウィドウなんて声も掛からなかったですからね。僕、大恥かいちゃった。Twitterで「試写会とないんだよね。今回、ディズニー」ってツイートしたらえっ!?って色んな人から言われて宇野さん呼ばれなかったの?って。5年ぶりぐらいですよ。内覧試写会呼ばれなかったの。』


タナソー「それはディズニーに対してネガティブな発言を良くしてるから?」
『ううん、単純にマンハッタンピープルとアンリミテッド。どちらも宣伝会社ですけど。それの怠慢だと思います』
タナソー「だといいねー」
『はい、マンハッタンピープルとアンリミテッドの方、聞いてたらよろしくお願いします』


『サインポッドキャストのシーズン3に出て欲しい?別にシーズン2でも良いよ。タナソーさんに借りがあるからさ。この間の柴とのトークショーに出てくれたから』
『ノーギャラなのにたくさんの人に観て貰ったから』
『ブラックウィドウの試写会5年ぶりぐらいに呼ばれなくて本当に面食らっちゃった』
『まずワイルドスピードを映画として評価してるわけではない。』

『映画として評価するとめちゃくちゃでしょ。もちろん映画的な素晴らしさはあるけど』
『特に最近はB級映画的な見せ物をブロックバスター作品の予算でやってるという』
ワイルドスピードの大ファンではあるけど映画としての評価と言うよりもぜんぜん別のところでの心酔』
『好きな物が全て入っている。自分にとっての』

『三原さんってさあ、ヤンキーじゃん』
『ラテンアメリカカルチャーとしてのワイルドスピードが一番観てて僕が気持ちいいところ』
『この間インザハイツがありましたけど、こんなにラテン系のキャストの作品を20年前からやっていて恐ろしいほどの支持を得ているパイオニアであることが一番大きい。もちろんクルマ好きもあるけど。それは一緒になっているけど』
『ラッパーがよくやってるバウンスする車はメキシコの整備工が始めた』
『ハリウッドメジャー作品では最低ぐらいの予算で誰もヒットするとは思わなかったけどサプライズヒットした。スターウォーズの一作目のような感じ』
『ラテン系の移民を中心に最初から大ヒットした』
『日本におけるワイルドスピード需要はタイムラグがある。日本のヒットの基準である30億を超えたのは7作目のスカイミッションから』
『20億と30億の違いは地方のヤンキーが地方のシネコンに押し寄せるかどうか。それがないと20億超えない』
『14年経ってようやく日本においても超大作になった』
『僕はポールウォーカー亡くなった時に追悼のシールを取り寄せて車に貼りましたからね。ちなみにその車はゴリゴリのウイングについたスバルのWRX-STYというゴリゴリの走り屋車でとにかく憧れなんですよ。僕はずっと東京だったから、どちらかと言えば走り屋カルチャーとは無縁だったので完全な30代以降デビューで、俺も峠とかドリフトする青春を送りたかったなあと思ってましたよ』
『トヨタ2000GTは石田純一が2台持ってますね』
『タナソーさんが僕に惹かれるのは父親の面影を見てるんだ
『馬とガンが車になってる。アメリカ映画は基本的に馬とピストルを観るものですから』
『ワイルドスピードって西部劇なんですよ』
『ワイルドスピードとかMCUとかの映画の感想で日本や東京の描写が間違ってるみたいなのでワイワイいうのは本当にレベルが低い』


一連の宇宙描写をあるあるで言うとトンデモ映画的な、こんな馬鹿なことやってるんですよ。みたいなさ。ってはしゃぐのは僕から言わせると映画秘宝とかTBSラジオのレベルなんで、もうちょっとみんな上目指していこうぜって言う。映画秘宝とかTBSラジオのリテラシーってそこで終わっちゃんてんのよ。今回はこんなめちゃくちゃなことやってます。馬鹿でしょ?キャキャキャみたいな。なんだけど、そこポイントじゃないから。みたいな。また全面的に喧嘩売ってますけど』


『アジア系の監督が多いことの重要』
『ポールウォーカーが撮影中に亡くなった事で作品がどうなるか?と思ったけどこれ以上ないぐらいの美しい着地をして、その美しい着地にかかったウィズカリファの曲が馬鹿みたいにヒットした。あれがワイルドスピードの最初で最後のスーパーウルトラヒット』
『バーベキューはワイルドスピードにおいては宗教儀式みたいなもの』
『俺、プロレスよく分からないんだけどドウェインジョンソンがいないからジョンシナを召喚するってことだったんだよね』
『ジョンシナをキャスティングしたことからの混乱が起きた』
『最新作は映画ジャーナリストとしてはあれだけどワイルドスピードファンとしてはまあ満足』
『ファンダムの要望によって作品を作り替える問題は外部から見ると否定的に思えるけど、内部だと入るとそうだ!そうだ!となる』
『ワイルドスピードは寛容さが魅力でもある』
『バランスを欠いた作品ではあるのは間違いない』


【寸評】

ブラックウィドウの試写会に呼ばれなかった事が相当ショックだった宇野先生。やはりプライドが高いですね。映画秘宝とTBSラジオ(アト6のことか?)に突然喧嘩を売る宇野先生。そういえばトークショーでも宇野先生がアト6の宇多丸師匠の小山田圭吾についてのコメントに切れてましたね。最近の宇野先生の仮想敵はTBSラジオなのでしょうか?




『映画音楽ジャーナリストの宇野維正です」

タナソー「前のエピソードの宇野維正さんのプレゼンテーションを聞いて観てないシリーズの作品もこれは観ないと、と思われましたでしょうか?」
三原さん「いやー」
『いやーって言われちゃった』


『カルチャーのハブになってる。こんなリアルタイムで気付きを与えてくれた作品はないよ』
『ポップカルチャーで本当は交わらなかった人種と人種を繋いでいくみたいな。そう言う事をここまで成し遂げたシリーズは他に思いつかない』
『極端な話スターウォーズはアメリカ人しか観てない。7割ぐらいアメリカ人』
『ワイルドスピードぐらい歴代のヒット作でアメリカの比率が低い作品はない。本当に30%とか』
『アメリカではカーディBが出てきた時が一番劇場が沸いたらしい』
『音楽で言うとさ。ある時期、海沿いの部屋を借りてたけど走り屋が来るんだけど5、6年前までまだユーロビート聴いてる人いたからね』
スカイミッションを機にチャーリープースからようやくラップが流れるようになったね』
『もちろんその後EDMもあったけど』
どんなに俺が書いたり、しゃべったりするよりワイルドスピード凄いなって思った』
『スポーツ系の車はポップカルチャーから流行った影響が大きい』
フランクオーシャンもチャンネルオレンジの前のアルバムのジャケットがオレンジのM3。ブランドの時に出したブックも茨城とか群馬に彼が来て走り屋カルチャーを取材して出した』
『ウェークエンドが乗ってるのはSD型のRX7とか、ああいうなんでも買えるビリオネアたちが日本のスポーツカーをカスタムして乗ってる。』
『タイラーザクリエイターとフランクオーシャンは同じBMWのスポーツコンパクトに乗っててそれは彼らの絆なんですよね。彼らの。小さくて速い車が一番いけてるという価値観を定着させた』
『あれだけ日本のカルチャーに対するリスペクトから始まった所がワイルドスピードに対する愛着の凄く大きなところであり、俺のなけなしの愛国心をくすぐる』
『ハンの役は日本人でも良かったはず。ハンが韓国人なのは日本の芸能界のダメなところ』
重盛さと美さんのトーキョードリフトフリースタイルはレベル高かったけど』
渋谷のセンター街で海外の人が写真撮ってるのはワイルドスピードのせいですから』
『どこから観ても楽しめるのがワイルドスピード』
自分は詳しくないですけど中心的な役割をプロレスラーがやってるのも象徴的ですよね。プロレスと言う巨大な大衆文化』
『ワイルドスピードは2以外は全て観ろって感じですよね。2は作品の出来として相当しんどい』


『自動車好きの共通の敵はテスラのあれですよ。本当に嫌いな奴の名前は覚えられてないわ』
三原さん「イーロンマスク」
『そうそうイーロンマスク。もっとイーロンマスクみたいなやつとワイルドスピードは戦えば良いと思う』
『はっきり言いますけど電気自動車の社会は車好きにとってはただのディストピア』


『車好きにはガソリンを爆発させるのが楽しいから運転してるんであって』
『電気自動車は冷蔵庫ですよ』
『テスラは車の概念すら変えようとしている』
『俺は実はボルボに乗ってるんだけど』
『いま走ってるガソリン自動車が法律違反にはならないけど重税になる可能性がある』
『日本はめちゃくちゃな国で自動車を持ち続ければ持ち続けるほど税金が高くなる。13年目からめちゃくちゃ高くなる』
『日本の変な法律で日本の中古車は年数が経たないと輸出できなかった』
『いま馬を飼うのが大変だけど良いなと思うように同じように、何十年後はガソリン車はそういう扱いになる』
『僕はもう50歳なんで死ぬまではなんとかなりそうだなと思ってる』
『僕は車より子供や奥さんが好きだけどね』


『俺はクルマとサッカーのことしか考えてないからね』


『サッカーのことに関しては転換的にきてるんだけどね、去年のスーパーリーグ構想とかで』
『メッシとかルカクとか選手が望んでいないところでお金の理屈だけで移籍になっちゃってる。来るところまで来てるし、なにかテコ入れ必要だなって。そういうことばかり考えてる。変革期で面白いんですよ。それに比べたら音楽なんて大して変わってないしさ。映画は結構変わってるけど』
『何かがゴロゴロゴロと変わってる時に色んなこと考えるの楽しいから』
『普段そんなことばかり考えてるから』
『TikTokがEUROのスポンサーになってて観る時間短いカルチャーのTikTokと長いカルチャーのサッカーがお互い先のことを考えてるんだろうなって思うと興味深かった』
『三原さんが車と家以外欲しいものないって言ってたけど、本当にそうだよね。車と家以外何もいらないよね』
『昔は良く車でスピンとか良く死ななかったなとか。同乗者殺さなかったなと思う。同乗者殺したら最悪じゃん』
『高速で結構な滑り方とかしたことあるからね』
『昔は車が威張ってたけど、今は自転車が酷い人が多い。一応、車両なのに。昭和の時代の車か?ってぐらい威張ってる』
道路をネット環境だとしたら自動車は記名アカウントで、自転車は無記名アカウントなのよ。ナンバーがないからいくらでも逃げ得なのよ、あいつら。』
『あいつらって言っちゃった』

『そもそも全然違うルールが同じ道なのにあるのがやばい』
『さっきのガソリンの話もあるけど、色んな場所にカメラがある時代に絶滅する文化を描いているのがワイルドスピード』
『それも含めて西部劇的なシンパシーを感じてしまう』
『前の回でヴィンディーゼルをヴァンディーゼルって読んでたけどごめん。俺、フランス語スピーカーとしてどうしてもあれヴァンって読んじゃう』
『h発音できないフランス語スピーカーだから』


【寸評】

宇野先生のフランクオーション愛がこの間の木津氏のPODCASTに続き出ましたね。渋谷のセンター街のスクランブル交差点がやたら海外での日本の映像に出てくると思ったらその理由はワイルドスピードだったとは知りませんでした。

イーロンマスクにも喧嘩を売る宇野先生。もはや全方向です。しかも、自転車利用者にも宇野先生の矢はどこに飛ぶか分かりません。

映画音楽ジャーナリストなのに車とサッカーのことしか考えてない宇野先生は流石です。

宇野先生が前に西寺郷太氏のPODCASTに出てた時に「俺は吉田豪さんの番組には誘われても出ない。そもそも俺の中でプロレスが全くないから」と言ってしましたが今回も俺はプロレスは分からないスタンスでした。しかし、ロック様にジョンシナにとプロレス分からないと映画の仕事にも差し支えると思うので是非とも宇野先生にもプロレス観て勉強して欲しいですね。

タナソーが世界最大のスターは実はロック様だと言っていたのも興味深い話でした。


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