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Making of 「ハズレテモ、どまんなか」08〜14

「原宿ゴールドラッシュ」の始まり

山崎眞行が新宿で始めた
ロックショップ「怪人二十面相」は
スタッフ全員がリーゼントにして
ジェームスディーンのようなファッションをしていた
日本で最初のロックンロールバーだった
日本全国から不良が集まり
そこでは矢沢永吉がリーダーだった
ロックンロールバンド
CAROLがライブなどをしていた
毎晩お祭り騒ぎで
商売的にはいちおうの成功をおさめたわけだが
新宿には大手の会社などが参入し
新宿=若者の街という時代が終わり
ただの盛り場になっていると
山崎眞行は感じていた・・・

そして山崎眞行は、当時静かな住宅街でしかなかった
「原宿」に目をつけ「キングコング」をオープンした
簡単には「怪人二十面相」のようにいかなかったが
そこで山崎眞行の人生を決める女神と出会った
この出会いにより飲食店を何店舗も成功させるだけではなく
古着に目をつけファッションの世界にフィフティーズ文化をもたらした
そこから瞬く間に原宿の巨大な金鉱を掘り起こし
あっという間に、原宿=若者の街にした

その山崎眞行の原宿の街を舞台にした
サクセス・ストーリーを出版しないかという企画が
ある大物プロデューサーから持ちこまれ
山崎眞行が森永博志氏に執筆を依頼したのが始まりだった

当時のことを山崎眞行は
この本をただのサクセスストーリーにはしたくない
だってサクセスストーリーってただの自慢話に見えてしまう
そんなんじゃなくて
自分たちは好きなことを好きなようにやってきただけで
今もそれは変わらない
成功話じゃなくてもっと大切な何かを伝えられるような
読んだ後に楽しくなるような本にしたかった
とよく言っていた

そして「原宿ゴールドラッシュ」はものすごい反響で
映画化・ドラマ化・ミュージカル化などの話もきたり
いろんな人たちに影響を与えたのだった

ということで・・・

今回は、その今や伝説となった「原宿ゴールドラッシュ」の
誕生・制作秘話から世間にどんな反響を与えたのかなどを語った内容の
Making of 「ハズレテモ、どまんなか」08〜14をお送りします!!

あとがきではその当時のエピソードや画像を使って
振り返りたいと思います。




2009年06月26日 Making of 「ハズレテモ、どまんなか」08 原宿ゴールドラッシュ始動


山崎さんに、原宿の街を舞台にした
サクセス・ストーリーを出版しないかという企画が
ある大物プロデューサーから持ちこまれた。

山崎さんから執筆の依頼がぼくにまわってきた。

その頃、ぼくは大手出版社と組んで進めていた
いくつかのプロジェクトがすべて終わり
ヒマをもてあましていた。
それこそ、1ヶ月間にスケジュールがひとつも
はいってないというヒマさぶりだった。

山崎さんから、サクセス・ストーリー執筆の
話がきて、即答

「やりましょう!」

スケジュール帳の空白の1ヶ月に
太いマジック・インクで
ダーッとななめに線を引き、空白をうめ

「執筆!」

とでかく書いた。

それまでの仕事は、作家に小説を書いてもらう
ことはしていたが、自分で一冊書き下ろすことは
はじめてだった。

PINK DRAGON
(この頃、1986年にはもうこのビルは建っていた)
に通い、山崎さんにインタビューする日々がはじまった。

18歳で上京し、新宿の元祖セレクトショップ<三峰>の
店員になり、そこで相棒となった伴ちゃんと出会い
ふたりでロックショップ<怪人20面相>をつくり
原宿に<KING KONG>をつくり
ビビアンと出会い
ドクロマーク・ブランドのCREAM SODAが
全国的、さらに世界的ヒットとなり
億万長者となっていった成功物語が
確かに山崎さんにはあり、世間も
そのイメージで山崎さんを見ていた。

だけど、それじゃ面白くない
人がやりそうなことはやってもつまらない
じゃあ、どうする?
という話になって
ビジネスやサクセスよりも
大切なものがあるんじゃないかと
真に成功をおさめた山崎さんは考えていた。

それは、何?

それが、1986年の発行以来
いまも読みつがれている

「原宿ゴールドラッシュ」

のコアをなすストーリーとなった。



2009年06月30日 Making of 「ハズレテモ、どまんなか」09 ブックデザインは・・・

「原宿ゴールドラッシュ」を制作していた頃は、山崎さんは
Cat Street(この通りの名をつけたのは山崎さんだ)沿い
NORTH SIDEとSOUTH SIDEに2カ所土地をを所有し
その資産だけで70数億円もするというミリオネアーだったが

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