REITには成長がないのか?
日経平均の快進撃が止まりませんが、相変わらずREITは低迷が続いています。2024/3/1の終値は1700pt割れで、多分3年半ぶりくらいの水準です。
REITがファンダメンタルズ的には安いのは多くのREIT市場参加者にとってコンセンサスになってはいると思いますが、
本格反転は株がダレてきて新NISA参加者が「こんなはずじゃ・・・あれ、なんか安いREITっていうものがあるな」となるか、
マイナス金利が撤廃されて引き締め打ち止め、懸念材料出尽くしというイベントをこなさなきゃ行けないかなと思い始めています。(日銀がタカ派で来るならもう一段下げもあるかもしれませんが)
まあREITは4.5%以上多分配当利回りが出る水準なのでヒストリカルにも手も、もう大火傷はしないんじゃない?という水準ではあります。
さて、こんな記事がありました。
この記事の中で、
「Jリートは、株の一種ですが、債券的価値の高い株と言われます。成長性がない代わり分配金利回りが高くなっています。」
「リートに内部留保がほとんどないことには、良い面と悪い面があります。良い面は「分配利回りが高くなる」こと、悪い面は「成長投資を一切しないこと」です。リートは、利回りの得られる不動産に投資するだけで、不動産の開発投資や成長投資はしません。開発投資で失敗するリスクがなくて済みますが、開発投資を成功させて成長する期待もありません。」
という記載がありました。
内部留保がないのは間違いないですが、「成長性がない」だと、「成長する期待がない」などと酷い言いようだなと思いました。(そもそも開発も小規模ながらやってるところはやってますし)
下記は平和不動産リートのIR資料からの抜粋です。2017〜2023年で配当金が1.6倍になりました。安定配当を志向しながらも右肩上がりで結構な成長だと思います。
平和REITは分配成長の優等生ですが、REIT全体でみてもまぼちぼち分配金(REITの場合はほぼ利益)は成長してるんですよね。
もちろん株式のEPSグロースには勝てませんが、REITも上場している以上、投資家からの成長圧力は常にかかっています。2022年初来物流系のREITの価格下落が大きかったですが、実はこれも「成長期待の剥落」と言われています。
物件の売買も基本的には配当を増やすために行いますし(外部成長)、日々の賃料増額、運営費用削減(内部成長)、金利コストの削減(財務戦略)などなどREITは地道に配当を増やす努力やってるんですよね。
また、マイルドなインフレは賃料の上昇につながる(ことが多い。特にレジ)ので、今の環境下も金融引き締めに繋がらなければポジティブな要素です。
なにが言いたいかというと、金融系の人は理路整然とそれっぽいことを言うのが得意なので鵜呑みにするのはよくないですよ。という話でした。
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