渋谷君、錦戸君、脱退してくれて、ありがとう!

脱退があったからこそのカタルシス


渋谷君と錦戸君の二人の脱退は、残されたメンバーと以前からのファンの方は本当に辛かったと思う。

けれど、批判を恐れずに言うと新規ファンの私にはそれが今の関ジャニ∞にとって良かったと思う。

よく言われる脱退者の二人が空気を悪くしていたとかそういう事ではなく、二人の脱退によりどん底に落ちた関ジャニの今からの再生が面白いのだ。

村上君はよくこの2年(2017年~2019年頃か)大変だったと言っていた。(*1)
丸山君は2018年の5大ドームツアーがしんどかったと語っていた。(*2)

実質的にグループとして活動できるかに加え、その頃ファンではない私も関ジャニはもう終わりだ、解散だというネット記事を見た気がする。
残されたメンバーたちが見聞きしていない訳がない。想像するだに辛い。
その頃、ファンの人たちも嫌だったろうなあ。

でも、私はその谷底があったからこそ、これからの快進撃が面白いのだ。

カタルシスすら感じる。

脱退したのはフロントマンの「東の滝沢、西のすばる」といわれたカリスマ渋谷すばると、イケメンで歌も芝居もできるマルチプレーヤー錦戸亮。

一方、関ジャニに残されたのは歌がダメな兄貴分二人と、かつて関ジミ(*3)と言われた三人。

言葉は悪いがどちらが主役級かというと、答えは明白だ。

でも残されたのがフロントマンの二人だったらこんな面白いドラマは生まれなかった。

*1 日経エンタテインメント 2020年10月号 等
*2 「Re:live」 ツアードキュメント
*  関ジャニ∞のジミな三人の略

 まずどん底を見せる必要性


どん底から這い上がる姿を見せるには、あたり前だがファンにどん底を見せなくてはいけない。

そうでないと上下の対比がわからないからだ。

どん底を見せるのは簡単なようで、それはなかなか難しい。

錦戸君脱退時の2019年、関ジャニ∞は5大ドームを埋める人気者で、地位も人気もある人間が弱みをさらけ出すのは、デビュー直後の何も持たない若者がそれを行うのとは訳が違う。

でも、彼らはまずファン向けのCD特典「ぼちぼち大切な夜(*4)」(以下「ぼち夜」)で弱みを見せた。もちろん全てではないだろうけれど。

「ぼち夜」で彼らは関ジャニ∞の現状(今は底だけど、前を向いていく)をファンに伝えるだけでなく、「私が彼らを支えないと!」というオタクの庇護欲というをかきたてた。

「ぼち夜」は大倉君の発案だそうだ。彼は後に「あれぐらいしないとファンの人たちが納得しないと思った」(*5)と語っているが、彼は「ぼち夜」が彼らの現状を伝えるだけでなく、オタクの庇護欲を誘うことを計算に入れていたのだろうか?

私はしていたと思う。

なんならあの時、どん底を見せてからの快進撃までの戦略を考えていたかもしれない。

「そんな余裕なかったわ」と彼は言うだろうが、大倉忠義という男にはそう思わせてしまう何かがある。
『あいつならやるかもしれない』と他人に自分を過大評価させるのは、なかなかできることではない。

*4 「友よ」セブンイレブン版についた特典映像。錦戸君脱退報道直後に収録され、5人が今まで、これからをお酒を交えながら心の内を話すという内容。
*5  日経エンタテインメント 2021年2月号

「ぼち夜」は危機だったからこその一手


渋谷君が脱退したときは「ぼち夜」のような映像は出さなかった。
けれど、錦戸君の時には出した。

それはより前回よりグループの危機だった事を示している。

グループとして存在できなく危険性はメインボーカルを担ってきた渋谷君の脱退の方だろうけれど、人気が減速する危険性は錦戸君の脱退時の方だったと思う。

人気が錦戸君>渋谷君ということではなく、あの時、メンバーの相次ぐ脱退、安田君の病気、メンバーのスキャンダル等、世間での関ジャニ∞のイメージは良くはなかった。

コアなファンにとっては十五祭で6人でのコンサートを見た直後の脱退発表。薄々錦戸君の脱退に気づいていたファンだってまさかあのタイミング(*6)とは思わなかっただろう。
ファンが気持ちのアップダウンについていけるはずがない。

嫌な言い方をするが、だからファンを繋ぎとめるために「ぼち夜」を出した。

それはある意味背水の陣と言ってもよい賭けで、その賭けは成功した。

一歩間違えればファンにそっぽを向かれる可能性もあった。

彼らが見せた弱みと希望にオタクは「私が応援しないと!」と庇護欲を感じ、5人の関ジャニ∞を応援しようと思ったはずだ。
少なくとも発売一年後で見た私ですらそう思った

その勝負を考えた大倉忠義という男のすごさ。
受けてたったメンバーの度胸。

そのおっさん達の心意気がかっこいいじゃないか!
(大倉君は顔もかっこいいけど、私はこういう参謀っぽいところがかっこいいと思う)

*6 十五祭千秋楽の翌日にジャニーズ事務所社長ジャニー喜多川氏の葬儀、その翌日に錦戸君の脱退が報道された。

アイドルにはドラマが必要


アイドルにはドラマが無いと駄目だと言われる。

順調では濃いファン(要するにお金を落とすファン)がつかないのだ。
辛い時期を一緒に乗り越えることで、一体感が生まれる。

底だった人がスターダムに上がっていく姿を見たいのだ。

私はおばさんでガチ恋じゃない。メンバーが結婚しても大丈夫。
だけど底だった人たちが上っていく姿が見たい。

アラフォーになると人生色々あった。
私は勝手に関ジャニに人生を重ね合わせているのだろう。

アラフォーでもまだいける所が見たい。
ドームでありがとうって言っている姿が見たい。

私は関ジャニ∞じゃない。
でも、投影してしまう自分がいる。

渋谷君と錦戸君が脱退しなかったらこんなドラマは生まれなかったし、私は関ジャニ∞のファンにはなっていない。

後追いファンの私は脱退した二人に好悪の感情を抱いていない。
その両極端の感情を抱くほど彼らを知りやしない。
古参のファンが抱くような哀愁も未練もない。

だから彼らが嫌いだからこう叫ぶのではない。
だけど叫ばせて欲しい。

『渋谷君、錦戸君、脱退しくれてありがとう!』

彼らの脱退がなければ、関ジャニ∞のファンにはなってはいない。
こんな面白いドラマを共有出来やしなかった。

関ジャニ∞の第二幕の幕開けに間に合って
私は本当に幸せだ。

関ジャニ∞も脱退した二人も、ありがとう!!!

Road   to   Re:LIVE

そう、関ジャニ∞の快進撃はこれからだ。 


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?