横山裕考~オオカミっぽさ

弱みを見せない男

彼の事を書こうとして、今まで見た映像、雑誌記事などを思いだしてみたけれど、これといって彼の印象的な言葉を思い出せない。なんでかなと考えたら、ほかのメンバーに比べて自分の気持ちを吐露している事が少ない気がするからかもしれない。こう、外側にバリアーを張っているような雰囲気もする。

しいて印象に残っているのは47(*1)のドキュメンタリーの冒頭の「さびしさとかあるんですか?」の問いに「うーん・・・。うーん・・・って感じです」くらいかな。
言葉にしていないけれど、寂しいとか辛いとかを口にしたくない抵抗を感じる。

村上君は「ここ数年しんどかった」、丸山君は「5大ドームツアーがしんどかった」、安田君は「背中、かっこいいと思ってもらいたい」、大倉君は「(ここ2年間くらい)めっちゃ大変でしたね」とドキュメンタリーでここ数年の心情を語っているが、横山君にはそういうシーンがない。

「(5人で)スタージに立って満たされてないと思うならやめるべきだと思う」が横山君のこれから5人でやっていく気持ちを表しているけれど、辛かったとかマイナスの気持ちを彼は発しない。

彼も丸山君と同じで自分の中のマイナスな部分を見せたくない人なんだろうな。横山君は「拒絶してます!」と態度で分かりやすく出して、丸山君は仮面をかぶってそれをかくすという違いはあるけれど。

そんな彼が涙を見せたのが渋谷君の脱退会見だった。

*1 47。シングル「Re:LIVE」の初回限定版A特典の47都道府県を回るコンサートのツアードキュメント

横山裕はオオカミっぽい

渋谷君の脱退会見時(2018年)、私はまだファンでは無くて、一視聴者としてあの会見を見ていた。

「正直、今日の日が来ないでくれればいいと思った」

あの時は横山君のこの言葉を「ふーん」と思って聞いていたけれど、今彼らの歴史を知って聞くと横山君の渋谷君と一緒にいたかった横山君の気持ちが痛いほど伝わってくる。

「辞めるギリッギリまでしゃべってた」(*2)し、「これまで苦楽をともしたメンバーが、ずっとおった奴が、そこにおらんようなるっていうのが、友達として辛かっただけで。もう同じ方向を見いひんの?っていう」(*2)

横山君にとって渋谷君(と村上君)は特別な存在なんだと思う。渋谷君がジャニーズ事務所を辞めてもまだ連絡を取っているというし、仕事仲間以上の関係なのだろう。
「もし今会える機会があっても・・・会わないかな。今はそういう時期じゃないと思うから」(*3)という丸山君とは心情が違う。

横山裕という人はオオカミのような人だなと思う。

オオカミはグループで行動し、外部には排他的ではあるけれど、仲間には優しい。
横山君もなかなか心を開ず、でも一回その扉が開いて仲間と認識するとどこまでも許容し、守る。
その仲間の中でもピラミッド型の序列があり、それはくつがえらない。

なんだかそんなイメージの人。

彼の仲間の頂点は家族で、その下が同期の渋谷君、村上君。その下部に他の関ジャニメンバーがいるように思う。

関ジャニ∞には脱退したメンバーが二人いて、渋谷君ともう一人は年下の錦戸君。
2人ともジャニーズ事務所をやめたけれど、横山君が名前を出すのは渋谷君だけで、錦戸君の名前は出さない。

事務所の辞め方の違いかもしれないけれど(錦戸君はもめたっぽい)、渋谷君が錦戸君の辞め方をしても、横山君は渋谷君を切ったりしないような気がする。渋谷君は横山君の身内ピラミッドの頂点の方にいるから。

錦戸君と仲が悪かったという事ではなく、同期とそれ以外では仲間意識が違うだろう。

ファンになるまで気づかなかったけれど、関ジャニ内でも年少者は年上組に普段は敬語で話しているようだ。
TV収録ではタメ口で会話しているが、おまけ映像の時などにそれが垣間見える。

丸山君、安田君、大倉君(一才差づつ)の三人で話す時は敬語はない感じだけれど、横山君が混じると敬語が混じる時がある。

TOKIOも、ちょっとした時に長瀬君が城島君達に敬語の時があって驚いたことがあったけれど、一度築いてしまった人間関係というのは中々変わらない物なんだなあと思う。

2021年正月特番の「しゃべくり7」に関ジャニが出たときに敬語の話になった時に横山君が「俺は全然それ(敬語)できてくれて構わない」的なことを言って大倉君の表情がアップで抜かれたが、その大倉君の表情で『ああ、横山君は本気だな』と思った。

別に敬語だからといって仲間じゃないわけでは無い。メンバーの事は大事に思っている。

上下関係に厳しくて、仲間想い。

横山君はオオカミっぽい。

*2 日経エンタテインメント2020年11月
*3 日経エンタテインメント2021年1月




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