くぴぽSOS!/くぴぽSOS!1.5の感想【ネタばれ注意】

LAST上映?と銘打った上映イベントがあったので、出張の合間に大阪まで足を伸ばして、行ってきました。

ツイッターで感想を書き狂おうかなと思っていましたが、まだ観てないひともいるので躊躇していたところ、先日の難波ベアーズでひめちゃんに『感想見たい!』と言ってもらえたので、noteに記すことにしました。

ネタばれ?もあると思うし、まだ映画を観てないひとは、読まない方が楽しめます。(1/23のイベントではBEYONDの公開と合わせて、再上映もありそう?といった話も出てました!)

初めて上映されたのがもう3年前?なので、だいぶ”いまさら感”もありますが、映画観た人と語り合いたい気持ちもあるのと、「くぴぽSOS!BEYOND」の制作発表もあったので、それに向けていろいろと気持ちの整理もしておこうと思います。

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くぴぽSOS!は一言でいうと、まきちゃんの成長期。でしょうか。

2016年6月頃からの記録映像から始まっていて、自分がくぴぽを目撃した2018年10月(アイドルわちゃわちゃ運動会@渋谷ミルキーウェイ)からだいぶ歴史を遡っている貴重なものでした。

かといって古さを感じることもなく、アイドル業界でいうと普遍的なテーマを扱っているがゆえに、どのシーン切り取っても生々しい感じがこの映画の魅力だよなと再確認。

いまよりも、ちょっとガサツな感じもあるまきちゃんは、観ていて心配してしまうほど振り回されているし(特に前半)、心のざわつきが収まることなく映画は進んでいきます。

この映画では、自分が特に強い想いを抱いたのは「ビビタ:あいなちゃん」でした。この子が在籍していたころのくぴぽは知らず、映画だけの彼女しか見たことはないのですが、とにかく惹き込まれる魅力の持ち主。

まきちゃんとの衝突を繰り返しながらも、自分自身の「アイドル論」を決して曲げることなく、信念を貫き通す姿が印象的です。初期メンバーが辞めていってもなお向上心を持って取り組む姿勢もまた応援したくなります。

それに加えて、劇中でUNDERHAIRZさんと共演したライブの舞台裏では”アイドルを捨てない”しおらしさ”も持ち合わせていて、それがまた心をくすぐり、2回映画を観ただけですけど、すっかりファンになっていました。

その後、ビビタちゃんは「集客達成しなければ卒業します!宣言」をします。くぴぽとしてもっと売れるために考えたことなんだと思います。
そんな突っ走るビビタちゃんと、どちからといえばマイペースなまきちゃん。マイペースというよりは、自分の目にはポーカーフェイスにすら映っていたかもしれない。
ビビタちゃんにどんなに怒られようと、感情をぶつけられようと、強く跳ね返すこともなく、グッとこらえるような受け止め方をしていたのかな。

そんなこんなで2人のギクシャクは続き、ビビタちゃんは「我慢の限界」とにこやかにカメラに放ち、当初の予定より早まって、くぴぽを辞めてしまいます。スクリーン越しで傍観する我々としては、なんとも歯がゆい。

ビビタちゃんが近鉄線の改札口?へ降りていく階段のシーンは、たしか監督のタナベさんがどうしても撮りたい、と言っていたエピソードがあったような、なかったような。

地下アイドルを辞め、さらに階段で降りていく姿が、何かのメタファーにも感じる、とても象徴的なワンシーンです。時々、大阪に遠征すると近くをあるく機会がありますが『ここは、ビビタちゃんの、、、』となったりします。

新メンバーが加入したあとの地下一階で、くぴぽのライブを見守るビビタちゃんの、何か物言いたげな、儚い表情は、この映画のなかでも特に重要なカットだと思いますね。目に焼き付いてます。

あと、余談ですが、都度インタビューで受け答えするときに「フフフッ」って笑う癖が出てしまうビビタちゃん、どう考えても可愛いんですよ。
もし今後生きていくなかで、ビビタちゃんと出会うことがあれば、くぴぽのことをお話してみたい気持ちです。

時系列は前後しますが、
・みくろちゃんの卒業⇒ビビタちゃんの卒業を待ってcure。加入
・ジャイコナイトの一件(DJダイノジ)
・なーさん、つじこちゃん加入して落ち着いたかにみえてまたも脱退(これはもう「くぴぽSOS!1.5」だったかな)
と、幾度となく畳みかける苦難は、まさにSOS状態。

1/23の上映会はsui sui(@sui_sound_works)の中の人も観に来ていましたが、ずっと見るに堪えない状態だったそうで。きっと全アイドルの運営さんが高次元で共感できる内容が詰まっているのかと思われます。

と、ここまで、ビビタちゃん>まきちゃんくらいの文量で書いているのに自分でもやや驚いていますが、
・トークショーでクリトリック・リスに褒められるまきちゃん
・cure。のメンバーに嫌われてるんじゃないかと思ってTwitterのフォローを外しちゃうまきちゃん
・タナベさんに長文LINEを送ってしまうまきちゃん
・ビビタちゃんが辞めるときに目を合わせたかった(とLINEスクショに書いてあった)まきちゃん
と見所は当然満載。なにせ主人公ですから。

と、くぴぽSOS!の上映が終わり、続くは「1.5」という作風がガラリと変わる佳作。
ここからは、現メンバーでいうほんぼちゃん・ひめちゃんも多く登場してきます。なだれちゃんは「(くぴぽ新メンバー)合格です!」と言われるシーンがエンディングになっているので、顔は出てませんが、なだれちゃんも出演はしてます。

画像1

余談ですが、ちょっと嬉しかったのは、くぴぽSOS!1.5に少しだけ顔が出てましたわたし。(棘-おどろ-の大阪遠征で行ってたんですけど、改めて13日夜のタイテがとてもよい。)
WEAR⇒棘-おどろ-⇒くぴぽ。映っていたのは、物販のときにひめちゃんのハッピーバースデーをお祝いするシーン。要チェックです。

1.5についても、感じたことはたくさんあるんですが、まきちゃんが『とても成長している!』の一言に尽きますでしょうか。
劇中で本人も言っていますが、それまではまきちゃんとメンバーが対等な状態でグループが組成されていたのが、どちらかというとまきちゃんが”プレイングマネージャー化”して、一本筋が通っていると。

それなので、エピソードとしても、まきちゃんからメンバーに対して指摘をすることが多く出てきたりする。ただし、その「指摘」を受け止めるメンバーも『みんなの前で(指摘を)言ってほしくなかった。』やまきちゃん自身の言葉足らず?が原因ですれ違いが起きてしまうこともしばしば。

そこで、活躍するのが我らがひめちゃんですよ。

自分がくぴぽを見始めてからのひめちゃんは、とにかく陽キャで岡山弁もチャーミングに本音をズバズバと振りかざす、やんちゃな可愛い女の子。

このツイートにもあるとおり、とにかく「いい奴」が全開。

ややもすると、まきちゃんvsメンバーたち、となりがちな構図をうまく間を取り持つバランス感覚の持ち主で、社交性はもちろんだけど「社会性」が高いのです。

でも、ひめちゃんの何が良いって、その「いい奴」っぷりを売りにするどころか、球種が「あげぽよ」しかないピッチャーって感じで、それもまた好感が持てるんですよね。

これは新潟遠征での一コマですが、会場が大爆笑の渦に巻き込まれるわけですよ。『え?そんな偉いひとにタメ口でいく?マイメンって言ったぞいま?』みたいな心配をよそに。人の懐に入るのが上手なんだろうな。

2019年の9月末だったか、メルトミュージックさんとのワンマン前トークショーで、ほんぼちゃんやなだれちゃんが「ひめちゃんがいないレッスンや楽屋がすごい寂しい」という話をしていたのも納得で、1.5の劇中では随所にひめちゃんの気配り、気遣いが冴えわたっている。

ほんぼちゃんは、お披露目ライブのMCでちょっぴり噛んでしまうところが映っていたりします。あとは、レコーディングのときにとにかくべた褒めされていて、歌声とリズム感、あとダンスも、素晴らしいとのことで、いま目の前で見ているぼちゃんのスキルは、デビュー当時から抜きんでていたのだなぁと。
2ndワンマンのコントで、跪いて野球選手の名前唱える?シーンでにやりとさせられたり。変わっていないところは変わっていないし、成長しているところは成長を感じる。

くぴぽSOS!1.5の作風は、カラッとした明るさが際立っていて、ザラザラとした手触りの前作と比較するとすんなりと入ってくる。けど、メンバーの脱退・卒業は止まらず...ななちゃんがお休みに入るあたりが1.5の終盤にあたります。

周囲の意識と差が生まれてきてしまうことの息苦しさっていうのは、当然アイドル当人にしかわからないことなんでしょうけれど、一般的には「地下アイドルってよく卒業・脱退するよね」という世論があるとしたときに、自分としては一定の「仕方なさ」があるので、それ以上でも以下でもなく、受け止めるしかないよなと常々思っています。

外野が言って、何か変わることでもないですし。
その点、ななちゃんは「スタッフとして関わり続ける」という選択肢を手に取り、いまも時折顔を見せてくれるのは、とても喜ばしいことなんじゃないかなと思います。

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話は逸れますが、この映画観終わったあたりからでしょうかね、アイドル運営と(企業における)事業運営って、とても似ているなと思っていたりします。目指す世界観(ビジョン)があって、そこに対して集まる同志がいることが重要であり、当然採用するときにも価値基準が近い方がよい、であったり。

ただ「アイドルグループ」という箱に押し詰められるだけではなくて、みんながやりたいこと、目標とすること、を常に意識し合って、手に手を取って進んでいってほしいものです。

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あんまり「地下」「地上」みたいな括りを問わずに、とにかく人間と人間がぶつかり稽古のように魂を削り合い”現実”を突き付けてくる「くぴぽSOS!」、その前作の血生臭さをマイルドにしつつも、根底にある「アイドル賛歌(だと勝手に思っている)」的なイズムが前面に押し出ていて、夢とか希望を抱かせてくれる「くぴぽSOS!1.5」。

あとは、何かいろいろと書き漏れた感想はあったかなと思いますが、とにかく好きな映画です。もう本当に。これは絶対DVDにしてほしさが強い。

それと、先日の上映会後のトークショーで『なるほど』となったのが、まきちゃんの劇中での一人称。
「ぼく」→「まきちゃん」に変わってるのは気づかなかった。これもひとつの意識の変化があったのでしょう。まきちゃんという存在を俯瞰してみているイメージ。わかりやすく言うと「YAZAWA」かな。

なにせ『くぴぽSOS!BEYOND』が楽しみです。

↓のツイートは、2019年3月にはじめて「くぴぽSOS!」「くぴぽSOS!1.5」を観たときに殴り書いたもの。これも備忘録として残しておきますかね。

また『くぴぽSOS!BEYOND』が公開されたら、感想書きます。

最後に、まきちゃんのブログも載せておきますね。

好き。

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